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本棚

 初めて見た時、カミナリに撃たれたような気がした。

 恋人にようわからん理由でフラれて。
 くさくさした気分で歩いてた時、街で出会った。

 『男の娘アイドル』とか、一歩間違えたら事故りそうなモノなのに、彼は、彼女はキラキラと輝いていたんだ。

 太陽に近づきたかったイカロスのように。
 誘蛾灯に誘われる蛾のように。
 眩しさに目を眇めながらもそばにいたくて。

 気付いたらライブスタッフの募集に応募していた。

 生来の無表情がファンではないと判断されたのか、トントン拍子に出世して、今はマネージャー。

 相変わらずキラキラしてるアイドルのそばで、眩しさで顔を顰めながら、今日も推し続けるんだ。

 ……だけど、社長にはバレてる気がするんだよなぁ。
 実は立派なあかりんファン推しだって。


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ニノハラ リョウさまより
X(旧:Twitter)@ninohara_ryo
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