【第一部】1、偶然が導く縁(加筆修正済)
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翌日、捕盗庁は朝から噂に大騒ぎしていた。
「今日は新しい武官様が赴任してくるそうよ。しかも誰か知ってる?」
「ふぅん…知らない。」
朝からさぞ興味がなさそうに答えるウォルファに同僚のカヨンは呆れたが、そのまま話を続けた。
「それがね!チャン尚宮様のお兄様のチャン・ヒジェ様だそうよ!」
「え、あの放蕩息子の?都でさんざん噂になってたじゃない」
「でもぉ!!とっても背が高くて、美男なのよ。あれなら節操がなくても許されるわ…」
「カヨンって変な趣味してるわね…」
横で話を聞いていたもう一人の同僚であるミンジョンがカヨンの話に肩をすくめた。ウォルファは昨日の男がどうしてもしきりに頭に引っ掛かって、チャン・ヒジェなどもはやどうでも良くなっていた。
───あの人、一体誰なのかしら…
オクチョンに指摘された通り、彼女は確実に男に惹かれていた。オ・ユンには抱いたことのないような気持ち。彼女は上の空で筆の先を何度も墨をつけて整えた。突然現れて、正体がわからない人に恋をしたのはこどもの頃以来だ。しかもどちらも市場で紐を買うとき。けれど、明らかに違う性格の二人。ますます混乱し始める彼女の思考を断ち切ったのは、朝礼の召集だった。
「ほら、ウォルファ。行くわよ!」
「まだ名前も知らない人のこと考えてるの?あなたにはオ・ユン様がいるでしょう?」
「まだ決まった訳じゃないんだけど…」
ここまで話が広がっているのかとウォルファがため息をついたその時だった。
「今日からここの武官を勤めます、チャン・ヒジェと申します。どうぞ、よろしく」
「ほら!!ウォルファ!チャン様よ!!」
カヨンに肩を叩かれ、煩わしく思った彼女が顔を上げた。すると…
─────え…?
チャン・ヒジェと名乗った新任の武官は、確かに市場と宮殿で会ったときと同じ顔、同じ背丈で、同じ笑い方をする男だった。状況が飲み込めないウォルファだったが、やがてしばらくすると、あの男こそが放蕩息子のチャン・ヒジェであったのかと気づくのだった。
これが、二人の本当の出会いである。つまり、本当の物語はここから始まるのだ。
「今日は新しい武官様が赴任してくるそうよ。しかも誰か知ってる?」
「ふぅん…知らない。」
朝からさぞ興味がなさそうに答えるウォルファに同僚のカヨンは呆れたが、そのまま話を続けた。
「それがね!チャン尚宮様のお兄様のチャン・ヒジェ様だそうよ!」
「え、あの放蕩息子の?都でさんざん噂になってたじゃない」
「でもぉ!!とっても背が高くて、美男なのよ。あれなら節操がなくても許されるわ…」
「カヨンって変な趣味してるわね…」
横で話を聞いていたもう一人の同僚であるミンジョンがカヨンの話に肩をすくめた。ウォルファは昨日の男がどうしてもしきりに頭に引っ掛かって、チャン・ヒジェなどもはやどうでも良くなっていた。
───あの人、一体誰なのかしら…
オクチョンに指摘された通り、彼女は確実に男に惹かれていた。オ・ユンには抱いたことのないような気持ち。彼女は上の空で筆の先を何度も墨をつけて整えた。突然現れて、正体がわからない人に恋をしたのはこどもの頃以来だ。しかもどちらも市場で紐を買うとき。けれど、明らかに違う性格の二人。ますます混乱し始める彼女の思考を断ち切ったのは、朝礼の召集だった。
「ほら、ウォルファ。行くわよ!」
「まだ名前も知らない人のこと考えてるの?あなたにはオ・ユン様がいるでしょう?」
「まだ決まった訳じゃないんだけど…」
ここまで話が広がっているのかとウォルファがため息をついたその時だった。
「今日からここの武官を勤めます、チャン・ヒジェと申します。どうぞ、よろしく」
「ほら!!ウォルファ!チャン様よ!!」
カヨンに肩を叩かれ、煩わしく思った彼女が顔を上げた。すると…
─────え…?
チャン・ヒジェと名乗った新任の武官は、確かに市場と宮殿で会ったときと同じ顔、同じ背丈で、同じ笑い方をする男だった。状況が飲み込めないウォルファだったが、やがてしばらくすると、あの男こそが放蕩息子のチャン・ヒジェであったのかと気づくのだった。
これが、二人の本当の出会いである。つまり、本当の物語はここから始まるのだ。