ゆーあーmyヒーロー
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次の日の朝、迷いながらなんとか駅に辿り着き、電車に乗り込むといずっくんを発見した。
『いずっくん!おはよう!』
「あ、ユウちゃん!おはよう。今日はかっちゃんと一緒じゃないんだね」
『昨日は朝、保健室に寄らなきゃだったから、案内役として一緒に登校してくれたの』
「そうだったんだ。保健室ってユウちゃん何か怪我してたの?昨日も授業途中で抜けてたし大丈夫?」
『あー大した怪我じゃないから大丈夫!それより、教室入るの緊張しすぎて死ぬかと思った...』
「先生が呼んでるの聞いて苗字同じだなとは思ったけど、まさかユウちゃんだとは思わなかったしびっくりしちゃったよ。クラスみんなすごい驚いてたけど...」
『クラス全員!?そんなに私変だった!?』
「違う違うユウちゃんが変っていうか、あのかっちゃんに女の子がくっ付いて入ってくれば誰でも驚くっていうか...」
『ああ...そう言えばどういう関係なの!?って質問攻めにあったんだった...たった1日でヤバい人認定されてるかっちゃんに私は驚いたよ。はは...』
「まあかっちゃんはそういう人だから...で、でもユウちゃんいつかっちゃんと再会したの?もしかしてずっと前から?僕には連絡くれなかったのに?それに2人が付き合ってるかどうかは僕もすごい気になるとこであって」
『いずっくん落ち着いて!?かっちゃんには入試の帰りに偶然会ったの。それで電話番号くれたからちょこちょこ連絡してた感じで、別にいずっくんをのけ者にしてたわけじゃないから!あとかっちゃんとは付き合ってません!』
「そうだったんだ...!よかった...」
ものすごい安心した顔をするいずっくんに苦笑する。
のけ者にされてたんじゃないかってそんなに気にしてたんだ...
「でもよかった。2人が仲直りできて。驚いたと同時にすごく嬉しかった」
『ごめん、いずっくんには一番迷惑かけちゃったよね...いずっくんのことだから、かっちゃんにも色々言ってくれてたんでしょ?せっかくいずっくんが頑張ってくれたのに、結局かっちゃんに謝れずに別れることになっちゃったし、本当にごめんね...』
「ううん。本当に突然だったし、しょうがないよ。ユウちゃんだって引越す事になるなんて思ってなかったんでしょ?」
『そうなんだけどさ...2人には本当に謝っても謝りきれないよ』
「心配したし悲しかったけど、ユウちゃんのせいじゃないし、謝るなんてそんな...!また会えた。それだけで十分だよ」
『ありがとういずっくん』
本当に私は良い幼馴染をもったなと思う。私にはもったいないや。
「そういえばさ!昨日のユウちゃんのコスチュームすごく似合ってた!あれって何かああいう形にした理由とかあるのかな?何か補助的な役割があるとか!」
『あれは全部コスチューム作ってくれた会社さんがデザインして作ってくれたんだよね...私、着替えやすいのとピッチリしてないやつとしか要望書かなかったから。みんなすごい拘っててひえ〜ってなった』
「そうだったんだ。でもプロに1から任せるのもいい手だと僕は思うよ!自分じゃ浮かばないようなアイデアいっぱい持ってるだろうし!確かにみんなのコスチュームすごかったけどね」
『いずっくんのコスチュームって昔ノートに書いてあったやつだよね?兎みたいで可愛いかった!』
「わー!ユウちゃん覚えててくれたんだ!」
『だって、いずっくんよく私にノート見せてくれてたじゃん?あ!もしかして今も書いてたりする?』
「うん!昨日のみんなの分析も書いたよ!」
『すごい!見せて見せて!』
ワクワクしながらノートを見せて貰うと中にはびっしりと文字が書き込まれていた。
流石ずっと書いてるだけあって分析力エグイな...纏め方も綺麗。
『...いずっくん。ノートも素晴らしいんだけどさ、もしかしてもう全員の個性と名前覚えてたりする?』
「もちろん!昨日の試合だけじゃ、まだ全部を見れたわけじゃないだろうし、まだまだ気になるところもいっぱいって感じだけどね」
『いずっくん、どうしよう私...個性どころか全然クラスの人の名前覚えられてない...』
「うーん...それなら、とりあえず席順で覚えてくのがいいかな?授業中とかユウちゃんの席なら全員視界に入るだろうし、徐々に覚えていけばいいと思う。確か座席は...これで合ってると思うんだけど、後で一応確認してみるね」
『ありがとういずっくん!これで頑張ってみる!』
いずっくんが席順を書いてくれたメモを早速眺める。
ちゃんとふりがなを書いてくれてるあたり本当に気が利くし優しい!流石いずっくんである。
『こうしてみると結構人数いるね...手前の美人さんは八百万さんっていうんだ。なるほどなるほど。あ!そういえば昨日ね!先生がスマホくれたの!だから良ければいずっくんの連絡先教えて欲しいな!』
「うん!」
いずっくんと連絡先を交換し、他愛ない話をしながら学校に着くとものすごい数の報道陣でごった返していた。なんとかすり抜け教室へと入るとその事で話題は持ち切りだった。途中で立ち止まり挨拶や昨日なんで呼び出されたのか質問に答えていると、いずっくんに席順問題ないみたいと耳打ちされる。ありがとうと小さく返事をすると何やら視線を感じた。私がその方向を見るのと同時くらいにいずっくんも同じ方角を見た。
『いずっくん、なんで朝からかっちゃんあんなに機嫌悪いの?なんかもう目だけで人殺せそう』
「それは多分僕が...」
『いずっくんは絶対悪くないから!かっちゃんが悪い。ほんと昔からなんなんだろうね』
「はは...」
睨んで来るだけで特に何も言われなかったので、かっちゃんの列の前は通らず座席に座る。
基本かっちゃんのことは好きだし、馬鹿にされても、叩かれても気にしないが、いずっくんに対する態度だけは昔から嫌いだし許せない。
席に座ると八百万さんが昨日の心配をしてくれた。
その後も少し話をしているとチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。
先生の言葉的に、いずっくんとかっちゃんは昨日何か問題を起こしたみたいだ。内容が気になったが、いずっくんもかっちゃんも何も言ってなかったし、触れられたくない事なのかもしれないと詮索するのは辞めた。
2人とも優しいはずなのにどうしてなんだろう...