冬休みインターン編
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おい!ユウ!起きろ!」
『むう...まだねむい...』
「おはよーどーだい進捗はぁ!!!」
「朝からでけー声出すなぁ!」
「おはようございますバーニン!」
『おはようございます...』
「どうよエンデヴァーさんより速く撃退!あ!いーやごめんね!!?デリカシーがなかった!!わかってるよそんな簡単にいきっこないよね」
「昨日は惜しかった。二人とも昨日の感覚大事にしていこう。今日こそエンデヴァー追い越すぞ」
「惜しかったのはオレだバァアアカ!てめーは足遅ェんだよ。よってオレが上!」
「点での放出ってのが慣れねェ」
「ちょっとずつ掴めてきてる気がします。ユウちゃんは今日も別行動?」
『だいぶ形にはなってきたから、今日は一緒に行こうかな』
「きっと驚くぞ〜?最初転んでばっかでこいつは無理だな!って思ったけど、しっかりものにしやがった!まあうちの指導員が良かったんだろうな!ハハ!」
『ほんと助かりました!私だけじゃコケまくりの日々を抜け出せませんでした...まだコケますけど』
「そんなのすぐなんとかなるさ!デク!楽しみにしとけ!」
「はい!バーニンにそこまで言わせるなんて、ユウちゃんの練習成果が見れるのすごく楽しみだよ!」
『そんなキラキラした目で見ないでいずっくん...ハードルがエグい...』
インターンに来て1週間。あれから私は三人と別行動し、追いつく為の練習をしてきた。
初めはてんでダメだったが、私のやりたい事を既に実践してるサイドキックの方に指導して貰えたおかげで、今はコツがなんとなく掴めてきた。
今日は外に出て初の実践...!よし!がんばるぞ!
「集中すればできることを寝ながらでもできるようにしろ。やると決めた時には既に行動し終わっていろ」
「ここに来て何で力んでやがる...!」
「掴めそうなところで突き放される!」
「三条はどの辺だ...?」
「あ!!」
あと少し!ここまで来れば!
エンデヴァーさんの吹き飛ばしたヴィランと入れ替わり、ヴィランの盗んだ鞄をキャッチする。
『ハア...はあ...追いつくまではまだまだだなあ...』
「ありがとうございます!鞄、助かりました!」
『えっあっいえいえ!私はなんにも!』
「ユウちゃんすごい!速くてびっくりした!」
「ほんとびっくりしたぞ。テレビで見る猛獣の狩り見てる気分だった」
『猛獣...特性狐なわけだし、もしかして四足歩行の方が速いんじゃないかと思ってさ。慣れるまで大変だったけど、だんだんコツ分かってきたし!障害物とか曲線多いと厳しいけど...』
「手は痛くねえのかよそれ」
『手はねえ〜じゃーん!肉球できるから大丈夫!』
「すごい!そんなこと出来るんだ!」
「すげえな」
『ね!私もびっくり』
「フォックス」
『は、ハイィ!か、鞄拾っただけなのに、なんか私が助けたみたいになってすいません!』
「俺も驚いた。よくやったな」
『は、はい...』
褒められた?もしかして今私、エンデヴァーさんに褒められた...?
「エンデヴァーに褒められるなんてすごいやユウちゃん!」
『へへっ...やったあ!』
「いつまで、そこに立っているつもりだ。いくぞ!!」
「おお!!」「ああ」「はい!!」『ハイっ!』
『おお...これが噂の轟家...!写真より更にデカく感じる』
「そうか?」
「何でだ!!!」
「姉さんが飯食べに来いって」
「何でだ!!」
「友だちを紹介してほしいって」
「今からでも言ってこい やっぱ友だちじゃなかったってよ!!」
「かっちゃん...!」
『ちょっとかっちゃん!いつも仲良くしてって言ってるじゃん!せっかく轟くんが友だち認定してくれてるのにバカ!』
「あァ!?バカはてめェだろうが!」
『友だち少ない癖に余計減らしてどうすんの!』
「てめェよりか多いわクソチビが!」
「ちょっと二人とも...!」
「忙しい中お越し下さってありがとうございます。はじめまして、焦凍がお世話になっております。姉の冬美です!」
わあ美人だ...轟くんともエンデヴァーさんとも全然タイプ違うなあ。すごい親しみやすい感じ...!
「突然ごめんねえ、今日は私のわがまま聞いてもらっちゃって」
「何でだ...」
「嬉しいです!友だちの家に呼ばれるなんてレアですから!」
『私もすごい嬉しいです!友だちの家なんてもう何年も行ってないので!』
「おい」
『ん?あ〜...そっか、かっちゃんも友達だね!ついこないだ行ったね!ごめん、なんかもう第二の家族的認識に...』
「...クソが!」
『なんで!?』
「ほんとお前ら仲良いな。羨ましい。今度オレも行っていいか?」
「断る!」
「ええ!?ユウちゃん、かっちゃんの家行ったの!?」
「うるせえ!クソナード!」
『コラ!いずっくんにあたらない!』
「賑やかでいいわねえ」
「ああ。こいつらといるとスゲえ楽しい」
「そっか。よかった本当に...
あの女の子が焦凍の話によく出てくる三条ちゃんよね?あの金髪の子と付き合ってるの?同じマフラー巻いてるし、家族みたいって言ってたよね?」
「いや、付き合っはないらしい。なんでそんなこと聞くんだ?」
「べ、別にちょっと気になっただけ!気にしないで!」(よかったーちょっと安心)
「? 夏兄も来てるんだ」
「家族で焦凍たちの話聞きたくて」
『うわあ...!』
「食べられないものあったら無理しないでね」
『美味しい!どれもめひゃくひゃ美味ひいね』
「食い終わってから喋れや!」
「おい三条、ちゃんと噛んで...」
『ン゛!』
「このバカ!」「言ったそばから...!」
即座に両サイドから水が差し出され、急いで渡された水を飲み干す。
『ごめん、助かった...』
「何回やったら学習すんだてめえ!」
「気をつけろ。お前ほんといつか食い物で死ぬぞ?」
「こればっかりはほんと気をつけてユウちゃん...」
『そ、そうだね...気をつけマス...ごめん、かっちゃんの水も飲み干しちゃった』
「ったく...よく一気に二杯も飲み干したな」
「新しく水持ってくるわね!」
『すいません、ありがとうございます』
「つーかお前、野菜もちゃんと食え!」
『Oh...野菜大盛り...』
「三条、何か欲しいものあったら取るぞ」
『ありがとう!』
「僕もユウちゃんの隣が良かった...」
「アッハハハハッ!あの焦凍がお兄ちゃんやってる」
「ふふっ ほんとねっ いつもそんな風なの?」
「大体こんな感じだ。こいつ、目離すとすぐなんかやらかすから」
「頭空っぽだからなんも考えらんねえんだよ」
『ちょっとは入ってるし!ちゃんと色々考えてますー!』
「おい、口の端になんか付いてんぞ」
『嘘!?恥ずかし...』
轟くんの家族の前でなんという失態...
「ふふっ いっぱい食べてね。緑谷くん味どうかな?」
「どれもめちゃくちゃ美味しいです!この竜田揚げ味がしっかり染み込んでるのに衣はザクザクで」
「飯まで分析すんな!てめーの喋りで麻婆の味が落ちる」
『スゲーいずっくん食レポ向いてそう』
「そらそうだよ。お手伝いさんが腰やっちゃって引退してからずっと姉ちゃんがつくってたんだから」
「なる程」
『すごいですね!ていうかお手伝いさんって...?』
「オレに聞くな!」
「夏もつくってたじゃん、かわりばんこで」
「え!?じゃあオレも食べてた!?」
「あーどうだろ。オレのは味濃かったから...エンデヴァーが止めてたかもな」
ピリッとした空気になり、思わず息を呑む。
「焦凍は学校でどんなの食べてるの」
「学食で「気付きもしなかった今度...」
被った!気まずい...気まずすぎるこの空気...!
「ごちそうさま。席には着いたよ。もういいだろ」
「夏!」
「ごめん姉ちゃん、やっぱムリだ...」
『...』
「...」
せっかく家族がいるのにどうして...