ゆーあーmyヒーロー
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家に帰った瞬間、夢が終わるように一気に現実に引き戻される。でも夢じゃないんだよな〜
かっちゃんに貰ったノートの切れ端。
これがあるだけで私は試験に落ちても何とか生きていける気がする。無くすと怖いので、一応自分のノートにも番号を記入しておく。
明日、バイト行く前に郵便局行って学校の通知書預かって貰うよう言っておかないと。受かってたらいいなあ...新幹線でも寝てきたが、すぐに眠くなって眠ってしまった。
数日後、学校からの封筒が郵便局に届いていた。ドキドキしながら封筒を受け取り、近くのベンチに座り開封する。中には小さな機械のようなものが入っていて、何だろう?と手に取ると驚いたことに映像が映し出された。あれ?この人ってオールマイト!?
何が何だか分からず混乱したが、どうやら結果は合格だったらしい。嬉しさのあまり、やったー!と叫んでしまい、周りから変な目で見られた。
早くかっちゃんに連絡しなきゃ!
勇んで公衆ボックスに入ったはいいが、いざかけるとなると緊張してきた。忙しいかも。ちゃんと出てくれるかな...何度も番号を確認しながらボタンを押し、緊張しながら呼出音に耳を澄ます。すぐに、もしもしという低い声が聞こえ、嬉しくて受話器をぎゅっと握りしめる。
『かっちゃん!あのねあのね!』
「その馬鹿げたテンションはお前、受かったんか」
『うん!受かった!だからそっちに行けるよ!やったー!』
「良かったな。いつ引越すんだ?一人暮らしするって言ってたよな?」
『うーん...入学の2日前とかかな〜未定』
「未定ってそんなんで大丈夫かよ。物運んだり結構大変だろうが」
『大丈夫!持ち物ほぼないし、家出だから!』
「家出だからっておい、どういうことだそれ」
『どういう事って家出だよ!あの人達に言ってない。ていうかずっと隠してきた。言っても行かせてくれるわけないし、そんなん言ったら何されるか分かんない』
「何されるかって...お前もしかして」
『大丈夫!心配することないって!あと少しだもん。家出成功すればこっちのもんだよ!私が雄英行くなんて夢にも思ってないだろうし、場所も遠いからきっと追って来れない』
「お前の今の住所教えろ」
『え!?な、何するつもり?手紙とか嬉しいけど、来ると困るっていうか...嬉しいけどね?』
「送るかアホ。なんもしねえよ。念の為だ」
『念の為とは?まあいいけど...』
念の為って何?疑問しかないが、減るものでもないし何か送られて来るわけでなければ特に支障はないので住所を伝える。
「チッ遠いな」
『遠いよ〜新幹線使わなきゃすごい時間かかるんだから。何?近ければ会いに来てくれようとしたの?』
「行かねえわ!」
『え〜でもまたすぐ学校で会えるもんね!嬉しい!それまでに電話できるかは分かんないけど、入学式当日は絶対連絡するから!ていうか会いに行く!かっちゃん、ヒーロー科でしょ?』
「あたりめえだろ。オレはナンバーワンヒーローになるんだからな。てか来た当日くらい連絡できるだろ!しろ!」
得意げに言う彼は昔と何も変わっていなくて安心した。なんか怒られたけど...
『う〜ん...最悪当日に行くかもだけど、そっち行ったら連絡するね!』
「当日とか頭おかしいだろ。すぐ出てくりゃいいじゃねえか」
『隙を見てでてかないとだし、今ちょっとバイト先が忙しくてさ。今までの恩もあるしできるだけ手伝いたいなって。お金も貯まるし!』
「ちゃっかりしてんな。それならまあいいけどよ。ちゃんとこっち来たら連絡しろよ?」
『うん!それじゃ...あ!!』
「んだよ!ビビったわ」
『かっちゃん合格おめでとう!...聞いてなかったけどしてるよね...?』
「あたりめえだわ。お前も.....おめでとう。頑張ったな」
『え!ありがとう、嬉し』
ツーツーっと電話の切れた音が鳴る。切ったのは照れ隠しかな...?まさか、かっちゃんがあんなこと言ってくれるなんて夢にも思わなかった。えへへっ入学楽しみだな〜
ヒーローへと近付くはじめの一歩