─────その恋は、運命より残酷。

　時は朝鮮19代王粛宗の治世。西人と南人という二大政党が対立する時代のこと。
　西人の名家の令嬢の生まれでありながら、捕盗庁で書庫整理係をするシム・ウォルファは、幼い頃名も知らない初恋の青年と出会った市場で、同じように男と出会う。見るからに放蕩息子そうな男に嫌悪感を感じつつも、何故か不思議な縁が続き、彼女はいつのまにか男のことばかりを考え始める。一方、男の正体は初恋の青年と同一人物であり、粛宗に寵愛されているチャン・オクチョン（後の禧嬪張氏）の兄である南人のチャン・ヒジェ。彼もまた数奇な縁に導かれながら、ウォルファに興味を抱く。さらに赤い糸は二人を強く引き付け、彼らは同じ捕盗庁の職場になってしまう。
　
　偶然が必然としか思えない偶然を呼び、二人はいつしか互いを心から愛するようになる。しかし、ウォルファは南人の貴公子オ・ユンからも愛されており、その縁談に苦しめられる。更にヒジェを愛していると気づいていないユンは、彼女に一途な愛情を注ぐため、ますます彼女を苦しめてしまう。そんなユンに勝る権力を得てウォルファを妻に迎えたいと願うヒジェは、王妃になりたいと夢見る妹のオクチョンと共に、悪事に手を染める……
　
　そして、ヒジェとウォルファが政敵同士になったとき、その悲劇の歯車が、音を立てて回り始める。
　
　空に咲く花のように身分が高い女性を愛したが故に、誰にも渡さずに済むには悪事に身を投じるしかなかったヒジェと、届く距離にありながら、その心を決して得ることの出来ないユン。そしてヒジェを愛しつつも、家のためにユンとの縁談で板挟みになってしまうウォルファ。三人の切ない三角関係の末路は…？
　
　妹、チャン・オクチョンを題材にしたドラマや小説などは多々存在している中で、敢えてその兄チャン・ヒジェに焦点を当て、その人生に架空の女性シム・ウォルファを加えることで新解釈とした全く新しい夢小説、載華記。
　
　一人の男が求めた幸せ。それは、権力を握ることではなく、一人の女性の手を離さずに済むことだった──
　
　
　現在、細々フォレストページ+にて連載中。
　
　
　
　
•*¨*•.¸¸☆*･ﾟ✡*｡ﾟ✧*。*•.❥﹢◊*ﾟ•*¨*•.¸¸♪
最後までお読みいただきありがとうございました！なかなか難しいテーマではありますが、どうかウォルファとヒジェの恋を見届けてやってください。そして、ユン様の切ない片想いに胸を痛めてやってください。
　
　それでは、また載華記あとがき等でお会いしましょう！