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会いたい

それからというもの私たちは海外へと逃げた。逃げることはできないということはわかっていても、逃げることしかできなかった。


せめて逃げている時間が楽しくありますように。そう願って…

「なぁちゃん!これ、自由の女神?!」
「はい、ここアメリカですし」
「うわぁ!すごいね!!」


「このお城って、アニック城?!ハリーポッターの元ネタになったお城?!」
「そうなんですか?!それはすごいですね!」



世界の各地を転々とした。お互いなけなしのお金を出し合っていた。


そのお金も底につきそうになったとき


「おい!!お前!村山彩希だよな?海外に逃亡しやがって!!」


バシッ


ヤクザみたいな人がゆうちゃんのことをビンタした。
私は呆然としていた。

「…ご、ごめんない…」
「謝りの言葉なんていらねぇ!早く金返せ!」
「か、返せません…お金…ありません…」
「はぁ?!何言ってんだ!!」

ドカッ

今回はゆうちゃんの頭を殴っていた。その衝撃で血が出ていた。

私は見るに耐えないゆうちゃんの姿を見てもう限界だった。

「あの!金を返せば、ゆうちゃんは無事なんですよね!?」
「あぁ、まぁ、そうだが。まさかてめぇが返すとでも言うのか?」
「その、まさかです!これ以上ゆうちゃんに辛い思いして欲しくない!」
「なぁちゃん!何言っているの?!」
「500万円ぐらいすぐ返せます!だから、もうこれ以上ゆうちゃんを苦しめないで!」


私はゆうちゃんを庇って500万円の借金を返すことにした。

「言っておくが、お水商売で500万円返せると思うなよ。海外まで逃げたんだ。それ相当の辛さがあると思え!」
「もちろんです!」
「なぁちゃん!勝手に決めないで!私の借金をなぁちゃんに肩代わりさせるわけには…」「ゆうちゃん。私は大丈夫ですから、お元気で」
できるだけの笑顔でいった。



ゆうちゃんの泣いている声が聞こえてきた。私は後ろを振り向かずにヤクザみたいな人についていき、中国へと渡った。
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