仮免試験 編
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授業は必殺技を作るということで大盛り上がりしている。攻撃技でなくてもいいとの事なので、変身も勘定に入るしとりあえず一安心だ。
でも...
大きな爆発音が響き渡る。誰のものかなんて確認するまでもない。
「何ヲ考エコンデル?」
『1人でも敵を倒せるようになるにはどうしたらいいですか?』
「必殺技トイッテモ1人デドウニカスルタメノ技ヲ考エロト言テルワケジャナイ。サポートモ実戦デジュウヨウニナル必殺技ダ」
『でももう足手まといは嫌なんです...1人でもどうにかできる力が欲しい』
「ここは私が代わろう」
「オールマイト...!」
『サポート方面に伸ばせってオールマイトもどうせ反対するんでしょう』
「いや、君が力が欲しいと言うのなら、やってみなさい。君は、自分の力を過小評価し、見切りをつけてしまっているところがあるから、強さを求めるのは良いことだと私は思う。ただ周りに仲間がいる時は、1人で何とかしようとしないこと!」
『はい!でもどうしたら良いですかね...捕まった時も狐火だけじゃ全然ダメだったんです。性質上元々近接には弱いですし、掌からしか出せないので...』
「そうだな...確か前に個性の話をしてくれた時に、9個技が使えるはずだと言っていたね?その新しい力を開拓するのもありではないだろうか。開拓した技が例え攻撃技でなくとも、攻撃のパターンは増やせるしね」
『なるほど...開拓できるように色々やってみます!』
「的を得ないアドバイスで申し訳ないな」
『いえいえ!頑張ります!』
新しい力...身体強化、狐火、変身、狐化。
予想通り9個技があるとすれば、まだまだ習得できる技はたくさんあるはずなんだ。どんな物かは分からないが、何かきっかけがあれば発現するはずだ。
3つはよく分からないが、変身は轟くんみたいになりたいという思いから発現した。なりたいの方向性が違ったけども...
みんなの技を見れば、ヒントになるかもしれないと先生にお願いして見学を始める。
あ!
なんで気づかなかったんだろう!これが使えれば近接がかなり有利になるのでは!?
『尾白くん!尻尾!尻尾の使い方教えて!!』
新技は開拓できていないが尾白くんのおかげで、尻尾も取り入れた攻撃をできるようになってきた。尾白くんみたくリーチがない分できることは少ないけど、体育祭の時より、ぶつける威力は格段に上がった。まだ手足みたいに動かせるようになるには時間が掛かりそうだけど良い感じかも!
「三条少女!調子はどうだい?」
『オールマイト!新技はまだですけど、尾白くんのおかげで近接はちょっとパワーアップです!』
「良い感じじゃないか!」
「あ オイ上!!」
上を見ると岩が下にいるオールマイトの所に落ちていく。ヤバい!どうしよう!
『えっ何!?何処ここー--!!』
突然見える景色が変わり、体が下へ落ちていく感覚がする。焦って周囲を見ると、上に見えるかっちゃんと目が合った。これ地面に落ち...
死を予期し、ギュッと目を瞑る。
「ユウちゃん!」
『いずっくん!?』
いずっくんは私を抱えたまま、落ちてきた岩を蹴り飛ばし、地面に着地した。
「大丈夫でしたか!?オールマイト!」
「ああ」
『いずっくんありがとう、本当に死ぬかと思った...』
「いや無事で良かった...ってち、近!!ごめん!!すすすぐ下ろすね!」
『どうしたいずっくん!?大丈夫!?』
「何 緑谷サラッとすげえ破壊力出したな!」
「おめーパンチャーだと思ってた」
『コスチューム変更にスタイル変え!いいねーいずっくん超順調じゃん!』
「へへ...ほとんど発明さんのおかげだけど。ユウちゃんは、なんで落ちてたの?何か技の練習?」
『えっと』
「オールマイト危ないんで、あまり近寄らないように」
「いや失敬!爆豪少年!すまなかった!」
「気ィ付けろやオールマイトォ!!」
チラッと私を見た後、かっちゃんは訓練に戻って行った。
「三条少女が突然現れて落ちてきたように見えたんだが、もしかして新技かい?」
『え?あっよく分からないんですけど、気付いたら落ちてて...多分新技なんですかね?』
「ユウちゃんの新技!突然現れたっていうと瞬間移動とかなのかな?すごいね!」
『瞬間移動...なのかな?思ってもないとこに行っちゃうって使えなさすぎでは...』
「そ、それはきっと練習すれば大丈夫だよ!」
『だといいな〜瞬間移動なら普通にめっちゃ強いもんね!』
「三条の語彙力よ」
『あれ?みんなコスチューム変わってる!』
「みんなもコスチューム改良したんだね!」
「あ!?気付いちゃった!?お気付き!?」
「ニュースタイルは何もお前だけじゃねえぜ!」
『いいなー!私もなんか変えたい!』
「そこまでだA組!!!」
『お?』
「B組」
毎回思うけど、マジであの物間って人大丈夫なんだろうか...
アレ?私の練習してたとこに岩がある。あんなところに岩なんて...
もしかして...!
「なあ...オレの訓練見てるだけって退屈じゃないか?」
『全然!轟くんの火を見る事が私の強化に繋がるし!尻尾の筋トレやりながら見てるし、一石二鳥ってやつですよ』
「そうか。尻尾で殴られるのすげえ痛そうだな」
『多分痛いよ!尾白先生に教わったからね!あと新技増えたの!ほらっ!』
「!場所が変わった」
『空間操作!自分と対象の場所の入れ替えができるようになったの!』
「なかなか使えそうな技だな。条件は何かあるのか?」
『自分の視界に入ってるもので、自分の重さ±30キロのものと場所が交換できるっぽい!あと視界に入ってても割と鮮明に見えてないとダメ。連続で同じものとの入れ替えはできなくて、5分経過すれば再び入れ替われるようになるってヤオモモちゃんが調べてくれた!』
「かなり詳細まで調べてあると思ったらそういう事か。三条が実は頭良かったんじゃないかって一瞬ビビった」
『残念!良くないんだなこれが』
「知ってる。そういえば最近お前、爆豪といねえな。個性調べて貰ったのも八百万だし、この前オレに勉強聞きに来たし喧嘩でもしたのか?」
『喧嘩はしてないよ。ただ...かっちゃんにはもう頼っちゃダメだってあの事件の後に決めたの。
攫われた時、ちゃんと身代わりの役目を全うするって決めたのに、かっちゃんの声を聞いた瞬間体が勝手に動いちゃって、もうダメだって思った。一緒にいるといつか私のせいでかっちゃんが死んじゃうってすごく怖くなった。
私が攫われた理由も、かっちゃんに対して使えるって思われたからで、実際攫われた後、私のせいでかっちゃん何にもできなくなっちゃって...
もう迷惑掛けたくない...私がいると邪魔になって、勝てるものも勝てなくなっちゃう。かっちゃんは絶対勝つナンバーワンヒーローになるんだから、私が近くにいちゃいけないの...
前から分かってたのに、実行できるまでにこんなに時間かかっちゃった』
「爆豪はその事知ってるのか?」
『ううん。今轟くんに言った事初めて人に話した』
「そうか。オレは爆豪のこと正直あんまりよく知らねえけど、そんな事望んでねえんじゃねえか?」
『それはないよ。前はそうだったかもしれないけど、事件の後、連絡とか何も無かったし、全然話し掛けてこないし、遂に愛想つかされちゃったみたいだから好都合だと思うよ』
「お前はそれで本当に良いのか?爆豪の事は分かんねえけど、お前の事はそれなりに分かってるつもりだ。今のお前、前より元気ねえし色々楽しくなさそうに見える」
『そ、それは訓練で疲れてるから』
「職場体験の時も合宿の時もそんな風じゃなかった。何か食ってる時も前の方が幸せそうな顔してた」
『食ってる時...』
「だから」
『良いの。轟くんの言う通りなのかもしれない。でも今までかっちゃんに甘えすぎてた私の自業自得だから仕方ないの。ごめん、轟くん訓練の邪魔しちゃったね。私もう部屋に戻るからあとは心置き無くやって!』
轟くんから逃げるようにして、部屋へと戻る。
お見通しか...まさか轟くんにバレちゃってるとは思わなかったなあ。上手くやれてると思ったのに、みんな言わないだけで気付いてるのかな。
誰にも心配も迷惑も掛けたくないのに...
ダメだな私...