ゆーあーmyヒーロー
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「おい帰るぞ」
『今行く!』
『勉強教えて!』
「仕方ねえなあ」
「探検行くぞ!」
『待ってー』
登下校も勉強も遊ぶ時もいつも一緒だった。
なんでもできてしまう彼は不器用で馬鹿な私の事をいつも助けてくれた。意地悪をされたり、怒鳴られもするけど、私はそんな彼が大好きだった。
それなのに私は...
事の発端は小3、梅雨から夏に変わるそれくらいの時期だったと思う。学校の帰り、傘を忘れた私はかっちゃんの傘に入れてもらっていた。昔からのことだった。
馬鹿だなと言いながら、私が傘を忘れるといつも中に入れてくれた。相合傘だとからかわれることが度々あったが、それでも彼がそれを辞めることはなかった。
彼がからかわれるのが嫌いなことは分かっていたので、大丈夫だと断ったこともあったが、彼がそれを聞き受けることはなく、この恒例行事はずっと続いていた。
『かっちゃん、ゆりちゃんの告白断ったってほんとなの?』
「ゆり?ああ、そう言えばなんか言われたけど、どうでもいいし興味ねえって言った」
『うへえ〜相変わらず、かっちゃんって酷いね...ゆりちゃんすごく可愛いのに』
ゆりちゃんはクラスだけでなく学年でも可愛いと評判の女の子だ。優しくて大人しい、可憐という言葉がピッタリの子で、とてもモテるし告白もたくさんされているらしいが、誰かと付き合ったという話は聞いたことがなかった。
そんな子に告白されたのになんてことを...
かくいうかっちゃんもかっこいい(らしい)し個性も派手で、スポーツも勉強もなんでもできるのでモテる。しかしとにかく断わり方が酷く、よく女の子を泣かせると有名だ。
「興味ねえもんは興味ねえし。話したこともねえやつが言うことなんでどーでもいいだろ」
『せっかくモテるのにもったいない...』
「どうでもいいわめんどくせえ」
『私だったられいくんとかに告白されたら喜んで付き合うけどなあ』
「あ゙?お前が告白されることなんて一生ねえわ!」
『いや分かってるって!私がかっちゃんの立場だったらって話』
「あんなもやしみたいな男が好きとか趣味悪いなお前」
『え?かっこいいって有名だよ?かっちゃんと違って女の子にも優しいって』
「んだよ!あんなクソもやしどうでもいいわ!」
『なんでそんな怒ってるの...』
この噂が全ての始まりだった。