ゆーあーmyヒーロー
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『まま待ってかっちゃん緊張で死にそうになってきた』
「何言ってんだ。教室に入るだけだろ」
『それが緊張するんだって!うう...かっちゃんの鋼の心臓が羨ましい』
「変なこと言ってねえで行くぞ」
『ああー待ってよお!』
「くっつくな歩きずれえ!」
かっちゃんのブレザーを掴み、背中に隠れるようにして教室に入る。
「どけ、クソナード」
「ご、ごめん!」
『もー!そんなこと言っちゃダメだって!そんなんじゃ友達できないよかっちゃん!』
「うるせえチビ!どうだっていいわ!」
『かっちゃんがごめんね。ほんとはそんなに悪い人じゃ...』
とりあえず言われた人に謝ろうとかっちゃんの背中から離れて横に並ぶと、見覚えのある男の子が驚いた顔で私を見ていた。私もびっくりしてそのままフリーズしてしまう。
「ユウちゃん!?」『いずっくん!?』
「ど、どうしてここに!?」
『あ、えっと、受かったからです!』
会話を聞いていた全員が吹き出す。そうじゃねえだろと全員の心の声が一致した瞬間だった。
『いずっくんはえっと受かったからいるんだよね!おめでとういずっくん!言ってた通りヒーローなれるじゃん!無個性初だったりするのかな!?』
「えっと...」
「彼が無個性のはずないだろう!」
「そうそう!入試の巨大ロボ粉砕しちゃうし、昨日のボール投げもデクくんすごかったんよ〜」
『ボール投げ?え、巨大ロボってあれ倒せたの!?私攻撃弾かれちゃって全然ダメだった』
「君も立ち向かったのか!ということは君もあの構造に気付いてたのか!?クソ...オレは...!」
『え?だってあれ出会ったら倒さないとっていうルールじゃないの?』
「ん?」
「ん?」
「あのね、ユウちゃん...」
『えーー倒さなくてよかったの!?ていうかルールもそんなだったの?色んな形あるなーとかは思ってたけど』
いずっくんから説明を受けて驚いている私をさっき自己紹介してくれた2人、飯田君は話を聞いていなかったのか!と怒り始め、お茶子ちゃんは爆笑していた。
恥ずかし...
「ま、まあ!結果オーライだよユウちゃん!」
『ありがとういずっくん...』
チャイムが鳴り始めみんなが席に着き始めた。
ヤバい!私の席ってどこ!?
『かっちゃん!いずっくん!私の席ってどこ!?』
「あー...そうか」
「...」
『いずっくん、そうかって何?あとかっちゃんはなんでそんな不機嫌なの?』
ガラガラっと扉の開く音が聞こえ、相澤先生が入ってきた。
「三条、いつまでそこで喋ってやがる。早く席つけ」
『先生、席が分からないんですけど...』
「は?ああそうか。1回除籍したから席片付けたんだった。その隅に積んであるのがお前の机だ。今から座席変えるのも面倒だから、轟の横に席移動しろ」
『先生、これいじめじゃないですか?』
「席残ってただけありがたいと思え」
『昨日と言ってること違う...』
「どんまい、ユウちゃん...」
「ハッ!ざまあ」
注目されるの嫌いなのに初日からこれはほんと勘弁して欲しい。みんなからの視線が痛い...私のメンタルが死ぬ...
爆豪にくっついて登校してきた時点でかなりの注目を集めていた事を彼女は知らないのであった。
何事も無かったように先生が話を始める中、左隅に座席を取りに行く。通りかかった席の全員に小さくどんまいやファイトと言われ、苦笑いで答える。よかった、みんないい人達っぽい。先生への好感度は下がったけども!そういえば轟って誰?ここ空いてるから多分この赤白の子だろうけど、間違ってたら恥ずいな...いきなり誰の横とか言われても分かるわけないじゃん!先生の馬鹿!てか机案外重いな!?
前にいた美人少女が手伝いましょうかと言ってくれたが、こんなモデル美人にそんな事をさせるのはよくないと思い、丁重にお断りした。頑張って机を持ち上げ少しずつ移動する。すると突然ぱっと重さがなくなった。上を向くと赤白の男の子と目が合った。綺麗な目...オッドアイって初めて見たな。そしてめっちゃイケメンだ...!火傷なんて全然気にならないくらいイケメンだ!
「オレが運ぶから手離せ」
『あ、ありがとう。えっと...』
「?ああ、轟だ」
『やっぱり貴方が轟くんなんだ!お隣さん同士よろしくね!』
「ああ、よろしく。やっぱりって、お前オレのこと知ってるのか」
何故か彼を纏う空気が冷たくなった気がした。私なんか変なこと言ってしまっただろうか...
『ごめん、先生が轟の隣って言ってたけど、誰だろうーでも横空いてるからこの人が轟かなー?ってずっと考えてたからさ。合ってて安心した。え?初対面だよね?』
「ああ。てか、オレの横しか空いてないんだからオレが轟に決まってるだろ」
『そうだろうな〜とは思ってたけど分かんないじゃん?あの先生のことだから、反対側の廊下が私の席ですとか言うかもしれないじゃん!』
「フッ...ははっ お前そんなこと考えてたのかよ。変わってんな」
『え?なんで笑ってんの?』
よくわからないけど、お隣さんとは上手くやっていけそうです!