職場体験 編
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「おい、そろそろ起きろバカ」
『んん...おはようかっちゃん』
「何がおはようだ!こんばんはだわ!人の家来て早々に寝てんじゃねえ!夕飯できたぞ」
『ん...ありがとう』
ふわふわした意識の中、かっちゃんの後ろを着いて行くが段々違和感を感じてきた。あれ?ここどこだ...?
「ユウちゃん!」
突然の衝撃に危うく倒れそうになる。
「良かったまた会えて...!心配で心配で私...ああ、無事でいてくれて本当に良かった...」
ギュッと苦しいくらいに抱きしめられる。懐かしい声に香水の香り...ギュッと体を抱きしめ返す。
『心配かけてすいませんでした。また会えて嬉しいです光己さん』
「大きくなったわね。お母さんに似てきたわ」
『自分じゃよくわからないですけど...光己さんは美人のまま全然変わってないですね。びっくりしちゃいました』
「もー!嬉しいこと言ってくれちゃって!ほら夕飯食べましょ!ユウちゃん来るし、今日はちょっと豪華にしたの!」
『えっすいません、いただきます』
めっちゃ高そうなステーキが...サラダにも色々乗ってて豪華だし、他にも名前知らないけどオシャレな食べ物が並んでる。ちょっとどころかめちゃくちゃ豪華では?
「ユウちゃん久しぶり。本当に大きくなったね。元気そうで良かった」
『お父さんもお元気そうでなによりです』
「ブフッ!」「〜〜!!」
「ユウちゃん!私の事もお母さんって呼んで!」
『え?お母さんですか?』
「キャー!ねえ勝己聞いた?ユウちゃんがお母さんって!」
「痛え!叩くな!変なこと頼んでじゃねえクソババア!」
え?なにこれどういう盛り上がり?お父さん呼びが不味かったのだろうか?私、弄られてるこれ?でも名前知らないから許して欲しい。お母さんは確か爆豪さんって呼んでたけど、ここにいるの全員爆豪さんだしさあ!?
「あーユウちゃんが家に来てくれればな〜」
(母さんの押しがすごいなあ...)
『えっそうなると私がかっちゃんの妹になるの?かっちゃん』
「ああ!?オレに聞くな!お前みたいな出来の悪い妹願い下げだわ!」
そう言うとかっちゃんはものすごい勢いでご飯を食べ始めた。やけ食いするほど嫌らしい。まあそうだわな。
『ですよねーということで振られちゃいました光己さん』
「...勝己、死ぬ気でやんなさい」
「...」
(頑張れ勝己)
なんかお父さん苦笑いだし、かっちゃんめっちゃ疲れてるし、光己さんの目がガチなんだけど!?
またなんかやらかしたのかな私...
なんとなく気まずくなり、小さくいただきますと言って近くにあった味噌汁を啜る。
!めっちゃ美味い...!
どの料理もクオリティがすごい。流石爆豪家...絶対レストラン開けるってこれ。どれも美味しくて幸せだ〜!ふと視線を感じて横を向くとかっちゃんと目が合った。
『ごめん、がっつきすぎた...美味しくてつい...』
恥ずかしいーこいつ食い意地すげえなって思われてたよ絶対!お呼ばれされてこれはないよね、ほんとごめん!
「別に...デザートにシフォンケーキあるぞ」
『ほんと!?やったー!』
「ブフッ勝己、あんたそんな顔出来たのねwほんと昔から大好きよね〜見すぎw」
「うるせえ!クソババア!そんな見てねえわ!」
「そんなw」
どれだろう?ご飯に夢中でかっちゃんの方全然見てなかった。辛い料理はここにはないし...
『かっちゃん、どの料理が好きなの?』
「お前はもう黙っとけ!」
『ええ!?』
夕飯を食べ終え、デザートのシフォンケーキをみんなで食べ始める。
『美味しい!これってどこのお店のやつですか?』
「だってさ勝己」
『もしかして...』
「オレが作った」
『やっぱりクックヒーローに』
「なるわけねえだろ!何回言わせんだ!」
『えーもったいないよー』
「ねえ、ユウちゃん!夕飯ではどれが1番美味しかった?やっぱりステーキ!?」
『え?どれもすごい美味しかったですけど』
「強いて言えばよ!強いて言えば!」
『うーん...味噌汁?ですかね』
光己さんはバッとかっちゃんの方を向いて、悔しそうな顔をしている。対するかっちゃんは半端ないドヤ顔で光己さんを見ていた。
お料理対決でもしてたのかな?察するに味噌汁はかっちゃんが作ったものだったのだろう。恐るべしかっちゃん。
(洋風だって言ってんのに、味噌汁作ったのはそういうこと!?好物で釣るとか反則よ反則)
(反則じゃねえわ。オレが選べる献立1個ってかなりのハンデ付けといて何言ってんだ。シフォンケーキは好物だが、味噌汁は好きではあるが、特別好きってわけじゃねえ。豚汁とかなら大分傾くだろうけどな)
(そのユウちゃんに対する知識量流石に引くわ...やっぱ昔からずっとガン見してた男は違うわね〜まあ胃袋だけは掴めてるようで安心したわ。後は全くだけど)
(うるせえ!余計なお世話だ!)
賑やかで楽しい食事が終わり、私は家まで車で送って貰うことになった。
「また遊びに来てね!」
『はい!是非!今日はありがとうございました!おやすみなさい』
「おやすみユウちゃん!」
「また明日な」
さっきまでとは大違いだな...
静かな部屋で1人きり。いつもはなんとも思わないのに今日はなんだか寂しく感じる。いいな家族って...
私にはもうないものだ。そしてできることもないもの。早死にするって決まってるし、こんないつ暴走するかも分からない危険な個性を持っている身だ。とてもじゃないが怖くて作れない。
そもそも、私と結婚してくれる人も付き合ってくれる人もいるわけないし。1人で誰にも迷惑かけずに死ねればそれが1番幸せだ。
余計なこと考えてないで早く寝よ...
考えるだけ全部無駄だ