ゆーあーmyヒーロー
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
懐かしい夢を見た。
私のヒーローの夢。私の大切な思い出。
『あの頃に帰りたいな』
服を脱ぎ捨て、壁に掛けられたセーラ服を手に取る。
きっともう私のことなんてみんな覚えてないだろうな。
あのヒーローだってもう...
火傷の跡が付いた左腕を撫でる。起きて頭を過ぎるのは嫌なことばかりだ。体のあちこちに残る傷を見て顔を顰める。
小学校低学年の時に母が死に、親戚に引き取られた私はあの場所からずっと遠い場所にいる。
私を救けてくれる人はもういない。
今の暮らしは牢獄そのものだ。他の人達がいる場所から離れた場所に閉じ込められ、時に暴力を振るわれる。大事な入れ物なんだからもっと大事にして欲しいものだ。
彼らが私を引き取った理由は1つ。呪いの個性を入れる器がなんとしても欲しかったから。
詳しくは知らないがここの一族は、祟りのせいで呪いの個性を引き継いでいかなければいけないらしい。
何が呪いかというと、その個性“九尾”は持ち主を食うらしい。食うの意味は、よく分からないが、引き継ぐ際に、持ち主が個性を既に持っているか持っていないかで、器のもちが全く違うという話を聞いた。
今のご時世無個性な人間なんてほとんどいないし、無個性な私をなんとしても欲しかったんだろう。
そうすれば自分も自分の子どもも安心安全に暮らせる。私からすれば無理矢理呪いを押し付けられた挙句、暴力まで振るわれ最悪としか言い様がない。報復のために死んでやりたい気持ちでいっぱいだが、私にはやらなければいけないことがあり、今は微かな希望がある。
雄英高校。そこに行けば彼にもう一度会えるかもしれないと思った。合格できるよう頭の悪い私は中学に入った時から必死に勉強を続けている。練習して個性も少しずつだが使えるようになってきた。
個性を手に入れた今目指すはヒーロー科。彼が昔と変わっていなければ絶対ヒーロー科に入るはずだ。
そしてもし会えたなら私は...
なんとしても伝えなくてはいけない。
入試は明日。不安と緊張と僅かな期待を胸に、私の1日は始まった。
今日も私は1人で生きていく