インターン&文化祭 編
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ユウの部屋を出て一息つく。
どうなることかと心配したが、だいぶ普段通りに戻ったユウに安心する。
照れてるユウ可愛かったな...
荷物もないし、その方が早いと何の気なしに抱き上げたのだが、まさかあんな反応が返ってくるとは思わなかった。お姫様抱っこという単語がユウから出るとは驚きだったし、背負われたりするのは全然大丈夫なのに、そこだけ恥ずがしがるユウが、今思い出しても笑えるしめちゃくちゃ可愛かった。
それに...
あの顔はヤベエだろ...
赤い頬に潤みながらも熱を感じる目、どこか切なげな表情。ものすごく扇情的で普段のユウとは別人みたいだった。
アイツあんな顔もするんだな...
全身熱いし、早くなる鼓動がうるさい。
クソッ
こんな赤くなったまま、下に行ったらどうなるかなんて決まっている。
なんとか別の事を考えようと頭を回す。
とりあえずユウを襲った3人は絶対見つけ出して制裁をくだす。気持ち的に気が済まないが、オレが手を出せば、ユウは責任を感じるし悲しむだろう。
何としても証拠を見つけて退学にしてやる!
エレベーターを降りると、オレに気が付いた奴らがユウの様態を聞きに来た。
「ユウ大丈夫か?」
「ユウちゃん会議には出れそう?」
「えっ!?ユウちゃんどうかしたの!?」
「うるせえ。両足怪我して歩くのキツそうだから休ませた。結構な傷だしすぐ回復とはいかねえだろうな」
「そうか...」
「となるとダンスは厳しいね」
「爆豪、ユウって楽器やってたりとかした?」
「してねえ。どこがどこだか分かんねえって何回教えてもピアノ弾けなかったしな」
「三条らしいな...」
「待って!それって爆豪は楽器弾けるってことだよね!?」
クソッ墓穴掘った...
だんまりを決め込もうとすると、アホずらに音楽教室に通わされていた事を暴露され、ドラムを叩かされるハメになった。何と言われようと他科の為になんてごめんだ。
「そんな下らねーことやんねェよオレァ」
「爆豪お願い!つーかアンタがやってくれたら良いものになる!」
「なるハズねェだろ!アレだろ?他の科のストレス発散みてーなお題目なんだろ。ストレスの原因がそんなもんやって自己満以外のなんだってんだ。ムカツク奴から素直に受け取るハズねェだろうが」
「いやしかし...たしかに...配慮が足りなかったか...」
「話し合いに参加しねェで後から腐すなよ」
「ムカツクだろうが。オレたちだって好きでヴィランに転がされてんじゃねェ...!なんでこっちが顔色伺わなきゃなんねェ!!てめェらご機嫌取りのつもりならやめちまえ。殴るンだよ.....!馴れ合いじゃなく殴り合い...!!やるならガチで───...」
「雄英全員音で殺るぞ!!」
« 爆豪!!»
直接手を出すことはできない。それなら正規の方法で格の違いを見せつけてやるまでだ。それに、ここで他科を見返すことが出来れば、ユウへの風当たりもそこまで強くなくなるはずだ。
「おい!爆豪どこ行くんだよ!まだ他が全然決まってねえだろ?」
「そんなんオレが決める事じゃねえし、てめえらで決めろや」
「爆豪!」
オレはもう決まったし他なんてどうでもいい。そんな事より早くしねえと、夕飯までに間に合わねえ。
『やったー!シフォンケーキだ!』
「型ねえし、無いもん騙し騙しで作ったから、前のより美味くねえと思うが、不味くはねえ筈だ」
『ん〜!やっぱりかっちゃんの作った物は美味しいね!佐藤くんのも美味しかったけど、私はかっちゃんのシフォンケーキの方が好きだな〜』
「あ?そんなんいつ食ったんだよ」
『部屋見に行った時!そっか、かっちゃんは見てないんだ。道具いっぱいあったしお菓子屋さんみたいな部屋だったよ〜!』
「ふーん。お前もっとゆっくり食え。喉に詰まるぞ」
『 美味しくてつい...危うくまたやらかすとこだった』
「前回やったんなら学習しろ!」
『いや〜美味しいからついね?』
いつかコイツは食い物が原因で死ぬのではないかと非常に心配である。
幸せそうにシフォンケーキを食べるユウを見て、次はもっと美味いものを食わせてやろうと決意し、裁縫をスタートする。
『かっちゃんほんと器用でなんでもできるよね。私、ボタンなんて絶対付けらんない』
「小学校で習っただろ。まあ習ってもお前の不器用さじゃ無理か」
『ちなみにミシンも全然ダメだった』
「スイッチ押してればいいだけだろうが!1周回ってお前の不器用さには関心するわ」
『なんでこんなに不器用なんだろ...そういえば文化祭の役決めもう決まった?ただでさえ覚えられないのに、この怪我じゃかなり出遅れちゃうしどうしよう...』
「オレはもう決まったけどあとは知らね。まあ怪我治るのに時間掛かるとは言っといたし多少配慮はしてくれんだろ」
『知らねって興味無さすぎ...かっちゃんは何やるの?あっ...やらないんだったね、ごめん』
「ドラム」
『やるの!?しかもドラム!?かっちゃんドラムなんてできたんだ!?』
「あんくらい普通に出来んだろ」
『いや普通出来ないでしょ...流石かっちゃんだな〜
ねえ!今度またピアノ聞かせてよ!』
「めんどくせえ」
『えーかっちゃんがピアノ弾いてるとこ見るの好きだったのに〜』
「...気が向いたら弾いてやるよ。ほらよ。できたぞ」
『すごーい!シャツもブレザーも完璧に元通りだー!
ありがとう!』
「今日は早く休め。んで明日の朝、保健室行くぞ」
『分かった!色々本当にありがとねかっちゃん』
「んなのヒーローなんだから当然だろ」
照れくさくなり、ユウの頭を乱暴に撫でた後、部屋を出る。
好きなんだから当然だろ...
「なるほど!そりゃ良いアイディア!ダンス隊に打診してみようぜ」
「待てよ でもそうなると人手が足りねェぞ」
『良いアイディアなんだけどなあ...誰か分身してくれ』
「無理だろ」
無事演出隊に決まった私はメンバーと絶賛会議中だが、なかなか良いアイディアが浮かばず、相も変わらず約立たずである。
頑張らなきゃいけないのに〜!
その後話し合いが進み、人手の問題でいずっくんに協力を要請する事となった。
『張り切って練習してたのにごめんね、いずっくん...もっと私にパワーと機動力があればこんな事には...』
「そんな!ユウちゃんのせいじゃないし、僕も良いものにしたいから喜んで協力させて貰うよ!」
『流石いずっくん優しさの権化だ』
「言い方...あのさ、今聞いた感じユウちゃんは個性使ったりしないの?飽きさせない演出っていえば、ユウちゃんの個性は使えるものばっかりだと思うんだけど」
『え?』
「そうか...!熱くねえ火なら当たっても安全だし間違いなくみんな驚くよな」
「体育祭で見せてねえし、変身もぜってえ驚かれるぜ!」
「観客に変身したりすれば盛り上がるんじゃね!?」
「文化祭には三条の怪我も治るだろうし、これは取り入れるしかねえな!」
「なんか演出考えんのワクワクしてきたわ!」
「やったね!ユウちゃん大活躍だよ!」
『え』
「よっ!エンターテイナー!」
「頼んだぜユウ!」
『えぇーーー!?』
大変な事になった...