「三条、お前さえ良ければこれ行くの付き合ってくれねーか？」

『I・エキスポ？なんか楽しそう！いいよ！いくいく！』


轟くんが見せてくれたパンフレットには様々なイベントや施設説明が書かれており、なんだかテーマパークみたいでとても楽しそうだ。


「よかった。親父の代理で行くことになったんだが、1人じゃ退屈しちまいそうだったから助かる。ヒロコスと2日分の泊まりの準備とパーティーがあるから正装を持ってきてくれ」

『泊まりなの！？まあこれだけ広ければ1日じゃ回りきれないか...で、パーティーで正装とは？正装なんて持ってないよ私』

「持ってねえか姉さんに聞いてみる」

『轟くんお姉さんいるんだ！？』

「兄さんもいる」

『兄弟いっぱいいて楽しそうでいいね！』

「三条は一人っ子か？」

『うん』

「ぽいな」

『ぽいなって何！？まあ、何故か全然似てないのに小さい頃はよくかっちゃんと兄妹に間違えられてたけど』

「ちいせえ頃からお前らはそうなのか」

『そうって何！？』



そして当日⋯


『着いたー！轟くん！お腹空いたし、ご飯食べようよご飯！』

「ふっ ブレねえな三条」


目に入った大きな飲食店に入り、ハンバーグかパスタか悩んだ末、パスタをセレクトした。


「まだどこも見てねえのに楽しそうだな三条」

『え〜だってこういうとこっているだけでワクワクしない？食べ終わったらどこ行く？轟くんどこ行きたい？』

「オレは別にこれといってねえし、お前が行きたいとこでいい」

『そうなの？じゃあパンフの説明書きが楽しそうだしココ行ってココ！』

「わかった」

「お前ら付き合ってたの！？」

「リア充...許すマジ...」

『上鳴くんに峰田くん！？付き合ってって私と轟くんが！？そんなことあるわけないじゃん！』

「オレが親父の代理で行くのに1人じゃ退屈しちまいそうだったから誘っただけだ」

「楽しそうに2人でパンフ見てキャッキャウフフしてどう見てもカップルだろーが！」

「そもそも貴重な招待状の同伴者を異性にする時点で裏心ありありだろ！これでデートして最後に告白みたいな！」

「誰がだ？」

『さあ？』

「クソー！爆豪に言いつけてやる！」

「リア充めーー」


なんでかっちゃん？
ご飯を置いて走って行ってしまった2人を見送り、パスタを食べ始める。


「なんだったんだろうな？」

『なんだったんだろうね...というか招待状ってそんな貴重なものだったの？私超場違いじゃない？大丈夫？』

「子どもも来てるし問題ねえだろ」

『なんかそれ違う気がするけどじゃあいっか』


轟くんのハンバーグ美味しそう...やっぱり私もハンバーグにすればよかったなあ...
こんな時かっちゃんにならちょっと分けてと言えるが轟くんには口が裂けても言えない。
我慢だ我慢...！


ご飯を食べ終え、何ヶ所か巡った後アイスを食べながら外を歩いているとヴィランアタック挑戦者募集中と書かれた大きな看板が目に入った。


『轟くんせっかくならアレやってみれば？良いタイム出せたら豪華景品だって！』

「お前はやんねえのか？」

『あんなみんな見てるようなとこ無理！死ぬ！轟くんすごいタイム出せそうだしやってみてよ！目指せ1位！』

「1位なれるかはわかんねーけどやってみるか」


早速案内されスタート位置についた轟くんを見守っていると、スタートの合図が出た途端にステージが凍っていき、現在トップに躍り出たとアナウンスが入った。
轟くんにおめでとうと言いに行こうとすると、どっからともなくかっちゃんが現れ、轟くんに突っかかり始めた。そしてまたまたどっからともなく飯田くん、切島くん、いずっくんが現れ、暴れるかっちゃんを止めている。


『かっちゃん何してんの！』

「ユウ！？なんでお前がここに！」

「オレが誘った」

「ああ゛？...オレからの誘いは断ったくせに半分ヤローの誘いは受けんのかよ」

『いやだって轟くんの方が早く誘ってくれたし、第一かっちゃんにはこの日暇か？しか言われてないんだけど！』

「どう考えても誘ってんだろーが！」

『いや誘ってないでしょ！？』

「おーい！ユウちゃーん！」

『あ！お茶子ちゃんにじろーちゃんに八百万さん！3人も来てたんだ！』

「雄英高って楽しそうね！私はメリッサ！ここのアカデミーの3年なの」

『わ、私は三条ユウです！』

外国金髪美人だ...！いいなー背高いなーかっこいいなー！

「可愛いお名前ね。今デクくん達を案内してるとこなんだけど一緒にどう？」

『ほんとですか...！ねえ轟く』

「行くぞチビ！」

『ちょっ！』

「おい、三条はオレが」

「待てって爆豪！」




「連れてかれちゃった。ユウさんってモテモテなのね」

「はは...そうですね」
(ユウちゃんと周りたかった...)






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