仮免試験 編
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控え室に行くとクラスのみんなはまだ誰もいなかった。
「結構いるが、クラスの奴らはいねえみたいだな」
『そうみたいだね。あ、あの推薦入試トップだったらしいハイテンションな人いるね』
「ああ。お前、名前覚える気ねえな」
『気はあるよ!気は!覚えられてないけど!私が顔覚えてるってだけでもすごいことなんだよ?』
「あんだけインパクトある出会い方して覚えてなかったらやべえだろ」
『まあ、だから覚えてたんだけどね...』
轟くんと話していると、ヤオモモちゃん達が来て、続くようにかっちゃんやいずっくん達が控え室に入ってきた。
「おー!ユウちゃんも無事で何より!」
『上鳴くんも無事で何より!そのテンションはもしかしてものすごい活躍しちゃったり?』
「ユウちゃんエスパーじゃん!そうそう!すっげえ活躍しちゃったのよ!あれはマジ見てて欲しかった...!」
『えー見たかったなあ残念』
「ユウちゃん!良かった〜!轟くんに連れ去られてどうなったか心配しちゃったよ〜」
『連れ去られて...うん。そうだね。ピンチでしたが何とか』
「ピンチどころかこいつ、1人病院送りにしてきたけどな」
『轟くん言い方!病院送りになんてしてないって!多分...』
「多分...」
残りの人数が少なくなり、みんなでドキドキしながら放送を聞いていたが、何とか全員一次を通ることが出来た。
みんなと喜びを分かちあっていると、モニターに注目しろと放送が入った。言われた通りモニターを見ているとフィールドの映像が映し出され爆発した。
え!?何故!?
最後の試験は救助らしい。
個性で使えそうなものもあまり無いし私の苦手分野である。
机に置かれたパンをむしゃむしゃ食べながら、憂鬱になっていると何故か、いずっくんが上鳴くん達に殴られていた。その光景を眺めていると、イエティみたいな人がかっちゃんの所へやって来た。同じ学校の人の行動を謝罪しに来たようだが、なんかあちこちで色々あったらしく、いい関係という言葉に難しい顔をする人達が数人いた。
「三条さんッスよね!体育祭滅茶苦茶かっこよかったッス!」
『!?』(推薦入試トップだったらしいハイテンションな人!)
突然話し掛けられてびっくりだし、まさかの名前を覚えられているという事態に申し訳ない気分になる。
『あ、ありがとうございまス...』
「自分、体育祭の三条さんと爆豪くんの試合が大好きで何度も」
「静かに」
「すいませんッス!」
『元気だなあ...』
「おい、坊主の奴。オレなんかしたか?」
轟くんも名前覚えてないじゃん!
じとっとした目で轟くんを見ていると坊主の人は愛想の良い笑顔を消して轟くんを睨みつけた。
「オレはあんたらが嫌いだ。あの時といくらか雰囲気変わったみたいスけどあんたの目はエンデヴァーと同じっス」
「夜嵐どうした?」
「何でもないっス!!」
去っていく時には、夜嵐くんは先程までの愛想の良さそうな笑顔に戻っていた。
「轟くん...?」
いずっくんが心配そうな顔で轟くんを見つめている。
『何がそんなに嫌いなのかな?轟くんの目って綺麗だよね?』
「え?」「は?」
『えーだってオッドアイだよ!ブルーだよ?エンデヴァーさんと一緒ってことは青色が嫌いなのかな...?青ってとっても綺麗だと思うけどなあ〜ちょっと理解できないな...右は青じゃないし、お母さんの目が黒色だったりするの?』
「ああ」
『やっぱりそうなんだ!なんかね!青い方はキリッとしてて黒い方はすごい優しい感じがする!轟くんのお母さんって優しくて美人な人でしょ!?』
「ああ...優しくて美人な人だよ」
『やっぱりね!だってそうじゃなきゃ、エンデヴァーさんからこんな王子様系イケメン生まれないもん!』
「ユウちゃん...悪口みたいになってる...」
『え?わーー違う!全然エンデヴァーさんディスってるわけじゃないから!足して2で割って最強になるってことです!』
「ふっ...なんだそれ」
『とにかくそんな素敵なご両親を足して2で割ってできた轟くんは最強であり、私はそんな轟くんの目が好きだよって話!』
「ははっ よく分かんねえけど、ありがとな三条」
『なんかあんまり伝わってない気がするけどいいや』
「いいんだ...」
そんな話をしていると、警報が鳴り始めた。どうやら試験が始まるようだ。
どうすればいいか分からないがとにかく、訓練通りやるしかない。
早速泣いている子供に遭遇し、いずっくんが救助に向かうがものすごい勢いでダメだしを食らっている。
怖っマズイどうしよう...
いずっくんがその子を救護所に連れて行き、残りのメンバーで先へ進むこととなった。
『人がいる!早く助けなきゃ!』
「えっ?一体どこに...」
『え!?そこの瓦礫の下から小さな声が聞こえる…よね?』
「いや...オレは聞こえないけど...」
「オレも...」
『怖いんだけど!ほんとに!?』
「三条さんの個性でしたら他の方より、小さな音も拾えるはずです!他にも埋もれてしまっている人がいないか、調べてください!」
『あっなるほど!了解ですヤオモモちゃん!』
そういう事か。お化けかと思ってびっくりした...
でもこれなら私でも役に立てるかも!
『あっちにもいる!ここはヤオモモちゃん達に任せて、私達で救けに行こう!』
救助がもうすぐ終わるという時に、ヴィランが現れたというアナウンスが入る。
『マジか...』
「この人を救護所に連れて行き、避難や戦闘に加わろう!」
『OK!』
救助者を連れて行く途中で、氷壁が見えた。轟くんが到着しているなら安心だ。
救助所に着くと、ボスっぽいシャチと大量の部下らしき大群が見えた。
数多っ!?シャチめっちゃ強そうだし!
これは急いで救助者を避難させないと。夜嵐くんと、轟くんが食い止めてくれてる間に終わらせなきゃ!
空間操作を使い、重症者と安全地帯に居る自分の場所を入れ替え、避難させる。
私何往復すれば良いんだろ...考えたくもないが、一瞬で運べると周りからこっちもこっちもと声が掛かる。
つ、疲れる...あれ?どこかで喧嘩してる声が、聞こえる。耳を澄ますとなんと轟くんと夜嵐くんの声だった。
こんなところで何やってるの!?
2人を見ると、互いに足を引っ張っているような酷い有様だった。あいつら何やって...!
あっ!
炎が倒れている人の方へ向かっていく。
急いで倒れている人と入れ替えをすると、直後いずっくんに救出された。
「何をしてんだよ」
怒りを露わにして怒る幼なじみはとてもかっこよかった