『ん...』


目を開けると見知らぬ天井が広がっていた。


「やっと気が付いたかい。全くあんたにはいつもヒヤヒヤさせられるよ」

『リカバリーガール...ってことはここ日本なんですか？』

「いや緊急だって呼ばれて慌てて来たさね。そしたらまたお前さんは死にそうなってるし、他の子達も酷い怪我で」

『！かっちゃんは！？みんなは無事！？ていうか爆弾は！？』

「落ち着きな。あんた以外は昨日目覚めてるし、爆弾はロディって子が止めた」

『ロディ！？じゃああの後ロディも』


シャっとカーテンの開く音が聞こえ、顔を上げると病院服を着たかっちゃんが眉間に皺を寄せて入ってきた。

ヤバい！怒ってる！


「オレの身代わりなんてあんなこと二度とすんじゃねえ！」

『ごめんなさい...私、弱いからああするしか方法がなかったの...何としても隙を作らなきゃって...攻撃できる隙を作れれば、かっちゃんなら勝ってくれるって思ったから...足引っ張ってごめん、私ちゃんと役に立てるように、頑張って強くなるから...だから見限らないで...』

「は？...はぁ...お前なあ。オレがお前のこと見限るわけねーだろ。てかお前はよくやった。前とは比べ物になんねーくらい成長してた。
足りなかったのはオレだ。お前を活かした戦略を考えるべきだったのに、オレ一人でどうにかしようとした。でも出来なかった。お前をやられたうえ、攻撃する余裕もなかった。オレの失態だ。同じ轍は踏まねえ。基礎能力の向上と連携の強化してくぞ」

『うん！』

「あとお前はとにかく自分を犠牲にするって選択肢をなくせ。お前が犠牲になって勝ったってそれは勝ちじゃねえ負けなんだよ。そこんとこオレのサイドキックになんなら、ちゃんと肝に銘じとけ」

『わかった。いつもごめん...かっちゃん、怪我は大丈夫なの？目とか内臓とか』

「大丈夫だ。お前は？腕と足、後遺症とかねえだろうな？」

『た、多分』

「多分って何だおい！」


起きたばっかで分からない！助けを求めてリカバリーガールを見ると、ないと返事が返ってきて胸を撫で下ろす。


「爆豪、毎回毎回心配なのは分かるが、もう少し静かにおし。三条も目覚めたし、お前さんの方が重症なんだから安静にしてな」

「チッ！...おいユウ。他のヤツらも心配してる｡来れそうなら後で来い」

『！...うん！行く！』


リカバリーガールに治癒してもらい、眠った後だいぶ回復した私は4人の病室にお邪魔する事にした。


「ユウちゃん！無事でよかった！」

「全然起きねえっていうから心配したぞ」

『ごめんごめん！怪我的にはかっちゃんの方が重症らしいし、個性の影響で起きなくなっちゃうみたい。だから怪我もだいぶ治ったし大したことないよ』

「それならいいが...」

「ユウちゃん、ロディが無事で良かったって」

『そうロディ！大活躍だったんでしょ！すごいよ！みんなのヒーローだ！...ああ！ピノも怪我してる！こんな可愛い子を攻撃するなんて許すまじヒューマライズ』


通訳してくれているのかいずっくんがロディに何か話し始めた。
相変わらず人懐っこいし表情豊かで可愛いな〜
ピノを撫でたりつついて遊んでいると突然ピノが赤くなった。


『ピノ！どうしようロディ熱かな！？』


慌ててロディの方を見るとロディも同じように赤くなっていた。


『ロディも熱！？ど、どうしよういずっくん！』

「あー...多分照れてるだけだから大丈夫だと...」

『なんで？』

「ユウちゃんが褒めたから...かな？」

『そっかぁ〜私と一緒で意外とロディも照れ屋さんなんだ。何でもできそうだし褒められ慣れてそうなのに』

「「兄ちゃん！」」

『ん？』

「ロロ！ララ！」

「ユウちゃん、その2人はロディの兄弟のロロくんとララちゃんだよ」

『兄弟か〜確かに似てる』

「お兄ちゃん、この女の人は？」

「デク達と同級生で同じくヒーローのユウだ」

「小さくて可愛いのにヒーローなんだ！すごい！」

『なんかキラキラした目で見られてる？』

「小さくて可愛いのにヒーローなんだすごいってさ」

『ぜ、全然可愛くないし、へなちょこだからすごくないよ！』

「今度はユウちゃんが赤く...」

「？三条お前はすごい奴だぞ」

『轟くんまでやめてー！』

「チッ このヘボメンタルが」

『ありがとうかっちゃん』

「ユウちゃん！？全然お礼言うとこじゃないよ！？」

「ハハッ なんかユウがいると賑やかだな」

「ユウちゃんはいつも明るくしてくれるっていうか和ましてくれる子だから」

「世話がやけんだよこのチビ」

「トラブルメーカーってやつじゃねえか？」

「なんやかんや言って楽しそうだし好きだったりすんだろ？誰かユウと付き合ってたり？」

「な、ないないない！はず...だよね？」

「オレは付き合ってねえぞ？」

「付き合ってるわけねーだろーが！」

(ユウの話題出すとすげえ睨んでくるし、バクゴーは確実に好きだよな。ショートは分かんねえがデクは好きぽいけど...ただ女慣れしてないだけ...か？)

「誰とも付き合ってないならお兄ちゃん付き合っちゃえば？」

「な、何言い出すんだララ！？」(バクゴーに殺される！)

「あァ！？」

「そ、そうだよ！ユウちゃんは日本に帰るんだから！」

「ユウがいいなら別にいいんじゃねえか？」

「ダメに決まってんだろーが！クソ舐めプ！」


なんかすごい騒がしいけどなんの会話してるんだろ...気になるけど分かんない...


その後騒ぎすぎて看護師さんに怒られました。






なんで私まで！