ゆーあーmyヒーロー
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教室に入ると謝ってくる人や怪我を心配してくれる人がいる一方、私を見ながらコソコソ話している人もいた。
「ねえ君達、言いたいことがあるなら直接言ったらどうだい?せっかく学校に来たのに、それじゃユウさんの気分が悪くなるだろ。ユウさん怪我はもういいのかい?」
『あ、えっとまだ少し痛いけど、歩けるようになったし、だいぶ良くなったよ』
「まだまだ無理は禁物だね。席も近いし、何かあったら言ってくれれば手伝うから遠慮なく言ってね」
『ありがとう...』
普段あまり話したことがないからびっくりした...
れいくんって本当に優しいんだな。
言った通り、れいくんはことある事に私を気遣ったり手助けをしてくれた。ここまで心配されたり、優しくされた経験がない私はドギマギしっぱなしだ。しかも顔がいい。これはモテるのも超納得である。
だけどあっちはなんでなんだろう?と幼なじみの方を見ると視線がバッチリかち合った。しかし、不機嫌そうな顔をしてすぐ反対側を向いてしまった。
確かに天才だし何でもできちゃうけど怒りっぽいし、常偉そうだし、物言いかなりキツいし、ノートとかでよくひっぱたくし...不思議だ。救けてくれるし優しいところもあるけど、比率がね...うん。
手を洗った際に絆創膏が取れてしまったので、貼り変えようと、絆創膏の入ったポーチを探すも見つからない。あれ?おかしいな。いつも置きっぱなしなのに。
ポーチはまあ別にいいが、ポーチについているオールマイトのキーホルダーはかっちゃんといずっくんとお揃いで買って貰ったものなのでなくなるととても悲しい。どこいっちゃったんだろう...
「ユウさん、確か家僕と同じ方角だったよね?途中まで一緒に帰らない?」
『えっと』
「いつも通りオレがユウと帰るからお前は、いつも通り女共と帰れ。行くぞユウ」
放課後、れいくんが一緒に帰らないかと誘ってくれたが、有り無し言わせず、かっちゃんが私のランドセルを持って出ていったので、一言謝ってかっちゃんを追い掛ける。
『れいくん心配して声掛けてくれたのに、言い方酷くない?しかもあの言い方、なんか私が女じゃないみたいじゃん』
「うるせえ文句言うな。女だっていうなら、もっと女らしくしろ」
『む〜どうせ私は女らしくないですよ!ランドセル返して!』
「ユウちゃん!かっちゃん!今から帰るの?帰るなら一緒に帰ろうよ!」
『いずっくん!うん!帰ろ帰ろ!』
「勝手に決めてんじゃねえ。誰がデクなんかと」
『前までずっと一緒に帰ってたじゃん。いずっくん、かっちゃんの言うことは無視していいから』
「なんだと!」
いつからか、かっちゃんはいずっくんに強く当たるようになった。やめろと言ってもやめてくれないし、本当に腹が立つ。いずっくんは何も悪くないのに!
どんどん先を歩いていくかっちゃんの後ろをいずっくんとゆっくり歩いていく。
『いずっくん、本当にごめんね。なんでああなのかなもう...』
「あはは...ユウちゃんすごい怪我してるけど大丈夫?痛くない?」
『まだ少し痛いけど大丈夫。走ったりはまだ無理だけどね。それより聞いてよいずっくん!かっちゃん酷いんだよ!女だっていうなら女らしくしろって!私をなんだと思ってるんだあの怒りん坊』
「かっちゃんそんなこと言ったんだ。それは酷いね...ユウちゃん 普通に可愛い女の子なのに」
『でしょ!?いや可愛くはないけどさ』
「僕は可愛いと思うけど。でもうーん...かっちゃんはユウちゃんのことすごい女の子扱いしてると思うけどなあ」
『えっめっちゃ叩かれたりするんだけど』
「はは...でも今だって、ユウちゃんが足痛くて大変だからランドセル持ってくれてるんじゃないかな?僕はもちろんだけど、他の友達が同じように怪我しても、かっちゃんはあんなことしないと思う」
『そうなのかな?』
「うん、きっとそう。かっちゃんはユウちゃんのことちゃんと女の子だって思ってるよ。だってユウちゃんにはすごい優しいもん!じゃあ僕こっちだからバイバイユウちゃん!怪我お大事にね!」
『ありがとう!いずっくんバイバイ!』
全然そう思ったことないけど、確かにランドセルは持ってくれてるな(強奪されたに近いけど)早く歩こうとすると痛いので遠くを歩くかっちゃんの背中をゆっくり追い掛ける。少し歩くと、かっちゃんはこちらに振り向き立ち止まった。
待っててくれてるのかな?急ごうと足を踏み出すが、痛みが走り立ち止まってしまう。
怪我してたんだった...馬鹿だー私...
「お前、何やってんだよ」
駆け寄って来た彼は呆れた顔をしつつも心配してくれているみたいだ。
『急がなきゃって走ろうとしたんだけど、怪我してたの忘れてた』
「馬鹿だなお前。歩けるか?」
『うん!全然大丈夫!』
「はあ...全然ではないだろ。辛かったら言えよ」
そう言ってゆっくり歩いてくれる彼はやっぱり優しいのかもしれない。
『かっちゃんいつもありがとう』
「なんだよ急に気持ち悪い」
『うわ酷っ!...あ!かっちゃん今日って家寄れる?』
「別に遊ぶ約束してねえし、いいけどまた授業でわかんねえとこでもあったのか?」
『お母さんが勝己君がよければ一緒におやつに食べてってケーキ買ってくれたの』
「お前、それ朝聞かなきゃダメなやつだろ。オレが遊ぶ約束してたらアウトだったぞ」
『ごめん忘れてた』