ゆーあーmyヒーロー
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日こそは自炊をしてみようと張り切りながら、帰り支度を始める。家の近くのスーパーってどこだろ?
こういう時は文明の利器スマホの出番!早速スマホでスーパーを検索してみる。どこがいいか分かんないし、とりあえず今日は一番近いところに
「おい!お前スマホ持ってんじゃねえか!」
『うわっ!びっくりしたあ...何を隠そう昨日先生がくれたのです!』
ドヤる私を冷めた目で見ながらかっちゃんは私のスマホを取り上げた。
「スーパー行くんかお前」
『そう!ついに自炊チャレンジだよ!』
「嫌な予感しかしねえな」
『大丈夫大丈夫!スマホゲットしたしレシピ見放題じゃん!いけるって!』
「お前の場合それ以前の問題だと思うけどな」
『小さい時作ったことあるし目玉焼きは作れるよ?』
「そんなん料理のうちに入んねえわ」
『焼くという行為をしている以上料理だよ〜あっ!そんなことよりかっちゃん、ラインってどうやったら使えるの?』
「そんなことで済ませてんじゃねえよ!ラインなんてアプリダウンロードすればいいだけだろ。貸せ」
『はい!』
「...おいてめえ。先生はともかく、なんでデクが番号登録してあってオレがしてねえンだよ!」
『いずっくんのは朝教えて貰ったから登録してあるの!かっちゃんのだってちゃんと登録するつもりだったよ?』
「クソが!」
乱暴に戻されたスマホには3人の名前が友だち欄にのっている。先生が友だち...
『あっすごいスタンプとかある』
「無闇に送ってきてんじゃねえ!」
「ユウちゃんもしかしてライン?私とも交換して!」
『是非是非!』
やったー!お茶子ちゃんの連絡先ゲット!
「お!なになに?オレとも交換してよ」
「オレもオレも!」
「私もいいー?」
「私も!」
『おおー!かっちゃん!友だちめっちゃ増えた!』
「ライン上だけだけどな」
『かっちゃん酷い』
「帰るぞ」
不貞腐れながら、ついて行こうとすると小さな笑い声が聞こえた。
『轟くん何か面白いことでもあったの?』
「お前らの会話がコントみたいだなって。あと三条は感情が顔に出すぎ」
『そんなに酷い?かっちゃんよりマシだと思うんだけどなあ...そうだ!轟くんもライン交換しよ?』
「ああ」
『わーい!ありがとう!また友だち増えた!』
「ライン上だけだけどな」
『轟くんまでやめて!?』
楽しそうに笑う轟くんを見てまあいいかと私も笑った。お別れを言ったあと教室の入口でイライラ全開なかっちゃんに恐る恐る近付く。
『ご、ごめん。お待たせしました』
何も言わずに出ていくかっちゃんがかえって怖い。いつもなら絶対怒鳴ってくるのになんで?
「お前あの半分ヤローと仲良いんか」
『半分ヤロー??...あ!もしかして轟くんのこと?仲良いって言えるほどまだ喋ってないけど、ラインだけでなくリアルでもちゃんと友だちになる予定!轟くん良い人だし!』
「また騙されてんじゃねえか?お前イケメンに弱いもんな」
『...どうしてそういうこと言うの?確かに轟くんはかっこいいけど、絶対そんなことするような人じゃないもん!かっちゃんのバカ!』
かっちゃんを置いて廊下を走り抜ける。
轟くんは絶対悪い人じゃない。あの事件以来、私は人の悪意や負の感情に敏感になり、態度や雰囲気でそれが分かるようになった。だから絶対大丈夫だという自信がある。
轟くんを悪く言われて腹が立った。だけどそれよりも、かっちゃんにそんな風に思われていた事がショックだった。スーパーへ行くこともなく勢いそのままに私は家へと帰った。スマホを見ると今日ラインを交換した人達からメッセージが入っていた。
よろしく〜などと書かれたメッセージに順に返信をしていく。そのやり取りでだいぶ和んだが、やはりかっちゃんに言われた事を思い出して暗くなってしまう。
明日会いたくないな...