運命とは、一体何なのか。
　
　絡紐編を書いているとき、私の中にはずっとそんな疑問がありました。誰かに決められたものなのか、それとも元から存在したものなのか。しかしウォルファとヒジェは、そんな運命とはいつも真逆の方向に進もうとします。その姿を狂恋に走った愚かなものだと言うのか、愛を貫き通した究極の恋の形だと言うのか。全てはこの物語を見届けることになる皆さんの解釈次第です。
　ですが、ヒジェとウォルファはどんなことがあっても互いを想うことを諦めません。その命が尽きる最期のかがり火を燃やしてでも、二人は互いを愛し続けます。
　不条理な運命にそっと舞い降りるささやかな希望。皆さんの心もこの希望で少し温かくなれば幸いです。
　
　
　
　次の散華編と最後の載華編で載華記は完結に至ります。皆さん、ここまでお付き合いくださり本当にありがとうございました。よろしければ、これからもウォルファとヒジェの辿る結末を共に見届けてやってください。