林間合宿 編
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数日が経ち、みんなが引っ越して来る日になった。
先生の隣でソワソワしながらみんなが来るのを待っていると、荷物を持って歩いてくるみんなの姿が見え始めた。来た人全員に無事で良かったと声を掛けられ、中には泣きながら声を掛けてくれる人もいて、ものすごく心配させてしまったんだなと申し訳ない気持ちになった。
「ユウちゃん!無事に帰って来てくれて本当に良かった...手の届く場所にいたのに、救けられなくてごめん...」
「三条、オレがあと一歩早ければこんな事にはならなかったのに本当にすまねえ...」
『そんな!常闇くんと障子くんにも謝られちゃったけど、みんな何にも悪くないんだから謝らないでよ!救けようとしてくれてありがとう!みんなが必死に頑張ってくれてたの全部聞こえてた。本当にありがとう』
「ユウちゃん...」
「怪我は大丈夫なのか?」
『うん!また手が不自由な事にはなっちゃったけど、ステインの時よりは軽傷だから』
「それはあまり大丈夫とは言えないのでは...」
「また手が.....」
『轟くんのせいじゃないからね!?まあでもこんなだし、色々救けてくれると嬉しいです』
「もちろんだよ!」「ああ」
ガヤガヤと騒がしくなったと思ったら、かっちゃんが切島くん達に囲まれてやって来た。
事件以来、向こうから連絡が来ることもなく、かっちゃんとは何も連絡を取り合っていなかったので、状況が分からなかったが、見た限りでは怪我もなく元気そうで安心した。
「ユウ!救出はされたけど入院だって聞いて心配したぞ!」
「げっ!ユウちゃんまた怪我してんじゃん!?」
「三条、大丈夫なのかその怪我」
『ステインの時の方が重症だったし大丈夫!また手が不自由な事にはなってるけどね』
「それは大丈夫ではないな」
「なんかあったら遠慮なく言えよ!」
「オレもオレも!まあ爆豪がいれば、あんまり用ねえとは思うけど存分に頼ってくれていいぜ!」
『ありがとう!何かあったら頼らせて貰うね!』
「てか何で黙ってんだ爆豪?お前も三条と会うの事件以来じゃねえの?何時もの過保護はどうしたよ」
かっちゃんはチラッとこっちを見た後、目を逸らしそのまま何も喋らない。
こっちが離れるまでもなかったようだ。
まあ当然だよね。
『かっちゃん、怪我はしてない?』
「...ああ。お前、手以外はどうなんだよ」
『脚とかも斬られたりしたけど、傷は浅いし全然平気。手だって掌はちょっと傷が深いけど、指とかは全然問題ないし』
「...そうかよ」
『嫌な思いさせてごめんね』
目が合うこともないまま、私はいずっくんと轟くんの所へ帰った。切島くん達がざわついていたが、相澤先生が話し始めたことでみんな静かになった。
「とりあえず1年A組。無事にまた集まれたようで何よりだ」
説得とか結構大変な所もあったんだなとみんなの声を聞きつつ、集まれて良かったと再度言葉を噛み締める。仮免の取得って学科あるのかなと不安になりながら話を聞いていると、突然大事な話だと今までとは違うトーンで話す先生に困惑する。
「轟、切島、緑谷、八百万、飯田。この5人はあの晩あの場所へ爆豪と三条救出に赴いた」
初めて聞いた話に思わず横にいる2人をバッと見る。
「オールマイトの引退がなけりゃオレは爆豪、三条、耳郎、葉隠以外全員除籍処分にしている」
恐ろしすぎる言葉に除籍に含まれていない私まで生きた心地がしない。
「以上!さっ!中に入るぞ 元気に行こう」
いや待って 行けないです...
全員の心の声がリンクする。あんな話しといて元気にって先生どんな情緒してんだマジで...
なんて声を掛ければいいかわからず戸惑っていると、上鳴くんがかっちゃんに連行されて行った。その後、茂みで謎の爆発が起こり、うぇいうぇいモードになった上鳴くんが現れた。
何があった!?
そしてすかさず、かっちゃんは切島くんに大金を渡している。
カツアゲ!!??
切島くんも全く同じ事を思ったようだが、どうやら違うらしい。
「いつまでもシミったれられっと、こっちも気分悪ィんだ。いつもみてーに馬鹿晒せや」
かっちゃんなりの気遣いだったんだ...私はどうしていいかわからず戸惑ってただけだったけど流石だな。
あの一瞬で上鳴くんに何が起こったかはめっちゃ気になるけど。
「皆!すまねえ...!!詫びにもなんねえけど...今夜はこの金で焼肉だ!!」
『マジですか切島くん!!』
「三条の食い付きがやべえな」
「買い物とか行けるかな?」
それぞれみんなが部屋を作り始める中、もうとっくに引っ越しが終わっている私は手持ち無沙汰だったので、みんなの様子を見に行くことにした。
初めにお隣さんのお茶子ちゃんの所へ遊びに行く。
『お茶子ちゃーん!何か手伝うことある?』
「うーん...私そんなに荷物ないし、特に大丈夫かな!多分早めに終わるし、終わったら一緒にお茶しよう!」
「了解!お茶会楽しみ〜!じゃあ私はもうちょっと他の人の部屋覗いてくる!」
同じ階の三奈ちゃんは、音楽を流して歌いながらセッティングしているらしく、邪魔をするのが申し訳なかったので違う階に行くことにした。
誰の部屋に行こうかな〜やっぱり、かっちゃん...じゃなくていずっくんの部屋にしよう。
しかし、いずっくんには門前払いをされてしまった。
同じ階の常闇くんの所にも行ったが同じく門前払いを食らった。
うーん...これは想定外だった。
そうか〜部屋を見られたくない人もいるよね、なるほど。次はそれも問題なさそうな人で...
うん!あの人ならいけそう!
『轟くん〜えっ!?何これ!?どういう状況』
「三条じゃねえか。どうした?」
『いや、私もう引っ越しとっくに終わってるから、手伝うことないかな〜って、回ってたとこなんだけど...』
「そうなのか。じゃあ手伝って貰っていいか?ちょっと1人じゃ終わるか不安だったんだ」
『終わるっていうか、引っ越しの域超えてない?まあ手伝うけど。轟くんって和風が好きなの?』
「好きっていうか実家が日本家屋だからフローリングだと落ち着かねえんだ」
『へ〜日本家屋か〜轟くん家ってなんかすごいおっきそうだね』
「そうでもねえと思うが...今度来るか?」
『うん!行く行く!』
畳とかすごいな...手負傷してるし、変なことして色々壊さないように気をつけなくちゃ...
「ふう...何とか終わったな」
『終わったね...なんか手死んでるせいで、ここぞって時に手伝えなくてごめん』
「いや、手伝ってくれて助かった。良ければ菓子でも食ってくれ」
『やった〜!ありがとう!なんか畳って落ち着くね。寝っ転がるの気持ちいい』
「すごいくつろぎっぷりだな。ほら、これ好きだって言ってただろ」
『おー!丁度食べたかったんだ!ありがとう!』
舌に優しいものでよかった...
お菓子を食べた後、下へ降りると部屋を披露するという話になったらしく、流されるがまま部屋巡りをすることとなった。
「そういえばユウちゃんあの後どうしたの?なんかすごい疲れてるけど...」
「そうそう!結局お茶しに来なかったし」
『お茶子ちゃんごめん!もう轟くんの部屋がヤバくてさ...すっごい疲れた...』
「轟くんの部屋行ったんや...!やるな!ユウちゃん!」
『いずっくんに門前払いされちゃったからさ〜』
「そっそれは...わああダメダメちょっと待っ!!!」
話している間にいずっくんの部屋が開けられたらしく、走って行ったいずっくんのあとを追いかける。
「オールマイトだらけだ オタク部屋だ!」
『すっごい!!流石いずっくん! あれ?』
何故か意気消沈してしまったいずっくんを連れて次の部屋に行く。
常闇くんの部屋黒!?流石名は体を現すのか?
どんどん部屋巡りは進んでいき4階の切島くんの部屋を見る事になった。
かっちゃんはもう寝たらしく少しほっとした。今彼にはどんな顔して何を話せばいいか分からない。
切島くんの部屋は超絶切島くんっぽかった。正に期待通りである。
『めっちゃ漢気って感じで切島くんっぽい!』
「女子には分かんねえと思ったが、ユウにはこの男らしさが分かるんだな!」
『うん!期待通りすぎる!めっちゃ漢だよ切島くん!』
「ユウちゃんマジかー...」
更に部屋巡りは進み、轟くんの部屋まで来た。
「ああ...ユウちゃんのヤバいの意味が分かったわ...
これ一緒に作ってたんだ」
『そうなんです...まあ手死んでるしあんまり手伝えなかったけども...なんか私も眠くなってきちゃったなあ』
「自由やねーユウちゃん」
「あんまあい!フワッフワ!」
『うまっ!佐藤くん最高過ぎでは?私シフォンケーキ大好きなんだよね〜今度ホールで欲しいな〜』
「三条食いすぎ」
「しかもしれっと作ってもらおうとしている...」
「ユウさん、勢いよく食べ過ぎですわ。もう少しゆっくり」
『だって美味しいんだもん...ん゛っ』
「三条!?」「ユウちゃん!?」
「あー言わんこっちゃない!」
「今水を!」
「三条」
『...うぅ...ありがとう轟くん、助かった...』
「がっつきすぎだ」
「ナイスだけどなんで轟くん水持ってんの?」
「部屋の主より、準備早いってどういうことよ...」
「三条は絶対やらかすと思ったから、準備しておいた」
「そういえば、途中いなかったね」
「だんだん轟まで爆豪化してきたな」
『えっ!?轟くんはすぐキレたりしないし、頭叩いたりしないし全然似てないよ!天と地ほど違う!』
「「「そういうことじゃねえよ」」」
「ブフッ!天と地て」
「三条病...」
「それな」
「ここは幼馴染として、僕がするべきだったのに...轟くんには完敗しっぱなしって幼馴染失格では...」
「?なんの勝負だ?」
佐藤くんのも美味しかったけど、かっちゃんのシフォンケーキも美味しかったな...
「ユウちゃん!次女子部屋だって!」
『う、うん!楽しみだね!』
楽しさで誤魔化して