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会いたい

家に着き、すぐさまになぁちゃんの手当てをする。そしてこの8年間、なにがあったのかも聞かなきゃならなかった。

「…なぁちゃん、この8年間何してたの…?」
「ゆうちゃんの手当て上手になりましたね!」
「話逸らさないで!この8年間でなぁちゃんが何をしてきたのかが知りたいの!」
「……わかりました。お話しましょう…」

なぁちゃんの8年間は壮絶なものだった。
「ゆうちゃんと離れたあと、私は中国へと渡りました。お金を借りた元締めが中国の人だったからです。私は2つの選択に迫られることとなりました。1つ目が普通の仕事をして、死ぬまでお金を返し続けること。2つ目がマフィアとなることでした。多分、ゆうちゃんの肩代わりとなったことが買われたのでしょうね」

「それで、なぁちゃんは…?」
「私は、マフィアとなるという選択をしました」

言葉が出ない…私は普通にOLをしていたのに、なぁちゃんはそんな選択をしていたなんて…

「ごめんね…」

私は泣いてしまった。元はと言えば私が原因なのに、1人の人間の人生を棒に振ってしまった…

「泣かないでください。逆にこの選択をしてよかったんです!」
「えっ…どうして?マフィアになったんでしょ?なって日本で言うヤ◯ザみたいな感じじゃん!」

「もし、マフィアにならない選択をしたら、ずっと中国でずっと働かなきゃいけないんです…」
「その選択でいいじゃん!命より大切なものないよ!」
「それじゃ、ダメなんです!」
「なんでよ!」

つい大声で言ってしまった…


「あ、ごめん」
「私は、またゆうちゃんに会いたい。また話したい。また旅行行きたい。くだらないことで一緒に笑いたい。
それだけのために私はマフィアとなりました。ゆうちゃんに2度と会えない人生、そっちの方が絶対に嫌です!!」
「なぁちゃん…」

『私に会いたかったから』それだけの理由でマフィアとなっていた。私にとっては本人の命の方を大事にして欲しかった。

その時、1つの質問が思い浮かんだ。
「じゃあ、なんでここにいるの?」

「それは…私のいる組織が日本へ上場しまして…私が日本人ということもあり、日本支部の総長をさせていただけることになって…。しばらく日本住みとなります…」


それってもしかして…

やっとなぁちゃんと誰にも追われることもなく、一緒にいられる!

「なぁちゃん!」

私はとびきり、なぁちゃんに抱きついた。

「イタタ…」
と本人は痛そうにしていたが、抱き返してくれた。


これからもよろしくなぁちゃん!!!





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