最終決戦偏
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『青山くんが内通者...』
「...てめェも元無個性だとは...世の中狭ぇな」
青山くんと両親が拘束され、みんなが動揺する中いずっくんが必死に青山くんを説得している。
いずっくんが見たことないくらい感情的になってる...
私は無個性が嫌だと思った事はなかった。周りと自分が違うのは当たり前で周りの方が私より優れているのが当たり前だったから。だから周りと違うのが嫌だから個性を欲するという気持ちが私には分からない。
周りと違うってそんなに嫌なのかな
「怒って当然だ。USJも神野もお前はかなり酷ェ目に遭ってるからな。言いてえこと全部言ってやれ」
『え?私別に怒ってないよ?』
「怒ってねーのかよ!じゃあなんでそんな難しい顔してンだよ」
『いや、周りと違うってそんなに嫌なのかなって。だって周りと違うのなんて当たり前じゃん。それを極めた人間が良くも悪くも名を残すんだし。だから青山くん、このままじゃオールフォーワンを手助けしたモブヴィランで終わっちゃうね』
「いや、そうなんだけど言い方!」
「三条めっちゃ怒ってんじゃねーか!」
「こえーよ!もっと手心ってものをだなあ!」
『だから寝返ってよ。そうすればオールフォーワンに叛逆した唯一の協力者とか勇気ある者とかかっこいい肩書きが付くし、後ろめたい気持ちもなくなってこれからは胸を張ってヒーローになるために頑張れるでしょ?』
「死にかけたってのにあめえなお前...オレもひでー目には遭ってからなァ...5発くらいハウザーぶちこんでトントンだな。ユウのこと考えりゃ10倍はぶちこみてえが殺すわけにはいかねえし5発で手を打つしかねえか」
『5発でも死ぬんじゃ...』
「つっこみ辛すぎるからやめろ...」
連れて行かれる青山くんを見送り、全員で寮へと戻る。
『明日からはもっと鍛錬頑張らないと』
「そうだな」
真横に座ってきたかっちゃんにまたドキドキし始めてしまい、ソファから立ち上がろうとすると腕を引かれ耳元に顔を寄せられる。
「逃げんじゃねえと言いてえとこだがお前のテンパってる可愛いトコ他の奴に見られんの癪だし見逃してやるよ。...後で部屋行ってもいいか?」
ボソッと最後に呟いた言葉はどこかかっちゃんも恥ずかしげで、私だけじゃないんだと少しほっとした。顔はめちゃくちゃ熱いし言葉にするのも恥ずかしくてこくんと小さく頷き、先にお風呂に入ってしまおうと私は風呂場へと向かった。
「あ!ユウちゃん!」
「既に顔赤いとかバクゴーと何かあったな〜?」
『透ちゃんに三奈ちゃん...』
「逃げちゃダメだかんね!」
「見るからに嫌そうな顔するなー!」
さっきまであんなに暗かったというかピリピリしてたのにめっちゃ嬉々としてる!
これはもう絶対根掘り葉掘り聞かれるなと心の中でため息をつき、お風呂へと入る。
「ねー!なにがあったの!」
『えっと...かっちゃんに耳元で喋られたから恥ずかしくなって...』
「それだけ!?キスされたとかじゃなくて?」
『キス!?そ、そそんなことしてないよ!』
「せっかく恋人になったんだからすればいいのに〜」
「ユウちゃんがしてくれたら爆豪くんきっとすっごく喜ぶよ!」
『無理無理!絶対ムリ!恥ずかしくて死んじゃう!』
告白された時を思い出して一気に体温が上がる。
また今度っていつだろう?もしかしてこの後とか...?
「ユウちゃん真っ赤だよ!?」
「あんなにくっついてたのにキスはダメなんだぁ〜?」
面白いものを見つけたといった様子で目を細める三奈ちゃんから思わず離れる。
「今まで一切意識してなかったのに、この変わりようはバクゴーめっちゃかっこいい告白したんじゃない〜?」
「ねえねえ!なんて告白されたのー!」
『へっ!?』
思い出して更にまた体が熱くなる。
確かにかっこよかったけど絶対言えない!!
「ちょっ三条!?」
「ユウちゃん大丈夫!?」
すっかり逆上せてしまい三奈ちゃんと透ちゃんに手助けされてクラクラふらふらしながら部屋に戻る。
ベッドに倒れ込み、目を閉じていると扉をノックをする音が聞こえた。
『かっちゃんかな...』
壁に手を付きながらゆっくり歩いて扉を開ける。
「寝てたのか?なんか顔赤えし、もしかして熱あんじゃ」
『だ、大丈夫!大丈夫!』
いきなり声を張ったのが良くなかったのかクラっとして前に倒れそうになったところをかっちゃんに抱きとめられる。
ち、近い!
ほのかに香る甘い匂いと背に回された手にまた体温が上がってしまう。
「おい!そんなに体調悪ィんならリカバリーガールのとこに」
『逆上せただけだから休めば治るよ...』
「逆上せた?ンだよ。じゃあ医者はいらねえな。ベッドまで歩けるか?」
『歩いてきたし大丈夫だと思う』
かっちゃんに肩を貸されてベッドに座ろうとすると寝とけと言われベッドに横たわる。私に布団を掛け、かっちゃんは奥の方へ歩いていった。
「そんなに長湯したんか」
『いや、長湯はしてないんだけど...ちょっと...ね?』
「どうせオレ絡みのことだろ。女ってそういうの好きだよな。まあ、こっちも似たようなもんか」
『恥ずかしくて死んじゃう...こっちもってどういうこと?』
「アホ面どもがうるせえンだよ」
『ああ...』
喋りながら水と濡らしたハンカチを持ってきてくれるかっちゃんを流石だなと思いながら眺めていると顔にタオルを当てられる。
「ハッ 最近見るお前、常に顔真っ赤だな」
『だって〜!』
「騒いでばっかいると治んねえぞ。脱水症状になると困るし水は頑張って飲め。一気じゃなくて少しずつな」
体を起こし、渡された水をちょっとずつ飲みながら横に座っているかっちゃんを盗み見ると、とても優しい顔をしていて目が合ってもないのに恥ずかしくなって思わず視線をコップの中へと逸らす。
かっちゃんってあんな顔するの!?恋人になったから?それとももしかして前からあんな顔で私のこと...
「おい大丈夫か?また顔赤くなってるぞ」
『だ、だ、大丈夫!』
「お前の大丈夫は信用できねえ。安静にすんのが一番だろうし今日はもう寝とけ」
私の顔にハンカチを押し付けて立ち上がるかっちゃんになんだか急に寂しくなってしまう。
『もう行っちゃうの...』
目を見開いて固まったかっちゃんに慌ててなんでもないと視線を逸らすと、ポンと頭に手を置かれ撫でられた。
「そんなん言われたら帰れねーだろーが」
『ごめん...?』
言葉と裏腹に嬉しそうなかっちゃんに何がなんだか分からず頭に疑問符が浮かぶ。
「お前と付き合えてスゲえ幸せだわ」
『〜〜!わ、私も...』
恥ずかしくてかなり小声になってしまったが、ちゃんと届いたらしく再び頭を撫でられる。
『そ、そういえばさ、部屋行ってもいいかってなんの用事だったの?』
「...ただ2人でいてえってだけじゃダメか?」
『えっ』
「他のヤツいるとうるせえし、お前は逃げるし...付き合ってりゃ口実がなくてもいいと思ってよ...」
そう言ってふいっと目を逸らすかっちゃんの頬は少し赤らんでいてキュンとしてしまう。
『ふふっ、口実なんて考えてたの?』
「付き合ってもねえのにホイホイ女の部屋に用もなしにいけっかよ」
『そんなの気にしなくてよかったのに。なんやかんや言ってかっちゃんはちゃんと私のこと女だって思ってたんだね』
「思ってるに決まってんだろバカ。お前はオレのことこれっっッぽっちも意識してねえし、どんだけオレが苦労させられたと思ってんだ」
『ご、ごめん』
「ま、今これでもかってくらい意識されてるから許してやるよ」
するっと頬を撫でられ、恥ずかしくて視線を逸らす。
『いじわる...』
「寝るまで手握っててやるから早く寝ろ。それとも添い寝してやろうか?」
『...じゃあ添い寝して』
「は!?」
カーッと顔が赤くなるかっちゃんに冗談だったと今更気付き、急いで誤魔化そうとするがそれより早くパサッと布団が捲られた。
「奥詰めろ。入れねえ」
『う、うん』
赤くなった顔で視線を逸らしているかっちゃんに言われるがまま、奥に詰めると中に入ってきた。思った以上に近い距離にドキドキしてしまう。
「これで満足か?」
『これで満足...』
かっちゃんの指に自分の指を絡めて握るとじわっと手が熱くなり、かっちゃんの顔がまた赤くなった。ギュッと握り返してきた手はとても熱くて少し汗ばんでいた。
ドキドキしすぎて寝れるか心配だったが、底知れぬ安心感にだんだんと眠くなり、いつの間にか眠ってしまった。