林間合宿 編
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「ご機嫌よろしゅう雄英高校!!我らヴィラン連合開闢行動隊!!」
ヴィラン連合!どうしてここに...!?
「皆行って!!良い!?決して戦闘はしない事!委員長引率!」
『いずっくん、早くしないと2人の邪魔になっちゃう!』
「...ユウちゃん、飯田くん先行ってて」
『いずっくん、どうしたの...?』
「緑谷くん!?何言ってる!?」
「マンダレイ!!僕知ってます!!」
なんの事かは分からないが、きっといずっくんは誰かを救けようとしている。
君が無茶をするのはいつも誰かの為に動く時だもんね
『飯田くん、行こう。いずっくん無茶だけはしないでね?』
「うん!ユウちゃんも気をつけて!」
駆け抜けて行くいずっくんの背中を見つめる。
ほんとかっこよくなっちゃって...
この先にも敵がいるかもしれないし、聴力強化をしておこう。私に出来ることをやらなくちゃ!
『飯田くん、この近くに敵はいないみたい。早いとこ先生と合流しちゃおう』
「そうか!近くに敵がいないか、引き続き警戒を頼む!」
『了解!』
少し進むと地鳴りのような音が、いずっくんが向かった方角から聞こえた。まさか...
必死に耳を澄ますも流石に距離がありすぎて、声や手掛かりになるような音は聞こえない。
『飯田くん、ごめん!私ちょっといずっくん探してくる!この先しばらくは誰もいないからそのまま進んで!』
「三条くん!1人じゃ危険だ!」
ごめん飯田くん...でもいずっくんが危ないかもしれない。私1人行ったところで何も変わらないかもしれないけど、大切な幼なじみの為にちょっとでも力になりたいの...!
音がした方へと走るが、少し離れた場所をこちらに向かってくる足音が聞こえ、木の影に隠れる。
そっと様子を伺うと、いずっくんが洸汰くんを背負って走って行った。良かった...いずっくんも洸汰くんも無事だ。
私も早く施設に向かわなきゃ!
しかし向かっている途中で、いずっくんが反対方向に走って行くのが見えた。先程より近くで見えたその姿がとてもボロボロだということに気が付く。
そんな体でまだどこか行くつもりなの!?
施設に向かうのをやめ、いずっくんを追いかける。
«プロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて戦闘を許可する!!ヴィランの狙いの1つ判明!
生徒の「ユウちゃん」「かっちゃん」!!「ユウちゃん」と「かっちゃん」はなるべく戦闘を避けて!!単独では動かないこと!!»
かっちゃんが危ない!きっといずっくんの向かった先はかっちゃんのところだ。私も急がないと!!
無我夢中で走っていると、轟くんのものと思わしき氷が見えた。あそこにかっちゃんもいるはず!
近づいていくと氷を刃物のようなもので壊すヴィランと中心を囲むようにそびえ立つ氷が見えた。氷の中心には恐らく2人がいる。ヴィランはそっちに気を取られていて、まだ私には気が付いていないようだ。
よし!パワーアップした狐火を試す時だ!
木が燃えないように木のない高さまで狐火を踏み台にして上がり、狐火をヴィランに目掛けて放つ。炎は燃え上がりヴィランの体を包む。
やった...!
しかし私は重大な事を忘れていた。
降りる時のこと考えてなかったーー!
慌てて狐火を作るが体制が崩れて背中から落ちそうになる。
どうしようとテンパりまくっている間に氷が現れ、氷の上を滑り台のように滑り落ちていく。
助かったけど後ろ向きだし、高さがある分スピードが出ていて未だ生きた心地がしない。
なんとか尻尾でスピードを抑えようとするが、痛いしなかなかスピードは落ちない。
これどっちにしろ死んじゃうやつじゃん!!
どうしよう!どうしよう!どうしよう...!
「グッ...!」
『うおっ!』
どうやら助かったらしく、もう落ちている感覚はない。
「三条、爆豪大丈夫か!?」
『救けてくれてありがとう轟くん』
「早くどけや!」
『うわっ!ごめんかっちゃん!』
急いでかっちゃんの上から退く。
最後背中に何かぶつかったのは、分かったがまさかかっちゃんだったとは...
「てめえ着地のこと考えてなかっただろ!マジふざけんなクソ馬鹿女!」
『ごめんなさいー!全く考えてませんでした!』
「ほんと勘弁してくれ心臓に悪い...」
『轟くんもほんとごめん!うわっ!』
「チッまだ生きてたか」
また刃物のようなものが襲いかかってくる。
「だが、さっきより確実に弱ってる」
「クソ馬鹿の攻撃も多少は役に立ったみてえだな」
『恐縮です...』
「でもマジですげえ威力上がってて驚いた。やるじゃねえか三条」
『へへっ だって轟くんの炎をイメージしてるんだもん!強くないわけないじゃん?』
「そ、そうか...」
「そこの馬鹿2人!くだらねえ茶番見せてんじゃねえ!まだ終わってねえわ!」
『ごめんかっちゃん!』
「悪い...」
「!」「!」『何アレ!?』
黒い大きな化け物!?
「障子、緑谷...と常闇!?」
『常闇くん!?じゃああのラスボスっぽいのダークシャドウなの!?』
「早く光を!!!常闇が暴走した!!!」
「見境なしか。っし炎を...」『私も微力ながら!』
「待てアホ」
『待てって!?しかも今ぽつりと見てえって言わなかった!?ヒッ...!』
森の景色が一瞬で変わったんですけど!?ダークシャドウ怖!!
もう最強のラスボスでは?と思ったが、2人の爆破と炎の光によってダークシャドウはすぐに小さくなった。
『いつものダークシャドウに戻った...?』
「ユウちゃん!どうしてここに!?施設に行ったはずじゃ」
『大きな音が、いずっくんの向かった方角でしたから、いずっくんが危ないかもって追いかけたんだけど、追いつけず巡り巡ってここに...かっちゃんが狙われてるっていうし行くしかないと思って』
「狙われてるのはてめえもだろバカ」
『えっそうだっけ?』
「ユウちゃん...とにかく先生達のいる施設に2人を送り届けよう」
「お前ら中央歩け」
「何だこいつら!!!!オレを守るんじゃねぇクソ共!!!」
『どこにそんなキレるポイントが?ほら行くよかっちゃん』
かっちゃんの手を引き歩き出すと途端に静かになった。
(三条すげえ)(ほう...)(流石だな)(羨ましい...!)
いずっくんの言う通りこのメンバーがいてくれればとても心強い!施設までの道のりは安泰だろう。
ふいに気配を感じ、後ろを向くと仮面をつけたシルクハットの男が見え、直後何も見えなくなった。
気付いた時にはもう遅い