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パート1

チリリリリリリン

目覚まし時計が鳴った。

「もう、朝?」

それにしては、見慣れない天井

顔を右に向けると、
「おはようございます、ゆうちゃん」


「あ、おはよう」

あ、昨日泊まったんだった

「体調、大丈夫?」

「はい、お陰様で、元気になりました
ありがとうございました


お礼になんですが、ご飯作ったので,ご飯にしましょう!」

「うん、そうする」




そして、顔を洗い、テーブルに向かうと
「美味しそう」
という、心の声がもれてしまった。

「ですよね♪
張り切ってしまいました」


アリさんにしか聞こえない声で言ったの
に…


ワンプレートで、ワッフルがのってて、
生クリーム、サラダ、
小皿に、ヨーグルトがあった。

『いただきます』


「ゆうちゃん、、、どうですか?」

なぁちゃんが心配そうに、私に聞いた。

「すんごい、美味しい!!」

「良かったー」

まず、私の経験上、朝食にワッフルが出てくるのは、料理が美味い証拠。

そもそも、家にワッフルを作る機械があることに驚きだった。



「やっぱり、お口に合いませんでしたか?

ワッフルじゃなくて、ご飯とか、出せば…」

「ううん、そういうことじゃないの」

「では、どうしてそんなに、暗い顔を?」

「いや、その、えっと、

なぁちゃんって、私と同じ歳じゃん、
でも、仕事完璧にして、料理美味くて、
みんなに、馴染んでいて…
わたしとは、反対で、良いところ一つも無い…」


「ゆうちゃんだって、いいところありますよ」

なぁちゃんは真剣な表情で、続けた。

「それは、人一倍頑張り屋さんで、
負けず嫌いなところです

みんなが嫌がる仕事を進んで行う、
誰より、完璧に資料をつくり、わかりやすく説明する」

「これだけじゃん、だったら、なぁ」

「わたしには、そんな事できません。

これが、ゆうちゃんのいいところです」




突然、私は思い出した

『ねぇ、ゆうちゃん、やっぱりゆうちゃんは、頑張り屋さんで、まけずぎらい、だね』

『だってまけるの、いやだもん』

『そこがゆうちゃんのいいところだよ』

『ありがとう、なぁちゃん』
小さい頃の記憶だった。


私は今も、昔も、『負けず嫌い』なのだった。

今、どこにいるのだろう、
『なぁちゃん』
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