ゆーあーmyヒーロー
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午後の授業は、ものすごいテンションで登場したオールマイトの指示の元、コスチュームに着替えることとなった。
思い浮かぶものもなく、センスもない私は、着替えやすくして欲しいとあんまりぴっちりは嫌という要望しか書かなかったのだが一体どうなっただろうか?
ドキドキしながらケースを開けると中には赤白の服。広げてみると着物というかほぼ巫女服だった。えっなんか思ってたのと違う。パッと周りを見るとみんな見るからにヒーローっぽい服装だ。
え?何故?
巫女服はかっこいいと思うけど、ヒーローとは違くない?巫女さんはもっとお淑やかで清廉な感じでなくては!私には荷が重い!
「わー!ユウちゃん巫女服や!可愛い!」
「ほんとだ!和服もかっこいいね!」
『はは...ありがとう』
着替えやすいと書いた私の要望どこいった?着物なんて着れないよ?しかしそこはプロだった。見た目は和服だが構造は洋服に近く、ボタンをとめたりするだけで簡単に着れた。服の内側に色々収納できそうな場所もあり、使い勝手が良さそうだ。
しかも動きやすい。尻尾もちゃんと出せるようにスリットが入っている。
「わー!ユウちゃん可愛い!」
「靴はブーツなんだね!」
「それはそれでよし!」
「とっても素敵ですわユウさん」
『ありがとう...みんなもよく似合ってるね』
褒められるということに慣れていない私はすぐに照れてしまい、それをいじられ更に顔が真っ赤になるという地獄のような空間を逃げるようにして外に出た。
グラウンドに行くと既に着替えた男子の面々がお互いにコスチュームを見せあっていた。
「おお!すげえなユウ!和服か!」
『形状に関して要望書かなかったら、なんかこうなった...完全に浮いてて恥ずかしい...』
「似合ってるし、かっこいいぜ!」
「そうそう!巫女服とか最高すぎ!ナイスチョイス!」
「いいね〜似合ってんじゃん」
「巫女服だと...!」
「三条君、顔真っ赤だが大丈夫か?」
『褒められたりするの慣れてなくて...恥ずかしいだけだから大丈夫です...』
「すぐ赤くなんだな」
「ユウちゃん照れ屋で恥ずかしがり屋なんだ〜可愛い」
『もうやめてー恥ずかしい』
せっかく逃げてきたのに、同じような展開に...
「なにやってんだ」
『かっちゃん!』
即座にかっちゃんの後ろに隠れる。
「なんなんだよ。つーかお前顔真っ赤だな」
『みんなが弄ってくるんだもん』
「あ?」
「いやいやいや、弄ってねえって褒めてたんだよ」
「そうそう、爆豪だってユウのコスチューム似合うと思うだろ?」
じいっとかっちゃんが私を見る。
「お前、着物の着方分かったんか。よくそれ着れたな」
『流石かっちゃん良いとこに気付いたね!何とこれ簡単にボタンとかだけで着れちゃうんだよ!ぴっちりしてなくて着替えやすいやつって、要望通り!形状について何も書かなかったら、まさか和服になるとは思わなかったけど...』
「要望ざっくりすぎだろ。形状について何も書かないとかバカかお前。そこはもうちょいこだわれや」
『えー下手なもの頼むより、プロに頼んだ方がかっこいいの仕上がると思って。そうかみんな形状まで細かく書くんだ。じゃあかっちゃんのそれは、かっちゃんデザインなわけですね』
「そうだ。何か文句でもあるってか」
『全然!なんか全身爆破!って感じですごい、かっちゃんっぽくて似合ってる。腕めっちゃ邪魔そうだし、重そうだけど!』
「こんくらい余裕だわ。こいつは汗ためて超火力で爆破できるようになってんだよ」
『なるほど考えるねえ〜流石かっちゃん頭いいわ』
「お前はもっと頭使えや」
(爆豪はユウとは打って変わって、褒められ慣れすぎてて微動だにしないって感じだな)
(だな。なんか2人って全体的に真逆だよな〜)
(爆豪って全然褒めたりしなそうだし、ユウちゃんの照れ屋は爆豪が一役買ってる気がするわ〜)
((同意))
(あんだけガン見しておいて似合うの一言もないとは)
(流石爆豪だな...)
切島、上鳴、瀬呂が少し離れた場所からそんな会話をしていることなど2人は知りもしないのであった。
「そういえばお前、無個性のくせにどうやって試験受かったんだ?」
『それは』
「あ!ユウちゃんみっけ!おーい!」
「え!ユウちゃん!?」
『おーい!お茶子ちゃんと...あれっていずっくん?挙動不審だね。どうしたんだろう』
「チッあんなクソナードどうでもいいわ!」
機嫌悪いなあ。いつからいずっくんとこんなに仲悪くなっちゃったんだろう...幼馴染同士2人には仲良くして欲しいのにな。
あれ?なんか相澤先生来た。なんかもう嫌な予感しかしない。
「三条、警察が来たから悪いが対応を頼む。昨日やそれ以前のことも聞かれるだろうから、恐らく長丁場になる。残念だが今日はもう授業終了だな」
『せっかく着替えたのに!?』
「文句を言うな。行くぞ」
『マジかー...』
「爆豪、事情聴取の他にも色々な手続きが必要だから夜近くなる可能性がある。お前は先に帰っとけ。三条は俺が家まで送る」
「なんでオレがこいつと帰るの前提なんだよ!」
「一応言っておこうと思ったまでだ。行くぞ三条」
『はあ...じゃあねかっちゃん』
「この際だ。何もかも全部暴露してこい」
『はーい』
その後、相澤先生の言っていた通り事情聴取はとても時間がかかった。
あー疲れた...授業どうだったのかなーもっとみんなのコスチュームじっくり見たかったなあ。
「おい、三条電話番号教えろ。今後警察の方から、用があれば直接お前に連絡するように言っておく」
『え、携帯持ってないです』
「このご時世に携帯を持っていないとはな」
『あの人達が買ってくれたと思います?』
「...思わないな。はあ...仕方ない。ちょっと待ってろ」
私だってスマホ欲しいよ!でも保護者の方に契約頂かないととか言うから持てずじまいだ。みんな持ってるのに、私は成人になるまで持てないのか...辛い
「ほらよ。前に任務で貰ったスマホだ。型は古いかもしれんが普通に使う分には支障ないだろう」
『貰っていいんですか!やったー!先生優しい』
「その代わり勉強頑張れよ。お前、入試の筆記は合格ギリギリだったからな」
『あはは...頑張ります』
勉強の話で一気にテンションが下がったけど、これで私も念願のスマホGETだ!
相澤先生めっちゃ良い人...!