映画 ワールドヒーローズミッション
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『うわっすごい数...どこから調べれば...』
SDカードを差し込んだPCには膨大な数のファイルが表示されている。
「どけバカ!タイムスタンプの最新...この動画ファイルだ」
かっちゃんがファイルをクリックすると音声データが再生された。
音声データにはヒューマライズに拉致された科学者達が家族を人質に取られ、個性因子誘発爆弾作成を強要されたこと、最初のテロは優秀なヒーローを集めるための布石であり、ヒーロー達を根絶やしにし、社会の混乱に乗じて個性能力者を絶滅させることがフレクトターンの真の目的である事、そして拉致された科学者の1人が命にかえて作ってくれた爆弾の解除キーで世界を救って欲しいというメッセージが残されていた。
家族を人質になんて許せない...!
ギュッと拳を握り閉めていると、突如女の人の悲鳴が上がった。周りを見ると人々が慌てた様子で逃げていく。静かになった部屋にはヒューマライズが世界各地に爆弾を設置。2時間後にそれを爆発するという犯行予告があり、ヒーロー達が避難誘導、爆弾回収作業にあたっているとニュースが伝えている。
「嘘だろ...オセオンの被害地域...オレん家も入ってやがる...!!」
「そんな...!」
「統括本部にこの情報を送ってヒーローチームの撤収を...」
「するわけねーだろ」
「ヒーローはトリガーボムを探し続ける。たとえ爆弾の標的が自分たちだったとしても、罠だと分かっていても...救いを求めている人たちがいる限り、その人たちを置いて逃げるなんて事...ヒーローなら絶対にしない...そこまで考えての作戦なんだ」
『酷い...家族を人質に取ったりやり方があまりに卑劣すぎる!』
「...だったらその解除キーでトリガーボムを止めるまでだ」
『そうだよ!早くしないと!』
「でもどうやって...」
「どけ!答えはこん中にあるに決まってんだろーが!」
かっちゃんがパソコンのファイルを調べ始める。
『確かにこれだけファイルがあればなにかヒントくらい』
「鍵を作っておいてドアの位置を報せないアホがいるか!犯行声明にないポイント...ここがクソどもの本拠地...!」
『はやっ!?流石かっちゃん!』
「かっちゃん、トリガーボムの制御システムは?」
「やっとるわクソナード!」
『1番奥の地下...!』
「場所は分かったがここから直線距離で40キロ以上ある...」
『そんな...』
「間に合う」
「「「!」」」
「オレに考えがある」
『ロディすごいね!まさか飛行機操縦できるなんて!』
「はしゃいでねえでとっとと着替えろや!」
『ごめんごめん!』
小型飛行機の機内は隔てるようなものは何もなく、しかもあまり広くない。その中で反対方向を向いているといっても、男女が同じ空間で着替えるというこの状況に少しは抵抗を持てと頭を抱えたくなる。
一人は操縦中にしても、上がり過ぎて、見てもいないのに赤くなって、動きがぎこちない事になってるクソナードと何考えてるかよく分からないが、少なからず好意を持っているであろう半分ヤロー、そして密かにずっと思いを寄せているオレ。しかも全員思春期真っ盛りである。マジでどういう神経しとんだクソ女!
例のオセオンのコスチュームといい本当に勘弁して欲しい。
『よし!着替え終わった!』
「オレらも終わった。作戦会議すっぞ」
『うん!』
雨が降り始める中、ヒューマライズの基地付近までやってきた。
「あれが本拠地か」
『えらく目立つように作ってあんじゃん。なんかムカつく』
「着陸するから待ってろ」
「ロディはこのまま引き返して」
「なんでだよ!?」
「パンピーは大人しくしてろ」
『言い方...ロディ!ここまでありがとう!ほんと助かった!あ...えっと...ベリーサンキューロディ!』
「ここから先は」
「「「『ヒーローの仕事だ!』」」」
『かっこつけたは良いけど死ぬからお願いかっちゃん』
「台無しだなおい。多分降りてすぐ攻撃される。しっかり掴まっとけ」
飛行機から飛び降りると予想通り銃で攻撃される。
「ザコどもは引っ込んでろ!」
『個性持ちの団員もいる。行くね、かっちゃん!』
空間操作で敵と入れ替わったユウが、辺りにいた奴らを尻尾でなぎ倒し、すかさず狐火で攻撃する。
ユウ一人でなんとかなりそうだな。陸はあいつに任せてオレは空から
「ah〜〜!!」
「ぐっ!音波か...」
『かっちゃん!』
音波を放つ敵にユウの狐火が当たり、音が止んだ隙に爆破を撃ち込む。
「かっちゃん!ユウちゃん!」
「わーってらァァ!」『2人とも頼んだよ!』
「三条、爆豪ここは任せた!」
『任された!』「指図すんじゃねえ!」
作戦通り、デクと轟が中へと侵入していった。
あとはオレとユウでここの奴らを倒す。
「一気にいく!火寄越せ!」
『了解!』
狐火にめがけて爆破を撃ち込むと大爆発が起き、一気に敵の数が減った。
前に比べてかなり威力が上がってやがる。
未来のサイドキックの成長に自然と口角が上がる。残された敵も危なげなくすぐに全て倒し終わった。
「へっ!ザコばっかかよ」
『ふう...なんとか終わったし、早くいずっくん達に加勢しよう』
「行くぞ。...!危ねえ!」
突如鞭のように連なった刃が襲いかかってきた。すんでのところで、ユウを引き寄せ攻撃を避ける。
『ごめん、ありがとうかっちゃん』
「油断すんな。アイツ他の団員とは訳がちげえ。ヴィランだ」
『ヴィラン...!』
「何でクソヴィランがヒューマライズに加担してんだ、あ!?」
「我々はヒューマライズに選ばれし者...彼らに協力し我々は新たな世界を生きる」
「チッ 自分だけ助かろうって腹か?このクソヴィランが。いくぞユウ」
『うん!』
「死ねええ!!」
大量に爆破を撃ち込むが全て攻撃を避けられてしまう。
速ェ!
向かってきた刃を避けるも機動性が高く、しつこく追いかけてくる。
『っあ!』
「ユウ!」
刃がユウの肩を貫き、ユウの白いコスチュームが赤く染まる。
「!」
しまっ...
迫り来る刃を捉えた時には既に遅く、目の前が赤くなった。