体育祭 編
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「戦う時だけケモ耳に尻尾とかあざとすぎだろ!ヒーロー科狐ガール 三条ユウ!」
あざと!?ぶわっと体中が熱くなる。
こんな紹介あんまりだ... 好きでこうなってるんじゃないもん...
会場中の視線が集まり、緊張がピークに達する。
(確かにあざとい )(照れてる可愛い)(尻尾触りてえ)
(やっぱり油揚げが好きなのかな?)
様々な声が会場から聞こえてくる。もうほんとに勘弁して欲しい。油揚げは好きだけど!
正面に立つ青山くんは絶賛通常運転だ。なんでいつもあんな余裕そうなんだろ。
試合開始直ぐに青山くんがレーザーを放ってくる。
いずっくんの言った通りだ。身体強化で避けつつ、間合いをつめる。青山くんくらいの体格ならいける!
尻尾に力を集中させ思いっきり振ると見事に尻尾は青山くんの腹に当たり場外へ吹き飛ばした。
「青山くん場外 二回戦進出三条さん!」
わあっと歓声が上がる中早足で会場をでる。
緊張したあ...
観客席へ戻るとお疲れ!おめでとうとみんなが声をかけてくれた。中には例のあざとい発言に対し言及する声もあったが聞かなかったことにした。
『かっちゃん、私勝ったよ!』
「見てたから分かっとるわ。...お前案外強いな」
『へへっ』
かっちゃんが褒めてくれた!ルンルン気分で座席へと座る。かっちゃんはお茶子ちゃんとの試合か...
どっちにも勝って欲しいし非常に複雑だ。
始まった常闇くんと八百万さんの試合を見て思わず顔が引き攣る。試合終わるの早ってか常闇くんの個性すごすぎない!?何ダークシャドウって!?私も欲しい!
『かっちゃん、これ勝てる気しないんだけど』
「何弱気になっとんだ。勝てや」
『ぜ、善処します...あっかっちゃん控え室行くの?』
「ああ」
『頑張ってね!私見てるから!』
「おう」
次に始まった切島くんのバトルはとにかく熱かった。ほんとなんて男らしいんだ切島くん。
そしてかっちゃんとお茶子ちゃんの試合が始まった。
お茶子ちゃんすごい頑張ってる。何度爆破されても怯むことなくかっちゃんに立ち向かっていく。それを容赦なく蹴散らすかっちゃんに段々と会場からブーイングが起こり始める。
違う...かっちゃんはとても誠実だ。お茶子ちゃんをちゃんと認めてるからかっちゃんは本気で戦ってるのに。いたぶってるや遊んでるなんて言わないでよ...
悔しくて膝の上に置いた拳をギュッと握りしめていると、今まで特段喋ることのなかった相澤先生が実況席で喋った。ちゃんと分かってくれてる。相澤先生の言葉を聞いてブーイングが止んだ。そしてお茶子ちゃんの大反撃が起こった。
流星群...!すごい...!ずっとこれを狙って戦ってたんだ。しかしそれはかっちゃんの凄まじい大爆破により一瞬にして砕け散った。
強い。強すぎる。あれがかっちゃんの本気の力...幼い頃に1度だけかっちゃんがすごい大きな爆発を起こしたことがあった。今でもその時の景色を鮮明に覚えている。だから彼が昔よりどれだけ強く成長したのかがすぐに分かった。
きっとすごい努力したんだろうな...
なんでもそつなくこなせる彼だが努力も決して怠らない。それが彼が他の追従を許さず強くあり続ける由縁だと私は思っている。
観客席にかっちゃんが戻って来た。クラスのみんなに色々言われて面倒くさそうな顔をしている。私にも何か言われると思ったらしく、私が近付くとふいっと顔を横に背けた。
『2回戦進出おめでとう!かっこよかったよ、かっちゃん!』
何故かかっちゃんは驚いた顔をして固まり、周りの空気も静まり返った。
え?私今変なこと言った?
焦ってキョロキョロと周りを見ていると、小さくおう、と呟きかっちゃんがまたそっぽを向いた。その直後、周りがどっと騒がしくなった。
「良かったな爆豪!」
「お前を応援してくれてた奴もちゃんといたんだな!」
「お幸せに!」
「キャー!これはこれはもしかして!」
だんだん女の子達のキャーキャーいう声や変なセリフが聞こえ始める。
え?私変なこと言った?かっちゃんは黙ったまま動かないしなんなの?
!もしかして...!
急いでかっちゃんの手首を掴んで引き寄せる。更に周りが煩くなったがそんなことは今はどうでもいい。
急いでかっちゃんの掌を確認する。
片方はよし、もう片方は...
『良かった...怪我してない...』
安心してふぅーっと息を吐き、かっちゃんを見ると、また驚いた顔で固まっている。少ししてハッとした顔をすると、バシッと手を振りほどかれた。
「な、何やってんだてめえ!」
『何ってすごい爆破したし、また掌大怪我してるんじゃないかと思って...』
「...もう大丈夫だわ」
「ここでいちゃついてんじゃねえ!!」
「お前ら本当になんなんだよ」
「てか爆豪顔赤w」
「うるせえ!アホズラ!」
「流石三条あざといわ〜」
「三条が個性使ってんの初めてみたけど、あれはあざとい...」
「それでコスチューム巫女だろ?もうヤバいっしょ」
「コスチュームデザイン私一切ノータッチだし、あざといやめてほんと!」
マイク先生一生恨んでやる!