インターン&文化祭 編
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「私たちもプロんなったらチーム組もー!」
「俺たちは!?」
「いらない」
「チームアップは個性だけじゃなく性格の相性も重要ですわ」
「ヤオモモ それ追いうち」
「あ!ユウちゃん!ユウちゃんならオレ達とチーム組んでくれるよな!?」
『ん?なんの話?』
「プロになったらチーム組もうって話だよ!」
『あー...私はかっちゃんのサイドキックになるつもりだから、かっちゃん次第かな?』
「サイドキック!?んだよそれ!爆豪ズリい!」
「そんなん絶対組めるわけねえじゃねえか!」
「やっぱり三条はそうなるよねえ〜私と組んで欲しいけど、爆豪と轟が個性も性格の相性もバッチリってなっちゃうとねえ」
「あの2人と性格でも相性良いって奴は希少だし、実際組んだらめっちゃ強いだろうしな」
「絶対ありえないけど、3人で組んだら最強だよね!」
「間違いねえな。絶対ありえないけど」
『確かに轟くんとかっちゃん組んだら絶対強いよね!かっちゃんに言ってみようかな』
「三条、絶対無理だと思う」
「言うと怒られるからやめとけ」
『えーいい案なのに』
2人が一緒に戦ってるとこ見たいなあ。でもそうしたら、轟くんの方がめっちゃ強いし私クビでは?
やっぱり黙っとこ...
今日の授業は引き続き必殺技の向上。
新技の陣地作成はかっちゃんとの特訓以外ではまだ使用不可の御触れが出ているので、他の技の強化に努める。狐火の威力やコントロールも向上してるし、変身も触れた時間+5秒ほどに時間が延びた。特訓のおかげか以前より体の動きも良くなった気がするし絶好調である。
あとは陣地作成が上手く使えるようになればかなり良い感じかも!
休み時間、サポートアイテムの相談に行こうと廊下を歩いているとヒソヒソと話し声が聞こえてきた。
「あいつが拐われるなんてことしなければ」
「いい迷惑よね」
「これで文化祭がなくなったらどうしてくれんだ」
そうだよね...
こういう声を聞くのは初めてではないが、何度聞いても罪悪感に押し潰されそうになる。
私が拐われなければ、学校の人達もかっちゃんも...
さっきまでの高揚感は瞬時になくなり、暗くどんよりした気分になる。
「三条さん、今日は1人なの?」
『え、あ...はい』
「おしゃべりしてみたいって前から思ってたんだよね〜」
大きいし、上級生かな?
全然知らない男の人3人に囲まれ、早く帰りたい気持ちでいっぱいだ。
私もみんなみたいにしれっと新しいサポートアイテムを身につけたい!と1人で出てきたのが間違いだった。
数分前の調子乗りまくってた自分を殴りたい...
「ここじゃなんだし、ちょっとあっち行って話そうよ」
「そうそう!事件の話とか大好きな爆豪くんの話とかさあ?」
「馬鹿、別れたって聞いたろ」
かっちゃんの話したいなら直接本人と喋れ!
付き合っても別れてもないし何なのほんと!
ヤダモウ帰リタイ...
「おい!ちょっとはなんか言ったらどうだ」
「いいじゃん〜大人しくついてきてくれるってことっしょ?」
「じゃあ行こうぜ!」
強く腕を掴まれ、引っ張られる。
『痛っやめてください』
どこに連れてかれるのだろう。周りの人達は遠巻きに見ているばかりで誰も助けてくれそうもない。
どうしよう...
「すいません、オレの連れに何か用ですか?」
「あ?」
「なんだお前」
「邪魔すんじゃね...」
「帰れ」
突然何も喋らなくなり、私の手を離して3人組は歩いていった。不思議に思っているとふいに声を掛けられる。
「大丈夫?なんであんたがこんなとこに」
『あ!君は普通科の体育祭の』
「...心操」
『そう!心操くん!えっとサポートアイテムの相談に行こうと思って歩いてたらなんか絡まれちゃって...なんか突然行っちゃったけど』
「はあ...オレが個性を使ったからだ。まさか個性まで忘れたなんて言われたら流石にショックなんだけど」
『あ!洗脳!そういう事か!じゃあ心操くんが助けてくれたんだ!ありがとう!』
「お前、色々ダメそうだな。工房行くつもりだったんなら場所全然違うし...」
『ええ!?嘘でしょ!?なんてことだ...』
「はあ...教室帰るぞ」
『一緒に帰ってくれるの?』
「危なっかしくて、1人じゃ帰せねえからな」
『ありがとう!優しいね心操くん』
「別に...あんたとは体育祭のこともあるし。 三条って爆豪といるし、もっと強くてキツい奴だと思ってたけど、全然違った」
『良いように違ったなら嬉しいけど...私は馬鹿だし別に強くもなんともないよ。個性すごいし、心操くんの方が私なんかより絶対ヒーロー向いてるし』
「大多数の人間はヴィラン向きだって言うけどな」
『なんで?戦わずに勝てる可能性も大いにあるし、何より周りを巻き込んだり傷付けることがない!心操くんがヒーローになったら、誰も怪我せず終わる戦いも夢じゃない!間違いなくヒーロー向きでしょ!ヴィランっぽさで言ったらかっちゃんの方が全然ヴィランっぽいし』
「フフッ そう考えるんだ。三条って面白い奴だな。そう言われるとヒーロー向きな気がしてくる」
『でしょ?というか人を助けるってことができる人なら誰でもヒーローになれると思う。私もう心操くんに2回助けて貰ったし、心操くんは実質ヒーローみたいなもんだよ』
「なんだその定理...というかオレがお前助けたの今日が初めてだし」
『体育祭でも助けてくれたじゃん!私、誰とも組めずぼっちで死ぬとこだったし、心操くんが組んでくれなかったら勝ててないし、かっちゃんと戦うことも出来なかった。だから感謝してるよ!本当はお礼言いたかったんだけど、試合で寝たり、倒れたりバタバタしてたから忘れちゃってて...ごめんね?』
「オレは勝手に利用したのに、怒るどころかお礼なんて変な奴だなお前...
ここまで来ればもう大丈夫だな。
あんたは1人で行動しない方がいい。特にヒーロー科以外の場所ではさっきみたいなことにまたなる可能性があるからな。オレが言うのもなんだけど、ヒーロー科を良く思ってないというか目の敵にしてる奴最近多いんだ。その中でも三条と爆豪は事件の事もあるし、名前も顔も知れてるから標的にされやすい。直接爆豪に喧嘩仕掛けるような奴はいないだろうが、あんたは女だし、見た目や性格的に舐められてそうだからな」
『舐められ...うん...見るからに雑魚だしね...分かった。
ありがとう』
「...オレは三条と爆豪が無事に帰ってきて良かったって思ってる」
『うん!ありがとう心操くん!』
心操くん良い人だな。次は誰かにお願いして一緒に工房行ってもらおう...
「文化祭があります」
「「「「ガッポォオォイ!!」」」」
ガッポイとは?
盛り上がりすごいなおい...
「いいんですか!?このご時世にお気楽じゃ!?」
「もっともな意見だ。しかし雄英もヒーロー科だけで回ってるワケじゃない。体育祭がヒーロー科の晴れ舞台だとしたら文化祭は他科が主役。注目度は比にならんが彼らにとって楽しみな催しなんだ。そして現状、寮制をはじめとしたヒーロー科主体の動きにストレスを感じているものも少なからずいる」
この前の事が頭を過ぎる。あの人達の不満は最もだと思うし、文句を言うつもりはない。実際原因は私が弱くて未熟だったせいだ。
でも、かっちゃんまで悪く言われるのは嫌だ。彼は私にとってあの場で誰よりすごくて勇敢なヒーローだった。
それに彼自身ヴィラン複数人相手に1人で立ち回り、生還するという並大抵の人じゃ絶対出来ない事を成し遂げたにも関わらず、ずっと悩んで苦しんできたのに...
何も知らない癖に勝手な事言わないでよ...
なんでいつもこうなっちゃうんだろう。
かっちゃんは何一つ非難されるような事やってないのに...
また私のせいでかっちゃんまで...
「三条くんは何か案は」
『え!?えっと...特にないです』
全然聞いてなかった...
咄嗟にないと答えたがどうやら文化祭での出し物を決めているらしい。しかし全く纏まりそうもない。
みんな我が強い...
「実に非合理的な会だったな。明日 朝までに決めておけ。決まらなかった場合...公開座学にする」
地獄にも程があるよ相澤先生!!これは何がなんでも決めなくちゃ!
授業終わり、インターン組とかっちゃんを抜いてみんなで意見交換をする。
他科のストレス発散の一助か...飯田くんの意見は最もだし、私もその考えには賛成だ。しかし具体的には何がいいんだろう...
悩んでいるところに、まさかの轟くんが三奈ちゃんのダンスに賛同し、探しだした動画をみんなに見せた。
『えええ!?』
「轟から出る発想じゃねー!!」
轟くんそんなキャラだったの!?と衝撃を受けたが仮免補講からの連想らしい。どんな補講よ...
そこからダンス、音楽と話が広がっていき、注目がじろちゃんに集まる。
「耳郎ちゃんの楽器で生演奏!!!」
『じろちゃんの演奏聞きたい!!』
「ちょっと待ってよ」
「何でエ!?耳郎ちゃん演奏するのも教えるのもすっごく上手だし、音楽してる時がとっても楽しそうだよ!」
『え、なにそれ私も教えて欲しい。じろちゃんの演奏聞きたい』
初耳だよ!みんな私が知らない間にそんな楽しそうなことしてたの!?
「芦戸とかさ皆はさ、ちゃんとヒーロー活動に根ざした趣味じゃんね?ウチのは本当にただの趣味だし...正直表立って自慢できるモンじゃないつーか...」
「そういうことか昼間のアレは あんなに楽器できるとかめっちゃカッケーじゃん!!」
『そうだよ!めっちゃかっこいいし、すごい趣味だよ!私なんて趣味、食べることくらいしかないし!』
「それは趣味って言えんのか?」「三条...w」
「...っ耳郎さん。人を笑顔にできるかもしれない技だよ 十分ヒーロー活動に根ざしてると思うよ」
「御三方の主張もよく分かりますわ。でもこれから先は耳郎さん本人の意志で」
「ここまで言われてやらないのもロックじゃないよね...」
『やったー!じろちゃんの生演奏だ!!』
「じゃあA組の出し物は生演奏とダンスでパリピ空間の提供だ!!」
楽しみになってきた!