冬休みインターン編
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「貴様らには早く力をつけてもらう。今後は週末に加え...コマをズラせるなら平日最低二日は働いてもらう」
「前回、麗日や切島たちもそんな感じだったな」
「期末の予習もやらなきゃ...轟くん英語今度教えて」
『どうしよう...死んだ...絶対私留年だ...』
「留年なんてぜっってェ許さねえからな!教え殺したるから覚悟しとけ!」
『どっちにしろ死んだ...』
「僕にもできることがあれば手伝うから!」
「オレも上手く教えられるよう頑張る」
『みんな...!』
「つーか狭えんだよ!ナンバーワンならもっとデケェ車用意してくれよ」
『かっちゃんがうるさいから、いずっくんが補助席に座ってくれてるのに、かっちゃんわがまま言いすぎ!』
「寒いから半分ヤローの左がいいって駄々こねてたヤツに言われたくねえわ!てめえが貰ってきた菓子が地味に場所とってんだよ!」
「ハイヤーに文句言う高校生か!!エンデヴァーあんたいつからこんなジャリンコ乗せるようになったんだい!!」
「頂点に立たされてからだ」
「ケエーーー!!立場が人を変えるってェやつかい」
『けえー!』
「ふっ ...やめてユウちゃんっ...」
「ん?」
「良い家に住んでるなエンデヴァー!」
「夏兄!!」
『きゃっ!』
「チッ!」
車が激しく動き、前に飛び出しそうになったところを助けられ、力強く抱き寄せられる。
飛び出して行ったエンデヴァーさんに続いて外に出ようとすると、白線で車を覆われ閉じ込められてしまった。
『閉じ込められた!』
「伏せろ!オレが壊す!」
かっちゃんが爆破させた場所から抜け出し、トランクへ向かう。
『重っ...』
トランク3つは流石にキツい...でもこれがあった方がみんな有利に戦えるし、なんとか...!
「ユウちゃん!貸して!かっちゃん!ショートくん」
『いずっくんありがとう!』
「こちらこそ!」
「インターン生...
俺の死を仕切り直すぞエンデヴァー!!」
白線を自在に操る個性...!
下手に遠距離攻撃をすると、周りの車や人を盾にされるかもしれない。人も車も多いこの場所であのヴィランに追い付くのは厳しい。なら私にできることは1つだけだ。
ヴィランに囚われた夏さんと入れ替わって不意打ち!
距離があるし、動きが速くて上手く捉えられない...諦めるな集中しろ!この距離から動かず目を離すな。
「オレの希望の炎よ!!息子一人の命じゃアまだヒーローやれちゃうみたいだな!早く俺を殺っさねェから!!」
マズい!一か八かやるしかない!お願い成功して!
『空間操作!』
視界が一気に変わり、体が締め付けられる。体格差でできた隙間が無くなる前に手の向きを...!
クソッ 狐火の威力じゃ壊れない!あれ...?なんだろうこの感覚...
「死人が増えちゃうんだ」
上下が反転し目の前に車が見える。
まずい...これ轢かれ...
「増えねンだよ」
聞き慣れた声がすぐ近くで聞こえ、間一髪のところを救われる。
「何自分から死のうとしてんだよ!救けるつったって他の誰かが死んだら意味ねえだろうが!」
『ご、ごめん...ちゃんと抜け出す算段はあったし、死ぬつもりはなかったんだけど、抜け出す準備してたら轢かれそうになっちゃって...』
「ふざけんなバカ...死んだらマジで許さねえ」
『ごめん...』
悲しげに揺れる赤い瞳から逃げるように目を逸らすと、夏さんを抱きしめるエンデヴァーさんの姿が見えた。
『...』
「白線野郎は!?」
「確保完了」
「クソデク、モブはあ!?」
「知らない!車に乗ってた皆さんなら大丈夫!!
完全勝利だ」
「うるせー!!」
「なんで!?」
「なんだっけなァナンバーワン!!この冬!?1回でも!?俺より速く!?ヴィランを退治してみせろ!?」
「ああ...!!見事だった...!!俺のミスを最速でカバーしてくれた」
「急にしおらしくなりやがって...!もちっとくやしがれ...」
「かっちゃん...!」
「夏雄...!」
「離...」
「悪かった一瞬考えてしまった。俺が助けたらこの先お前は俺に何も言えなくなってしまうのではないかと...夏雄、信じなくてもいい俺はお前達を疎んでいたわけじゃない。だが責任をなすりつけ逃げた。燈矢も...俺が殺したも同然だ...!」
「疎んでいたわけじゃない...?だったらなに...?俺はずっと燈矢兄から聞かされてきた。オレが許す時なんて...来ないよ。オレは焦凍みたいに優しくないから」
本音と本音のぶつかり合い。きっと今日、この二人は初めてお互いの思いを知った。本人の言っている通り、夏さんがエンデヴァーさんを許せる時は来ないのかもしれない。でも例えそうでもやっぱり二人はどこまで行っても親子だ。エンデヴァーさんは息子である夏さんを大切に思ってるし、夏さんも優しいからきっとエンデヴァーさんに向けている感情全部が怒りや嫌悪ではないのだと思う。
「言ったこと無駄じゃなかっただろ?」
『どうかな...でもやっぱりちゃんと言葉にして伝え合うって大事だよね』
「...そうだな」
「ありがとう。君が助けてくれたんだろ?」
『えっあ...いや...私は大したことはしてないです...夏さん、その...さっきはごめんなさい...』
「なんで謝るの?君のおかげで色々スッキリした。思ってたこと全部言えたし。あいつのことやっぱ許せねえし、嫌いだけど少し分かった。ありがとう。えっと...ヒーロー名は...」
『フォックスです...!あっちがデクくんで、ショートくんはまんまだった...あと...保留...?』
「バクゴーだよね」
「...違ぇ」
「え!?決めたの!?教えて!」
「言わねーよ。てめーにはぜってー教えねぇくたばれ!」
「オレはいいか?」
「だめだ。てめーもくたばれ。先に教える奴いんだよ!」
『なんか不安しかないんだけど、また却下にならない?』
「ならねえわ!」
『じゃあそうであることを祈って、教えてくれるの待ってるね』
「おう」
冬休みはあっという間に過ぎ、始業。今日の授業は実践報告会。冬休みの間に得た成果・課題等の共有との事だ。
『私は3人ほど、成長できてませんが、移動速度の向上と空間操作の使用速度の短縮、使用できる距離が伸びました』
「素晴らしい!十分君も成長できてるよ三条少女!」
『あ、ありがとうございます...!』
走ってる途中でコケなくて良かった...もっと慣れないとダメだな。3人に置いてかれないように頑張らないと!
『かっちゃん、ちょっといい?』
「なんだよ」
『昨日、前に特訓でやろうとした変身のやつ出来そうな感じがしたから、ちょっと試してみたいなって。かっちゃん今コスチューム着てるし!』
「やってみろ。ただ陣は最小限でだ」
『分かった!』
陣地作成をし、かっちゃんの頬に触れる。
「思いっきりやろうとすんなよ」
『うん...!』
かっちゃんの姿に変身し、掌に力を込める。
多分昨日みたいに壊す感覚でやれば...!
ボンッ!とすごい音がなり体が後ろに押し出される。
『うわっ!』
「この馬鹿!」
後ろに転がりそうになったところを、かっちゃんに救出される。
『びっくりしたあ...あっ戻っちゃってる』
「思いっきりやるなって言っただろうが!」
『そんな思いっきりやったつもりないんだけど...爆破ってこんななの?衝撃来るし、掌と手首がなんかジンジンする』
「それ以上の火力でやると多分怪我する。手、痛めねえように気をつけろ。変身中はオレと体質が一緒だっつっても、力や運動神経は変わんねえんだろソレ」
『そうなんだよねえ〜しかも1回個性使うと変身が強制的に解けちゃうみたい。今、かっちゃんの個性どころか姿も変えれないし...』
「個性は連続では使えず、時間経たねえと変身も出来なくなるってことか。まあ、スタングレネードとA・P・ショットが使えるようになれば1発でも結構使えるかもな」
『難しそう...でも出来たらかっこいいよね!』
「連続でできねえから、練習が難しいが徐々にってとこだな」
『難しそうだけどちょっと楽しみかも!』
「ハッ 随分余裕だなァ?いいぜ、死ぬほど鍛えてやるよ」
『やっぱ楽しみじゃない...』
少しずつ前へ