対抗戦 編
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家に着くなり料理を始めたかっちゃんを手伝おうとしたが、邪魔だと言われソファで不貞腐れながら、その様子を眺める。少しして光己さんが帰ってきたので手伝うと言ったが、ゆっくりしててと断られてしまった。
「ユウちゃん、学校はどう?この馬鹿全然連絡寄越さないからさ」
『毎日疲れるけど楽しいです!かっちゃんは仮免落ちてからちょっと丸くなったってクラスで話題になってます』
「ブフッ 何それwつーかアンタ落ちたの?でかい口叩いといてダサ」
「余計なこと言うんじゃねえ!」
『あとは文化祭でドラムやったりとか、仮免取ったあとすぐにヴィランを捕まえたって話題になって、来たインタビューで口が悪すぎてほぼカットになったとかですかね』
「あっははっ!もう1人の轟くんだっけ?あの子ばっかりテレビ映ってたのはそういうことね。てっきりイケメンだからだと思ってたわ」
「余計な事ばっかり言うんじゃねえ!!お前なんてインタビューの練習で泣きそうになってたじゃねーか!文化祭は盛大に目立ってた癖によォ!」
『べ、別に目立ってないもん!相澤先生にメディア避けの方法教えて貰うからインタビューはもういいの!人類とソリが合わないとか評価された人よりマシでしょ!』
「ぶわっはっは!人類とソリが合わないww」
「笑ってんじゃねえクソババア!」
「ババア言うな!」
「いってえなクソ!」
『あとかっちゃんといずっくんと私はインターンでエンデヴァーさんのとこに行くことになりました』
「エンデヴァー!?嘘!スゴいじゃない!」
『実力とかじゃなくて轟くんのおかげですけど...
だから轟くんに感謝して仲良くしなきゃダメだよ?かっちゃん』
「チッ!別に頼んでねえ」
『またそういうこと言う!プロになったら3人でチーム組むかもしれないんだから仲良くしてよ』
「ぜーーっってえ組まねえ!」
「何それ!どういうこと?」
『えっと...私は一応将来かっちゃんのサイドキックになりたいなーって思ってる...た?るんですけど』
「その過去形みたいな言い方やめろ!」
「きゃー!何それ何それ!」
「叩くなババア!」
『轟くんがこの前プロになったら、私とチームを組みたいって言ってくれてじゃあ3人でみたいな?二人がいたら完全に私いらないと思うんですけどね...』
「うわ〜そんなことになってるの?ユウちゃんモテモテじゃない!」
『そ、そんな、そういうのじゃなくて!轟くんとは個性の相性が良いのと、一緒に戦ったことが多いってだけで、その時がたまたま上手くいってるから、向こうが私を過大評価しすぎてるだけです』
「ふーん。イケメンで強くて性格も良いのね。誰かと違って素直そうだし...どうすんのよ勝己」
「どうするってどうもしねえよ!...できねえだろ...」
かっちゃんどうしたんだろ?何か光己さんと話したあと少し曇った表情をしてる。気になるけど、家族間での会話に私が入る訳にも行かないよね...
「.....。ほら!完成したし、料理運んで!」
『私も!』
「お前は皿割るから座っとけ」
『わ、割らないもん!』
「ただいまーいらっしゃいユウちゃん」
『お邪魔してます』
「おかえりー!もう少し早ければ勝己のおもしろエピソード聞けたのに」
「それは残念だなあ」
「何がおもしろエピソードだ!ふざけんな!」
『かっちゃん、シャンパンってこれどうやってあけるの?あかないんだけど』
「貸せ!ぜってえ、ろくな事になんねえからお前はなんもすんな!」
『えー...うわっ!あいた!流石かっちゃん』
「平和だねえ。勝己も楽しそうだ」
「そうね。学校にとんでもないライバルがいて大変そうだけど、今くらいはね」
「ライバル?」
『ん?あれ?轟くんからなんか送られてきた』
「あ゛?」
『うわっなに?これが轟家!?デカ!別に普通の家だろ?ってマジで言ってるのか轟くん...』
前に大きさそうでもないって言ってたけどやっぱりそうでもあったな...
「あいつアホだしマジだろ。お前、デカい家に住みたいのか?」
『ううん。大きいと落ち着かなそうだし私はアパートとかで全然いいな〜住むとこにお金掛けるなら美味しい物食べたい』
「ふっ...ハハッ!んだよそれ!でもお前らしいぜ」
『かっちゃん笑いすぎ!』
「ほらほら、じゃれてないでご飯食べるわよ」
「じゃれてねえわ!」
『すいません! わー!オムライスだ!』
美味しい夕飯を食べ終わったと思ったら、いちごタルトが出てきて私のテンションはもう最高潮である。
『美味しい〜!幸せだ...』
「良かったわね勝己〜ブフッ アンタほんとユウちゃんの食べてるとこ見るの好きよね」
「み、見てねえわ!」
『これもかっちゃんが作ったの!?すっごい!』
「...こんくらい別に普通だろ」
『かっちゃんはオムライスもケーキもなんでも作れちゃうな〜どれも美味しいし、かっちゃんの料理毎日食べれたら幸せだろうね!』
「「「え?」」」
『ん?』
「な、なナ、なに言ってんだてめエ!」
『え?私なんか変なこと言った?』
「はは...これは手強いね」
「でもまだ勝機はあるわね」
「〜ッ風呂行ってくる!」
「あ、逃げた」
行っちゃった。なんか変なこと言ったかな私...
「ねえ、轟くんや他のクラスの子達もいる中でユウちゃんはどうして勝己のサイドキックになりたいって思ってくれたの?」
『...かっちゃんは強くて優しい人だから、全部1人でどうにかできちゃう人だから私はそんなかっちゃんにずっと甘えてきました。
でもどうにかできちゃうってだけで、ヒーローも本当は辛い時も泣きたい時もあるんだって、私はずっとそれに気付けなかった。一緒にいても助けてもらうばっかりで、かっちゃんの苦悩も頑張りも強がりも何にも分かってなかった。
でも今はそれがどれだけ大変で苦しくてすごい事なのかよく分かるから、救けて貰うだけじゃなく私もかっちゃんを救けたいって思ったんです。今まで救けて貰った分今度は私が。ナンバーワンヒーローになるのもなった後も、きっとすごく大変で辛くて苦しいことがたくさんあるから...
私じゃ頼りないし、ナンバーワンのサイドキックとしては役不足だけど、同じ景色を見て一緒に笑ったり泣いたり、寄り添うことくらいはできるから。そうしたいって思ったから私はかっちゃんのサイドキックになりたいんです。
私にとってのヒーローはかっちゃんなのに、助けたい人もかっちゃんだなんて変な話ですけどね』
「そんなことないわ。きっと勝己も同じだから。ありがとうユウちゃん。そんな風に勝己のことを思ってくれて。ユウちゃんが一緒にいてくれれば私も安心だわ」
『で、でも私、かっちゃん守れるだけの戦闘力は...轟くんとか、いずっくんならともかく...』
「戦いじゃなくて精神、心の話よ。ユウちゃんが一緒にいてくれれば、どんなに大変で過酷な状態でも勝己は勝己でいられる。それは誰も代われないユウちゃんにしかできないことなの。だから勝己のことよろしくねユウちゃん」
『はい!』
「それにしてもユウちゃんは勝己がナンバーワンヒーローになるって本当に信じてるのね。あまりに当然のように言うからびっくりしちゃった」
『かっちゃんはやるって言ったらやり遂げる人だから。ただでさえ強いのに、今もどんどん成長しててほんとのほんとにすごいんですよ!
それに、かっちゃんには怒られちゃうけど、なれてもなれなくても私にはあまり関係ないんです。
私の中では最初からオールマイトでも他の誰でもなく、かっちゃんがナンバーワンヒーローなので!
いつも救けてくれて、何があっても妥協も諦めることもせずに何度も立ち上がる。周りに何を言われても、どんなに高い壁があっても、小さい頃からずっと変わらず今も真っ直ぐ夢に向かって走り続けてる。
こんなにかっこいいヒーロー他にいないでしょう?』
「!!...ふふっ そっか!」
(良かったね勝己)
『かっちゃん、なんだかんだ帰るの寂しいんじゃない?』
「はァ?寂しいわけねえだろ清々するわ」
『そんなこと言っちゃって〜』
「なんか行きより荷物増えてねえかお前」
『うん!またかっちゃんの服貰ってきた!これでこれからは暖かく生きられる!』
「何また余計なもん貰ってきてんだ!」
『余計じゃない!寒いのは死活問題だよ!』
「だから自分で買えや!あ?そういや帰りにもババアに何か貰ってやがったな」
『遅れたけどクリスマスプレゼントだって貰ったけどなんだろ?』
気になって貰った包を広げると中身はマフラーだった。
『ん?あれ?』
「あのババア...!」
『かっちゃんマフラーしてるよね?2個持ってたり』
「するわけねえだろ!第一、それタグ付いてんだろーが!」
『だよね?じゃあ同じ物くれたってことか。お揃いだねかっちゃん!』
「なっ!お前それ、使......あーー!もうなんでもねえ!」
「うるさいぞ爆豪。車内で叫ぶな。お前らが付き合ってることに別に文句は言わんが、あまりイチャつきすぎるな」
「は!?べ、別にイチャついてねえ!」
『先生、そもそも私達付き合ってないです』
「.....は?」
いい年になりますように!