最終決戦偏
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
考えるよりも体が先に動いていた。
デクの元へ向かい、加速して一気に空を駆け、オールマイトを救出する。
「勝つぞ!!!」
建物に着地し、オールフォーワンを見据える。
「邪魔をするな!」
オールフォーワンの攻撃が来る。
オールマイトは動けない。降ろしたオールマイトを再び抱えて、避けるのは今の自分の状態やオールマイトの体重的に難しい。受けて防ぐしかない。
体は満身創痍。大きな爆破は体への負担がデカい。耐えきれず、倒す前に体がダメになってしまうかもしれない。
できるのか?
不安が過り、ユウに言った言葉が頭に響く。
「私のことはいい!逃げろ爆豪少年!」
「できるわけねーだろ。オレはヒーローだ!」
クソッ!攻撃が来る...!
瞬間、目の前に大量の火の玉が壁のように並び、オールフォーワンの背後にユウが現れた。
『下克上の時間だ』
ユウの蹴りでオールフォーワンが一瞬にして吹き飛ばされる。あまりに桁違いな威力。サッと背筋が冷たくなる。
コイツは...
『私が来た!なーんてね』
悪戯っぽく笑う表情も目の色もユウだ。
よかったと安心して気が抜けたが、重大なことを思い出す。
「ユウ!お前、体は」
『見ての通りだけど、バリバリ戦える...予定!今のは今までやられた分のカウンターな一発だから、もう出せないけどね。体も10分は持つはずだけど、この技使ったことないから持たなかったらごめん』
「は!?治ったとかじゃねえのかよ!休めよバカ!」
『かっちゃんに言われたくないし。アイツ倒していずっくんの手助けしてってどうせ考えてるんでしょ?二人でとっとと倒していずっくんとこ行こう』
「お前本当に大丈夫なのか?」
『...かっちゃんが早く終わらせてくれれば大丈夫。かっちゃんは攻撃に専念して。あとは私が請け負う』
「オレに指図すんな!ボッ」
大量の血が口から溢れ、ユウの目が見開かれる。
『かっちゃん!死んじゃやだ!かっちゃん!』
「中に溜まった血を吐かせただけだ」
『よかった...!?糸が喋った!?』
「三条少女、エッジショットだ...!」
『ええ!?エッジショットさん!?』
「うるせえ。静かにしろユウ」
「俺の体で秘伝袴田流もやい結びを施した故まず綻ぶことはない...!だが...一息が地獄の痛みの筈だ。動いていい身体じゃない...!」
「わーってる。生かしてくれてありがとう先輩」
「俺は繋いだだけだ。目覚めさせたのはお前が磨いてきた個性だ」
『それでもありがとうございます。私、かっちゃんがいないと生きていけないんです。だからエッジショットさんは私にとっても命の恩人です。本当にありがとうございました』
深々と頭を下げるユウは多分気付いてないが、聞いている方が面食らってしまうくらいとてつもない愛の言葉に聞こえる。
「「おお...」」「〜っ!」
「もしかして、ついに2人とも付き合って...」
『い、一応...』
「一応ってなんだゴラ。普通に付き合ってるって言えや」
「そ、そうだったのか。それはおめでとう(緑谷少年...)」
「傍で支えてくれる者がいるのは戦闘だけでなく、全てにおいて力になる。特にプロになってからはな...大事にしてやれよ」
「た、たったりめえだろ!グッ...!」
『かっちゃん!やっぱり体が』
「どういうカラクリか知らねーけど、お互い様だろーが。短時間でケリつけるぞ」
体中が痛い。息をするだけでふらつきそうになる。でも先輩が繋いでくれたおかげで今も生きている。まだやりたいことができる。
『絶対勝とうね!』
「2対1だ。勝つに決まってんだろ」
何故だろう。こんな状態にも関わらず、ユウが傍にいるだけで、なんでもできるようになる気がしてしまうから不思議だ。
「手を」
「!」
オールマイトに差し出した手にオールマイトの付けていたサポートアイテムが装着される。
「もう機能は失っているが...添え木くらいにはなる。大・爆・殺・神・ダイナマイト。こんなものしか...与えてやれないが...」
オールマイトからの贈り物。オレも託された。
ずっと憧れてきたヒーローに...
「いくぞ、フォックス。サポート頼んだ」
『了解!』
戻ってきたオールフォーワンが忌々しげにオレらを見下ろす。
「オレがラスボスだオールフォーワン!!」
飛び出し、掌を構えるとオールフォーワンを取り囲むように狐火が現れた。爆破すると想像を遥かに超えた大爆発が起き、思わず笑ってしまう。
こんなん負ける気しねーわ
「あいつに拭えねーもんはこっちで拭うってなぁああ!!!」
「やってくれたな死に損ない」
『やられた分やり返しただけ。お前に効果あるかは賭けだったけど、死柄木と繋がっててくれてよかった』
「まだまだこっからだ」
ゲームは勝つまで終われない