対抗戦 編
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「仮免取得から僅か30分後にプロ顔負けの活躍!!
普段から仲良く訓練されてるんでしょうか!?」
「そう見えンなら眼科か脳外科行った方がいいぜ」
「仲は良いです」
「ハァ!?テキトーこいてンじゃねーぞ。いつ仲良くなったんだコラ」
『なんでこうなの...これが全国放送されるとか恥ずかしいんだけど...』
「はは...」
「色々台無しやね...」
「確かにこれはマズイな...」
一緒にインタビューの様子を眺めている、いずっくん、お茶子ちゃん、飯田くんと盛大にため息をつく。
テレビの取材が来た時は、そんなすごいことがあったんだ!と2人の活躍にテンションが上がったが、今はもうだだ下がりである。
『なんであんなにかっちゃんは轟くんに冷たいの?』
「それはなんて言うか...うん」
「あはは...」
「プロになったら3人でチーム組むって昨日言ったじゃねえか」
「テメーが勝手に言ってただけだろーが!オレはユウと2人で組む!」
「オレもあいつと組みたい」
「チームを組まれる予定なんですね!そのユウさんってどういう方なんですか?」
「アイツ」「あいつです」
「ユウちゃん!大変なことに...!」
『え?何?なんで私2人に指さされてんの?』
「ユウさん!こちらに来て頂いていいでしょうか!?」
『い、いいい嫌ですっ!』
「三条くん!ここはこれ以上雄英の株を落とさないために行ってくれ!」
「かっちゃんを鎮められるのはユウちゃんだけだから...!」
『嫌ほんとに嫌!!』
「あのクソと2人よりマシだ。早く来い」
『イヤーー助けてーーー』
ズルズルと、かっちゃんに引きずられ無理やりソファに座らされる。
「あら?もしかして体育祭と神野の...」
『ヒィ!ごめんなさい!』
「なに隠れようとしてんだ!」
『もう無理ダメ死んじゃう...』
「大丈夫か?三条」
「えっと...三条さんはお二人ととても仲が良さそうに見えますが、三条さんから見て二人はどんな人物なのでしょうか?」
『ひっ!えっと...その...』
どんな人ってどんな人!?めっちゃ見られてる撮られてるもうダメ何にも頭回らない...
『私を巻き込まないで!かっちゃん!轟くんと仲良くしてっていつも言ってるじゃん!いつまでもそんな風じゃ私、かっちゃんのサイドキックになるのやめるから!』
「んだと!...!?」
『目立ったり、人前で喋るの嫌だって言ってるじゃんっ...』
勢いで叫んじゃったし、色々恥ずかしすぎて顔はとんでもなく熱いし、涙が出そうになってきた。
「即刻撮るのやめろ!コイツのことは全部カットだ!話題も名前もぜってえ出すな!」
「ええっ!?いきなりそんなこと言われても」
「いいから全部カットしろや!!」
「爆豪のヤツいきなり血相変えてどうしたんだろうな?
...!?三条!顔真っ赤だし涙目だしすげえ熱あんだろそれ!早く保健室行くぞ!」
「え!?あ!ちょっと!?」
「余計悪化してへん?」
「うむ...三条くんがまさかあそこまでテレビが苦手とは...文化祭であれだけ目立ってたのにな...」
「文化祭は演技に集中してたし、みんなも一緒だったから大丈夫だったんだと思うよ。昔から変わらないなあユウちゃんもかっちゃんも」
「爆豪くんは昔からブレてなさそうだな!」
「ユウちゃんが今思えば昔は可愛いかったって言ってたよ?」
「あはは...性格もあんまり変わってないけど、ユウちゃんが泣きそうになったりすると、ものすごく焦るとことか変わらないなあと思ってさ」
「そういうデクくんもさっき滅茶苦茶焦ってたけどね...」
後日放送されていたテレビをチェックしたが私のことは一切合切カットされていてよかったと胸を撫で下ろす。
そして今教室では放送を見ての笑いの渦が巻き起きている。
「「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」」
「1時間もインタビュー受けて!!」
「爆豪丸々カット!!」
「使えやぁああ...!!!」
『あれ使われてたら、かっちゃんヒーローどころかただのチンピラだよ...でも全部見切れてるのは流石にっ...ふふっアハハハハ!』
「てめえまで笑ってんじゃねえぞクソチビ!そもそもカットされたのてめえのせいだろうが!」
『なんで私のせいになるの!私はかっちゃんもカットしろとは一言も言ってませんー』
「んだとゴラア!!」
突然ドアが勢いよく開き、見たことのないヒーローらしき女の人が教室に入ってきた。
特別講師?Mtレディ?露出?服面積の話か...?
「今日行うのは“メディア演習”わたしがヒーローの立ち振る舞いを教授します!!」
「何するかわかんねェが...みんなぁ!!プルスウルトラで乗り越えるぜ!!」
『オー』
切島くんにノッて言ってみたは良いがなんか嫌な予感がする。
嫌な予感は外れることなくというか最悪中の最悪、間違いなく今までで1番嫌な授業の開幕となってしまった。
『もうやだ帰りたい...』
「ハッ ざまあみろ!」
あれカットは200%かっちゃんのせいだろうが!
なにがざまあみろだこの野郎...!
「凄いご活躍でしたねショートさん!」
えっもう始まってんの!?怖っ!
「何の話ですか?」
「なんか一仕事終わった体で!はい!!」
「はい」
轟くんそこ突っ込んじゃうんだ。笑っちゃダメだ笑っちゃ...!
「ショートさんはどのようなヒーローを目指しているのでしょう!?」
「オレが来て...みんなが安心できるような...」
「素晴らしい!!あなたみたいなイケメンが助けに来てくれたら私逆に心臓バクバクよ」
「心臓...悪いんですか...」
『ブフッ』
ダメ笑っちゃ!いたって轟くんは真面目なんだからっ
「どのような必殺技をお持ちで?」
「穿天氷壁。広域制圧や足止め、足場づくりなど幅広く使えます」
轟くんは氷壁を作った後に技の説明を始めた。
すごい...要点を綺麗に纏めてあるし適切な説明だ。
さっきまでのはなんだったのだろうか...
「パーソナルなとこまで否定しないけど...笑顔を作れるといいかもね。あなたの微笑みなんて見たら女性はイチコロよ♡」
「オレが笑うと死ぬ...!?」
「もういいわ!」
『ふふっあははっ!轟くん面白すぎ!可愛い』
「アホすぎんだろアイツ」
ステージから轟くんが降りるとMtレディは必殺技を知ってもらうことの重要性を話し始めた。
象徴...必殺技を叫ぶ意味か...技名考えてないのばっかりだし考えといた方がいいのかな...
「じゃあ次は委員長いきましょうか!」
飯田くん、ヤオモモちゃんで次は誰だろ?全員やるのかなこれ...当てられず終わってくれ...!
「じゃあ次爆豪くん!」
「オレァ テキトーなこたァ言わねェ。黙ってついて来い」
「一人だとまだマシね...わかったソリが合わないのね人類と」
『ブフッ!』
「ワリィ、オレがいたから丸々カットに」
「思い上がんな!てめーなんぞがオレに影響与えられるワケねェだろうが!!」
「そうか」
『追い討ちやめて轟くんアハハハ!』
「笑ってんじゃねえぞクソチビが!」
「じゃあ次は緑谷くん!デクくんでしたっけ!?活躍見ました!」
「それは...良かった 良かったです...!」
「ご自身ではどのようにお考えでしょうか!?」
「それは...良かった...!」
ああーめっちゃ分かる!いずっくんの上がり具合に共感しかない!だよね普通そうなるよね!
オールマイトの時だけ流暢に喋りすぎでしょブレないなおい。いずっくんの必殺技...
『あの黒いやつって...!すごい使えるようになったんだ!』
「全然使えてねえだろうが!どこ見てんだバカ!」
「じゃあ次は三条さん!」
『ヒィ!』
「おい、三条固まってねえで早くステージ上がんねえと」
「ハッ!せいぜい頑張るんだな!」
イヤだイヤだイヤだ!緊張のあまり階段に躓きながらステージに上がる。
「フォックスさん!先程はすごい活躍でしたね!」
『ひっ そんな、わ、私なんて全然なんにもっ...!』
「いえいえ!すごい活躍でしたよ!」
『そ、そんなことないです〜!』
「ユウちゃん、顔真っ赤〜」
「ユウちゃんの気持ちすごいよく分かる...!」
「文化祭の時とはまるで別人だな...」
「でもこれはこれでアリだな」
「一部でスゲえ人気でそう」
「ズバリ必殺技は!?」
「えっと...その...狐火と触った人にちょっとの間だけ変身できます...」
Mtレディの顔に触れて変身してみせる。
「まあ!とってもすごい必殺技ですね!色んなことに使えそう!」
『触った秒数程度しか持続できないですけど...』
「それでも十分すごいですよ!それにその尻尾と耳とってもキュートですね!」
『キュート!?全然そんなほんとっキュートなんかじゃないですっ』
「そんな〜あざと可愛いって大人気じゃないですか〜」
『あざと!?人気なんてないし、か、可愛くもないのでほ、ほんとやめてくださいっ...!』
もう限界だ...顔どころか全身燃えるように熱いし、声は震えるし、目の端が段々濡れてきた。
「そういうところが、えっ泣!?」
「そこまでにしろ!いらんことばっか聞いてんじゃねえ!とっとと失せろや!」
「これ以上、三条虐めるのはやめてくれませんか」
「突然ステージに上がってきてなんなのあなた達!?」
バリケードのように三条とMtレディの間に立ち塞がりMtレディを威嚇するツートップ二人にA組一同は苦笑いを浮かべる。
「あー三条過保護組が」「爆豪一段とキレてんな〜」
「轟も普段冷静なのに三条絡むと振り切れちまうんだよなあ...」
「まああれは続けてたらある意味放送事故っつーか...」
「もう少しでどエロい三条が見れたっつーのに邪魔しやがってあの二人!」
「やめろ峰田。ガチで殺されるぞ」
「消し炭にされる!」
「あの子には相澤くんのメディア避けを教えるべきね」
「そうですね。はあ...授業だってのに何やってんだあの二人」
地獄にも程がある...