狂恋、悲恋。その当事者は何を思うのか。そんなことを考えて執筆させていただいている載華記も、いよいよ半分を迎えました。ドラマを知っていない方には衝撃の結末ではなかったでしょうか？（予想できていたらごめんなさい。。）また、ドラマを見ていた方には、あのシーンがこんな風な見方になるとはと思っていただけたら幸いです。
　チャン・ヒジェを演じるに当たって、実際に俳優キム・ユソク氏はこう言っていました。
「彼の犯した罪だけに目を向けるのではなく、なぜ彼が悪事に手を染めなければならなかったのか。その過程をしっかりと演じたい」
残念ながらトンイはチャン・ヒジェ主演ではなかったので、細部まで演じきる時間はありませんでしたが、彼のヒジェはどこか憎めない、やさしい兄の一面も持ち合わせています。そんな彼がもし、一人の女性を命懸けで愛したら………そんな想像から書くことになった載華記ですが、チャン・ヒジェの行動の意味や思いは伝わっているでしょうか？例え伝わらないとしても、私はぜひ、彼という人物が生きていたことを知って欲しいです。そしてその人は確かに実在していたことも。ウォルファのような女性が居たかどうかは創作なので謎ですが、実際に彼女のような人と恋をしていたら、より素敵ですね。
　さて、ユソク氏はヒジェを演じるに当たって、とんでもない量の文献を読み、夜通し役作りのために台本片手に人の目も気にせずに街を歩き回ったそうです。しかしそれでも彼の演技は難しいと彼は言っていました。それは、解釈するにはあまりに人間臭く、理想化するにはあまりに現実的で、悪人化させるにはあまりに陳腐すぎるからだと私は思います。放蕩息子のようであってそうでない。権力に固執してるようであってそうでない。誰かを一途に想えないようであってそうでない。そんなチャン・ヒジェは皆様にはどのように映っているのでしょうか？あのドラマにおいて、ヒジェの存在は人間という哲学であり、誰もが持つ側面を一つは持っているのではないでしょうか。私はそれに気づいたとき、初視聴当時の過去にあたためていた載華記の原本となる夢小説を練り直し、今の形にしようと思い当たりました。実は、初めの頃は公開せず、自己完結しようとも思っていました。ですが、やはりチャン・ヒジェの全く新しい見方があるのだと知ってもらいたくて、拙作ではありますがここまで執筆を続けることができました。
　本当に皆様、ありがとうございます。今後も続く載華記のご愛読、そしてヒジェとウォルファの恋の応援をどうぞよろしくお願い致します。