職場体験 編
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電話をかけ、衝撃のワンコールで繋がった電話に思わず、悲鳴を漏らしそうになる。
『か、かっちゃん心配かけてごめん。さっき無事に目覚めました...』
本当は3人とわちゃわちゃしたりしていた時間があったがこれくらいの嘘は許して欲しい。じゃなきゃ確実に殺される!
「...お前、怪我は大丈夫なのか」
『うん!何ヶ所か切られたり刺されたけど大丈夫!骨折とかはしてないし』
「全然大丈夫じゃねえじゃねえかバカ...」
かっちゃんの声を聞いてやってしまったと後悔する。前に意識不明になった時と同じ静かで弱々しい声。また私は彼をこんな風にさせてしまうまで心配をかけてしまったのだ。怒られるなんて馬鹿な事を考えていた自分を殴りたい。
『ごめん...私の力不足でたくさん怪我しちゃった』
「オレに謝るとこじゃねえわ。ヒーロー殺し相手にお前はよくやった。生きてて本当に良かった」
『うん...ありがとう』
「職場体験後は学校来れんのか?」
『うん!歩けるし、後半ちょっとは職場体験復帰できそう』
「そうか。クソッ職場体験が煩わしい。ここ来たの色々失敗だわ。オレも近くにしとけば、一緒に戦えたかもしれねえし、見舞いにくらい行けんのに」
『あははっすぐ見舞いに来てくれようとするかっちゃんほんと律儀で真面目!
確かにかっちゃんがいてくれてたら、すぐ勝てたかも!いずっくんの援護全然出来なかったし、かなり轟くん任せでいっぱい負担かけちゃった』
「クソッお前絶対残りの職場体験怪我すんなよ?危ねえことしたり、事件に巻き込まれたり、危険な目に会うんじゃねえぞ!」
『事件や危険は回避出来るものなの...?』
「しろ!!職場体験中はどう足掻いたってお前を救けに行けねえ!あーークソッ職場体験なんなんだよ!!ムカつく!」
『かっちゃん楽しみにしてたじゃん。ホームシック早すぎ』
「ちげえわ馬鹿!てめえが危なっかしいのが原因だわ!」
『私のせい!?大丈夫だよ。心配しなくても病院で危険はないし、職場体験先では轟くんが一緒にいてくれるから!ね!超安心でしょ?』
「クソが!」
『なんで!?』
「とにかくオレが朝迎えに行った時、ズタボロだったら許さねえからな!」
えっ切られた...最初があまりに静かで心配したけど、最後はもういつものかっちゃんだったなあ。良かった良かった。
怒られるのは嫌だけど、かっちゃんが静かだとめちゃくちゃ心配になる。なんとも言えないジレンマだ。
職場体験明けの朝、私は驚きの光景を目の当たりにしていた。
『かっちゃんがイメチェンした!?』
「してねえわ!!癖ついちまって戻んねえんだよ!マジで行くとこ間違えた...」
『かっちゃんのあのツンツンヘアーがこんなに綺麗に纏まるなんて驚き。美容師のヒーローのとこでも行ったの?』
「頭触ってんじゃねえ!行ってねえわそんなとこ!勝手にこの髪型にされたんだよ!」
『かっちゃんが一体どんな職場体験を過ごしたのかめっちゃ気になるんだけど』
「聞くんじゃねえ!お前はどうだったんだよ!」
『え、私には聞くの?まあいいや絶対驚くと思うよ〜?』
「ハッやけに自信満々じゃねえか」
『フッフッフ...おりゃ!』
「なにふんだ!あ!?」
『すごいでしょ!おーちゃんとツンツンヘアーじゃないかっちゃんになった。かっちゃんの目線ってこんな感じなんだ。へ〜』
驚いた顔で固まるかっちゃんに得意気に笑ってみせる。
あっこれ時間になんなくても解除できるんだ。
『驚いたでしょ?』
「確かに驚いたがどんな仕掛けだそれ。頬摘んでる間だけ化けれるのか?」
『かっちゃん鋭い!触ってた時間だけなってられるの!頬摘ままなくても触ればいいんだけどね』
「なんで摘みやがった」
『え、なんとなく?でもどこ触ってもなれるわけじゃないんだよね〜不思議』
「何となくで摘んでんじゃねえ!ったく...それで分かってる部位は何処なんだよ」
『顔と手はOKで頭と肩と腕はダメだった』
「そうなんか。待ててめえ、それ誰で試した」
『え?飯田くんといずっくんと轟くん』
「なんで全員男なんだよ!むやみやたらに触ってんじゃねえ!」
『なんかその言い方語弊がある!そんな触ってないし!』
ギャーギャー言いながら教室に入ると切島くんと瀬呂くんがかっちゃんの髪型を見て大爆笑し始めた。
ざまあみろ!2人のおかげでちょっとスカッとしながら席へと着く。
後で弄れるように写真撮っとこ。
すげえ、怒ったら髪戻った。どういう仕組み?
「三条くん、おはよう!」
「おはようユウちゃん!」
「おはよう三条」
『みんなおはよう!元気そうでなにより』
「こっちのセリフだけどね...ユウちゃんだいぶ包帯減ったし良かったよ」
『まさかの掌が1番重症っていうね。轟クラッシャー恐るべき』
「ブフッ!朝からやめてユウちゃん」
「...やっぱりオレが...」
「轟くん!大丈夫だ君のせいじゃない...フフッ」
「お前ら4人だな!」
『なにが?』
「なにがってヒーロー殺しだよ!」
「命があって何よりだぜ マジでさ。エンデヴァーが救けてくれたんだってな!さすがNo.2だぜ!」
「...そうだな。救けられた」
『そうそう!私達ズタボロにされて大変だったの!ってそれ私だけか』
「まあ、確かに1番重症だったけど、うん...」
「成功したから良かったものの、あの囮作戦は危険すぎたぞ。姿が見えたと思ったら血塗れだし、心臓止まるかと思った」
『ごめん、血塗れの自分見るとか嫌だったよね。でも轟くんならやってくれるし、勝てると思ったから!』
「買いかぶりすぎだ。実際勝ててねえし。というか血塗れの自分見るの嫌とかそういう事じゃねえ」
「おいてめえユウ!囮に血塗れってどういうことだオイ!!」
『ヒッ!だ、だだって見た目だけで個性使えないから下手に避けたり、反撃しようとしたら轟くんじゃないってバレちゃうと思ったから』
「わざとやられたってか?ああ!?」
『ごめんなさいーー』
「まあまあ!でもユウちゃんのおかげで僕達全員助かったようなものだし許してあげてよ、かっちゃん」
「そうだな。感心できる事ではないが、三条くんがあれをやらなければ、恐らく全員やられていた」
「ああ。助かった」
『みんな...!』
「チッ!」
『そうだ轟くん!あの時新発見があったの!』
「なんだ?」
『変身すると個性は使えないけど、体質は引き継がれるみたいなの!実はあの時若干火が掠ってたんだけど、なんともなかったんだーだから多分轟くん状態なら燃やされても凍らされても大丈夫なんじゃないかな』
「限度ってもんがあるし、オレでもそれは死ぬぞ」
「てめえユウ!火が掠ったってどういうことだ!!」
『ひぃー!』
(あれって三条わざとなのか?)
(いや...流石に自ら怒られにはいかないだろ)
(爆豪も大変だな)
「ていうかさっきから気になってたんだけど、三条、轟と入れ替わりでもしたのか?」
「まるでなってたみたいな口ぶりでしたけれど...」
『フフッ見てて!轟くん、手貸して!』
「おう」
「え!?」「はァ!?」「ええっ!?」
「轟が2人!?」
『どう?すごくない!?あっ...』
「まだ触ってるのになんで解けるんだ?」
『いや、また轟くんを残念なイケメンにしてしまうと思って解いた。毎回毎回ごめん』
「?ああ、相変わらず変な感じがするな」
「轟ってあんな顔できるんだな」
「テンションがヤバい」
「確かにすっげえ違和感だったな」
「轟、以外でもなれるのか?」
『うん!えいっ』
「ふまんれんじゃねえ!」
「うお!?爆豪が2人!」「すげえ圧だな」
『ね!面白いでしょ!』
「このにこやかな爆豪も強烈だな」
「マジ違和感やべえ」
「爆豪ってこんな顔できたのか...なんかこれはこれでこええな」
『どっちにしろダメかあー』
「へめえはらへ!」
『ごめんごめん』
「とっととその術解け!見てると寒気がする!」
『自分の姿にそれ言う?』
「オレはそんな腑抜けたツラも馬鹿みてえな喋り方もしねえ!」
『酷いなーじゃあ、かっちゃんに似せるね』
「そういう問題じゃねえわ馬鹿!」
『あ?誰に向かって口聞いてんだてめえ!』
「ブフォッ」「あはははは!」「ふっふふっ...」
「ンンッw」「ブフッ!」
「おい、ユウ覚悟は出来てんだろうなァ?」
『かっちゃんの真似しとるだけだわクソが!...あっ戻った』
「てめえマジふざけんな!」
『痛っ!』
「やべえほど似てたな」
「マジで爆豪分身したかと思った」
「喋り方どころか表情や動作までそっくりなのがすげえな」
「いつも一緒にいるだけのことはありますわね」
「かっちゃんの姿でかっちゃんって言うのなかなかシュールだったけどね...」
「三条くんやはり口が悪いな!?」
かっちゃんの真似しただけなのに!