ゆーあーmyヒーロー
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『いてて...この鎖の痕って明日までに何とかならないかなあ。いきなり包帯ぐるぐる巻で登校とか辛いよー』
「チッ!あいつ今からでも殺」
「落ち着け爆豪。明日、早めに学校に来てリカバリーガールのとこに三条を連れてけ。痣くらいなら何とかなるだろう。三条、家はあるのか?」
『アパート借りてるんで一応!まだ1回も行ったことないですけど...』
「それならいい。家まで送ってくから早く休め。爆豪もな」
『ありがとうございます!先生優しいですね!』
「入学式すっ飛ばして個性把握テストで最下位とったやつ除籍するって言ってたけどな。ついでにお前も除籍って言われてたぞ」
『ええ!?私除籍されたんですか!?どうしよう』
「落ち着け三条。こんな状況に立ち会って除籍なんて流石に俺も言わん。校長からも言われてるしな」
『よかったー...』
先生に家まで送ってもらい、初の我が家に入ったが、眠過ぎて部屋を確認したりする間もなく眠ってしまった。
次の日、インターホンの音で目が覚めた。
ぼーっとしていたが何度も鳴らされる音に意識が覚醒し、急いで扉を開けた。
「そんな勢いよく扉開けんじゃねえ、危ねえだろうが!」
『ご、ごめん!ん?なんでかっちゃんが?』
「昨日、早く学校行くつったろうが!なんでまだ着替えてねえんだてめえ!」
『あー!ごめん!すぐ着替える!』
全く忘れてた。目覚ましもかけてなかったし、本当に危なかった。というか荷解きも何もしてない。急いで制服を引っ張り出し、着ていた服を脱ぎ捨てる。
「な...!そんなとこで脱ぎ始めんじゃねえ!」
『うわ!?ごめんかっちゃん!』
すぐに制服と服類を纏めた袋を掴み、横にあった部屋に入る。
焦りすぎて、かっちゃんが家に入ってきたことに気付かなかった...恥ずかしい...
急いで制服に着替えたはいいが、難関が待ち受けていた。ネクタイとか結び方全然知らない...えっリボンじゃないの?マジか...どう頑張ってもネクタイっぽくならない。
「いつまで着替えに時間かかってんだよ!」
『あ!かっちゃん!ネクタイってどう結ぶの?ってアレ?かっちゃんネクタイしてない』
「あ?いいわそんなもんほっとっけ!お前、どうせ朝食食ってねえだろ、早くそれ食え」
『これ、かっちゃんのお弁当じゃないの!?貰えないって!かっちゃんのお昼なくなっちゃう』
「いいから食えっつってんだろ!昼とか学食もあるしどうとでもなるわ!」
『え!学食あるの?やったー!』
「早く食えや!!」
『ごめんなさい!いただきます!』
なにこれめちゃくちゃ美味しい。卵焼きとか形めっちゃ綺麗だし、ふわふわしてる。どのおかずも味付けが絶妙だし、盛り付けが綺麗すぎる。しかも好きな物がたくさん入ってる!味わって食べたいところだが、なくなく急いで口に詰め込む。いつもこんな料理食べてるとか、かっちゃん羨ましすぎ!
『ご馳走様でした!』
「早く行くぞ!」
『ありがとう!色々ごめん』
私の鞄も持って出ていくかっちゃんを追いかけるようにして家を出る。
『ええー何これ人多!?』
「電車なんてこんなもんだろ」
『いや、田舎じゃこんな人数ありえないから...』
「今どき切符買うやつだもんな」
『今日の帰りは絶対カード買うもん!』
人の多い電車に若干ひきつつ乗り込む。
『かっちゃん鞄持ってくれてありがとう。あとは自分で持つから...あっ教科書!どうしようかっちゃん!』
「お前が飯食ってる間に入れといたわ」
『かっちゃん神か!あ!お弁当すごく美味しかったよ!かっちゃんのお母さんめっちゃ料理上手だね!』
「は?作ったのオレだわ」
『ええええ!?』
「馬鹿!声でけえわ!」
一斉に視線を浴びて恥ずかしかったが、この驚きは仕方ないと思う。だってあのお弁当。え?
『かっちゃん、いつ料理に目覚めたの?てかプロなの?』
「目覚めてねえし、あれくらい普通だろ」
『えっ怖...かっちゃんってほんとなんでもできるね』
「お前不器用だし、見るからに料理下手そうだな」
『見るからにって酷くない?全然料理作ったことないから分かんないけど、もしかしたら上手いかもしれないし!』
「料理作ったことないくせに一人暮らしするとか喜んでたんかマジで馬鹿だな」
『むぅー』
電車を降りてようやく人混みから解放される。
「そういえば体大丈夫なのか?」
『まあちょっと痛いけど全然平気!しかもタイツ履いたら痕見えないし、手と首だけならあんまり目立たないね。早くから付き合ってくれたのにごめんね?』
「顔も傷あるし、手と首も痕ついてるの見えるし、それ以外も見えてねえってだけだろ。痣以外にも傷だっていっぱい残ってんじゃねえか」
『なんで知って...あ。ごめんなさいお見苦しいものを見せました...わざとじゃないんで許してください...』
「お前が謝るとこじゃねえだろ。見える見えないじゃなくてもっと自分の体大切にしろ。一応女なんだからよ...」
『はは、ありがとう』
やっぱり優しいななんて思いながら彼の横を歩く。
保健室に行くと小さな可愛いおばあちゃんがいて、治療と称してキスをされるというびっくりな展開になったが、体の傷は綺麗に消えていった。
「だいたい治ったが、古い傷は消えずらいからねえ。でも定期的に来てくれればそのうち良くなるさね。残念ながらその火傷の痕は残ってしまうだろうけどね...」
『これは残っていて欲しいので問題ないです!ありがとうございました!』
お菓子を貰って喜んで食べていると、だんだん眠くなってきた。
「まだ時間があるし、少し寝ていきなさい」
あまりに眠かったのでお言葉に甘えて、私はすぐに眠りについた。
「おい、起きろ」
『ん...おはようかっちゃん』
「そろそろ行くぞ。っておい髪ボサボサになってっぞ」
『えっ嘘!っていたっいたい!いたい!』
「行くぞ」
かっちゃんの後ろをついて行きながら窓を見ると綺麗に髪が結び直されている。
『私が結んだ時より綺麗になってる...』
「お前が不器用すぎんだわ」
『めっちゃ髪痛かったけどね!』
「多少抜けたとこでお前のその髪の多さなら大丈夫だろ」
『そういう問題じゃないけどね!』
髪は痛かったけど、朝から幸せだな〜なんて思いながら、いつの日かと同じように私は彼の背を追いかけた