職場体験 編
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その後、やはり職場体験先を聞かれる事が多くみんなから羨ましいと言われたが、なんかもう苦笑いしか返せない。かっちゃんにはなんでてめえのとこに!ってめっちゃ逆ギレされたし散々だ。
朝から色んなことがありすぎて忘れていたが、体育祭の事を常闇くんにまだ謝罪をしていない事に気付いた。
『常闇くん、体育祭の時私の事控え室に運んでくれてありがとう。あとタオルも...大変ご迷惑をおかけしました...』
「別に大丈夫だ。緑谷の手術で保健室に連れて行けなくて不安だったが、怪我もなかったようで良かった」
『その後、かっちゃんにボッコボコにされたけどね...そうだ、常闇くんは火傷とか大丈夫だった?狐火で囲むとか結構危ないことしちゃったけど...』
「問題ない。ダークシャドウがビビって縮んだくらいだ」
『ああーダークシャドウごめん』
「別二ダイジョウブダヨ」
『おお!喋った出てきた!すごい!』
「そこまで感動することか?」
『えー!だってすごくない!?なんか可愛いし、常闇くん羨ましい』
「そ、そうか」
ふふんと得意げなダークシャドウがめちゃくちゃ可愛い。良いなー私も個性ダークシャドウが良かった。
放課後、約束通りかっちゃんの家へとやって来た。
『先生送ってくれるなんて優しいね!』
「オレの家って言った時、すげえ顔してたけどな」
『はは...ちょっと命の危機を感じたよね』
「早く中入んぞ」
『緊張してきた』
「親まだ帰ってねえって言っただろ。昔よく来てたし、緊張する要素ねえわ」
「そ、そうだよね!」
昔のことでうろ覚えだが、庭も家も見覚えがあり、懐かしい気分になった。
扉を開けたかっちゃんに続いて中に入る。
『お邪魔します...あ、見覚えがある』
「何回も来てんだからあたりめえだろ」
『そっか。懐かしい...』
何度もこの床を歩いた。確かあそこで転んだことがある。あの部屋で2人で怒られた気がする。見ているうちにどんどん記憶が蘇ってくる。
感慨深いな...なんか泣きそうだ。
「突っ立ってないで早く部屋行くぞ」
『うん』
久しぶりに来たかっちゃんの部屋は記憶のものよりスッキリとシンプルな感じに様変わりしていたが、やっぱり懐かしい感じがした。
『わーかっちゃんの部屋だ...!』
「あたりめえだろって何やってんだてめえ!」
『何ってベッドダイブ?昔よくやってたの思い出したからやりたくなった!』
「やりたくなったじゃねえよ!パンツ見えんだろが!」
『スカートの丈そこそこあるし大丈夫じゃない?見えてもタイツ履いてるし、見せパン履いてるし大丈夫!』
「そういう問題じゃねえだろ!朝のこと忘れたのか?つーかそもそも年頃の女が男のベッドにダイブとかすんじゃねえ!何考えてんだてめえ!」
『え?あっ!ごめんベッド壊れること想定してなかった!あの頃より体重だいぶ増えてるし勢いよく行ったら壊れるかもしれないよね。ごめんごめん』
「あ゙あ゙!?舐めてんのか!」
『なんでっ!?』
ベッド破壊未遂をしてしまったのは申し訳ないけど、なんでこんなに怒られてるの私!?怒りのオーラ全開のかっちゃんに思わず後ずさり、近くにあった枕で顔を隠す。
『あっ』
「あ!?」
『この枕めっちゃかっちゃんの匂いがする』
突然固まったかっちゃんを疑問に思っていると、バッとものすごい勢いで枕を取られた。
「か、勝手に嗅いでんじゃねえ!!変なことばっかり言ってんじゃねえぞクソが!」
『勝手にって... 不可抗力では?かっちゃんが鬼の形相迫ってこなければ、枕を使うこともなかったのに...』
「全部てめえが悪い!」
『そんなめちゃくちゃな!?』
かっちゃん怒りすぎて赤くなってるけど、私そんな怒られることやった?やってなくない?
『なんか眠くなったしお腹空いたね』
「何誤魔化そうとしてんだ!」
『えーだって眠くなったしお腹空いたんだもん』
「はあ...いつもそればっかだなお前」
『だって個性も使ったし、朝からずっと災難続きで疲れたんだもん』
「ほんと朝は最悪だったな。しょうがねえから菓子持ってきてやるよ。ちょっと待っとけ」
『やったー!』
1人で手持ち無沙汰になり、部屋をキョロキョロしていたが、静かになったことにより眠気が増してきた。
多分すぐだけど、かっちゃんが戻って来るまで寝よ...
ベッドに戻ろうと思ったが、机の横に乱暴に投げられた枕が視界に入り、しばし足を止める。
さっき怒られたけど別に使っても良いよね!
枕を拾ってきてベッドに寝転ぶ。
なにこれすごい落ち着くし、良い匂いする...
「おい、持ってきてやった...は」
思わず、菓子とお茶の乗った盆を落としそうになる。
こいつ寝てやがる!
寝ている。それだけなら、良くはないが100歩譲って良しとしよう。だが枕を抱きしめて、もう少しで見えてしまうのではというほどスカートが捲れ上がり、太ももが晒されているこの状態で寝息を立てて無防備に寝ている。
いくらなんでもどう考えてもコレはダメだろ!!
叫びたくなるのを必死に堪える。
見てはいけないと思いつつ、どうしても見てしまう。
タイツってなんかエロいなとか考えてしまっている自分を全力で爆破したい。それに極めつけは枕だ。さっきのあいつの爆弾発言後、オレは机の横に枕を投げ捨てたはずだ。なのになんでそれをわざわざ拾って...抱き枕にしてんだ!?抱き枕だぞ!?枕じゃなくて抱き枕だぞ!?しかも枕に顔を擦り寄せて...なんなんだよこいつ!!
なんとも言えない感情が湧き上がり、どんどん自分の情緒が不安定になっていく。だがこれは流石に仕方がないと思う。どんな男であれこれは耐え兼ねる。
ましてや自分は思春期真っ盛りの男子高校生であり、寝ているのは幼い頃からずっと好意を寄せてきた相手だ。無理だろこんなの。
理性が押し負けそうになるのをぐっと堪え、起こそうと手を伸ばすが、頬を緩め気持ちよさそうに寝ている顔を見て手を止めてしまう。
あーーーーークッソ!!!!
乱暴にブレザーを脱ぎ、ユウの上に掛ける。
ベッドの前にうずくまり、盛大にため息をつく。
よく耐えた...こればっかりは誰かに褒めて欲しい。
なんでオレばっかりこんな目に...
未だ告白の1つも出来ていない自分も悪いが、意識されていなさすぎて虚しくなる。こういう事になると自分ばかり余裕が無い。ドキッとするような事を平気で言ったり、やったりする自由奔放なこいつに振り回されっぱなしだ。
玄関のドアが開く音と、ただいまという声が聞こえた。ここにいても悶々とするばかりだし、手伝いでもするかと部屋を出る。
「勝己、ユウちゃんは?」
「上で寝てる」
「寝てるって、呼んで早々何やってんのよあんた!」
「は?.....ちっげえわ!!何勘違いしてんだクソババア!あいつが眠いって勝手に寝たんだよ!付き合ってもねえのに手出すわけねえだろうが!」
「はー!?付き合ってないの!?体育祭で実況されてたから、よくやった!って思ってたのに!せっかく再会できたのに何やってんのよあんた!」
「どこにキレてんだ!ほっとけや!」
「はー!?保育園の時から、ユウちゃんには家にお嫁に来てもらうって決めてたんだから、早く何とかしなさいよ!」
「何勝手に決めてんだ!誰があんなやつ!」
「あんたがそんなだから進展しないんでしょうが!出久くんもクラス一緒だし、このままじゃ取られちゃうじゃない!それにあんたと戦ってた2位の轟くんだっけ?あのめちゃくちゃかっこいい子も同じクラスなんでしょ?ヒーロー科で他にも良い子たくさんいるだろうし、あーなんかもう無理な気がしてきたわ...」
「無理じゃねえわ!ぜってえオレの女にしてやる!」
「それを本人の前で言いなさいよ!」
「ただいまーってまた喧嘩かい...?」
「聞いてよ!勝己まだユウちゃんと付き合ってないんですって!」
「え?付き合ってなかったのかい!?あんな大々的に実況されてたのに」
「そうなのよ!信じらんない、私ショックでショックで...」
「勝己...もしかして振られたのか?」
「振られてねえわ!」
「ヘタレなのよヘタレ!」
「うるせえ!」
「光己さんにそっくりなのに、そこは違うんだね...」
「ババアと一緒にすんなクソ親父!」
厄日にも程があんだろ!