最終決戦偏
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「ユウちゃん、昨日爆豪くんと何かあった?」
『ふえ!?な、なな何もないよ!』
「 爆豪やけに上機嫌だし三条は挙動不審だし絶対何かあったよな」
「もしかして遂に!!」
「マジか遂に!!」
「おい爆豪が三条のとこ行ったぞ!」
「ユウ」
『えっ...あ』
「「「逃げられた!?」」」
「え?何どういうこと!?」
「付き合ったとかじゃなくてラッキースケベ的なことがあっただけ...?でユウとしては良くない事だったみたいな?」
「でも三条なんか顔赤くなかったか?」
「おい爆豪、ユウちゃんと何かあっ」
「アイツ...!」
「ちょっおい!爆豪!」
「ダメだ全然聞いてねえ...」
ダメだー!恥ずかしくて、かっちゃんの顔が見れない!
「おいユウ!待てやゴラァ!」
『ヒッ!』
追いかけて来るし怖いしどうしよう!
「何逃げてんだてめェ」
壁に追い詰められ、両サイドの壁に勢いよくかっちゃんの手が押し付けられる。
壁ドンってこんなに怖いものなの?全然ときめかないんだけど!?
「こっち見ろや」
「何やってんだ爆豪?」
『!』
「あっ待てゴラ!」
神の助け!!
かっちゃんが轟くんに気を取られている間に抜け出し、猛ダッシュで轟くんの後ろに隠れる。
「爆豪、脅迫は良くねえと思うぞ」
「脅迫じゃねえ!ソイツが逃げるから」
「なんかしたのか?ユウ」
『してない!してないから救けて轟くん!』
「よく分かんねえけど嫌がってるからやめてやれ爆豪」
「クソッ...なんでだよ...」
ボソッと何かつぶやき、歩いていったかっちゃんを見送り、ほっと胸を撫で下ろす。
「何があったんだユウ?」
『そ、それは...ごめん言えない!』
エレベーターに乗り、自分の部屋へ戻るなり盛大にため息をつく。
声掛けられてつい逃げちゃったし、会話もしてないし顔も見てないし、かっちゃんが怒るのも無理はないと思う。
でも恥ずかしくて見れない。どんな顔をすればいいか分からない。緊張して言葉が出てこない。
今までどうやってかっちゃんと喋ってたんだっけ...よく私あんなことできて...
『あーー恥ずかしい!』
ドアのノックが聞こえ、ビクッと体が跳ねる。
どうしよう!どうしよう!
「ユウちゃん?いる?」
予想に反して聞こえた可愛い声に安心し、ドアを開ける。
「ユウちゃん、昨日の夜爆豪くん部屋に来てたけど、そこで何かあったん?」
そうか昨日お茶子ちゃん廊下でかっちゃんと喋ってたし、来てたこと知ってるんだ
『そ、それは...』
「リビングにいた時はいつも通りだったし、部屋で告白でもされた」
『へ!?な、ななんでっ!』
「ほんとに!?返事は!?返事はどうしたん!?もしかして轟くんにも告白されたり!?」
『と、轟くんになんてされるわけないじゃん!お礼を言われただけだよ!』
「じゃあやっぱり爆豪くんやね!」
しまったーー墓穴を掘ってしまった!
これはもう流石に言い逃れできそうもない。キラキラした目で見てくるお茶子ちゃんに渋々口を開く。
『か、かっちゃんと付き合うことになりました...』
「やったー!おめでとうユウちゃん!」
なんでお茶子ちゃんがこんなに喜んでるんだろう...
「でもなんでギクシャクしてるん?ユウちゃん爆豪くんから逃げてたよね?」
『は、恥ずかしくて顔見れないし緊張して喋れないし、どうしたらいいか分からなくてそれで...』
(ピュアッピュアや〜!ユウちゃん可愛いすぎ!)
「そっかそっかぁ〜」
『え、なんでそんなほわほわしてるの?私、悩んでるんだけど!』
「ごめんごめんユウちゃんが可愛いくてつい
〜でも避けてちゃせっかく両思いになれたのに爆豪くんが可哀想だよ」
『うっ...で、でも』
「上手く喋れなくても爆豪くんはユウちゃんのこと嫌ったりしないし、多分傍にいてくれれば満足なんやと思うよ。ユウちゃんが恥ずかしがり屋さんなことは知ってるだろうし」
『うん...』
「他に人がいるともっと緊張しちゃうだろうし、まずは2人だけで会ってみたらどうかな?」
『やってみる...』
「じゃあ邪魔になっちゃうし私行くね!頑張れユウちゃん!」
仕方ない...勇気を出して連絡してみよう
お茶子ちゃんがいなくなり静かになった部屋で緊張しながらラインを起動させる。
な、なんて送ればいいんだろう!?
こんがらがった頭で必死に考えているとノックが聞こえ、急いでドアを開ける。
「ねえ!お茶子ちゃんなんて送れば...!」
見開かれた赤い目と視線が合い、サッと血の気が引く。
なんで私お茶子ちゃん一択だと思ったのーー
いやだってこんな短時間で他の人が来るなんて思わないっていうか呼ぶ前に来るなんて予想できるわけないじゃん!
自分で自分に訳の分からない言い訳をしながらサッと部屋の中へと戻る。
部屋に入り、ドアを閉めるかっちゃんに緊張しすぎて汗が出てきた。
どうしようどうしようどうしよう!
「お前、オレのこと好きなのか嫌いなのかどっちだよ」
『す、好きだよ...でも』
「やっぱり付き合うのは無理ってか?...こんなことなら言わなければよかった」
『待ってかっちゃん!違うの!』
出て行こうとするかっちゃんの手を慌てて引っ張る。
『恥ずかしくてかっちゃんの顔が見れなくて、何喋ればいいか分かんなくて、かっちゃんが近くに来るとドキドキしちゃってどうすればいいか分かんなくてっそれでっ』
「手離せ」
『ごめんなさい...』
嫌われてしまったかもしれない。かっちゃんの手を離し、俯いているとグイッといきなり顔を持ち上げられ、綺麗な赤い目に射抜かれる。
「ハッ 顔あちいしすげえ真っ赤」
『だ、だってっ』
「全くオレに照れたことなかったくせに、その変わりようは反則だろ。嫌われたんかと思ったわ」
『ごめんねっ私、付き合ったことないし、こんな風になるの初めてで今後もかっちゃんに嫌な思いさせちゃうかも』
「理由は分かったし嫌な思いなんてしてねえよ。むしろ逆だわ」
『逆?』
「好きなやつにこんな意識されて嬉しくねえわけねえだろ。可愛いすぎてマジやべえ」
『かわっ!?からかわないでよ!かっちゃんは余裕だろうけど私はもう限界なんだからっ』
「からかってねえ。それにオレだってずっと片思いしてたからお前より気持ち抑えたり隠すのに慣れてるってだけで余裕なんてねえよ」
かっちゃんに引き寄せられると私と同じくらい早く脈打つ心臓の音が聞こえた。
「つーかほんと好きすぎてやべえ...もう抑えらんねえかも」
ギュッと抱きしめられドキドキと更に鼓動が早くなる。
「ハッ、すっげえドキドキしてんなオレら」
『うん』
ドキドキして苦しいけど心地いいような不思議な感覚。これが恋なのかなんて思いながらぎこちなく彼の背に手を伸ばした。
恋は複雑だ