映画 ワールドヒーローズミッション
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わあ...なんかすごい大人っぽい!?
かっちゃんが買ってきてくれた服は、いつも着ている服とは全然違うタイプのものだった。オシャレだけど似合わなそうと不安に思いながら着替えを始める。
思ってたよりはマシか...?多分似合ってはないが...
大人っぽいデザインのロングスカートにコート、苦戦しながらオレンジ色のイヤリングを付けて、二人の元へ戻る。
「思ってたよりマシだな」
『私も全く同じ感想だったよ...というかその口ぶりだと似合わないって分かってて買ってきたな?しれっと二人とも似合う服着てるし私にだけ酷くない!?』
「しょーがねーだろ。お前のガキさ加減をちょっとでもマシにしねえといけねえんだから」
『かっちゃんだってガキのくせに』
「うっせえチビ」
「服装違うだけで全然雰囲気変わるもんなんだな。喋ってなけりゃ、いつもより大人っぽく見える」
『喋ってなけりゃ...』
「クレイドっつったって、何処にいるか分かんねえんだろ?」
「ああ。まだ向かってる最中かもしんねえしな」
『それは探すの大変だあ...でも何としても警察より早く見つけないと。
はあ...なんでいずっくんみたいな見るからに優しそうな子が大量殺人犯に...目で人殺せそうなかっちゃんは、誤解されなくもなさそうだけど』
「喧嘩売ってんのかてめェ!」
『痛!』
だってほんとのことだもんと思いながら叩かれた頭をさする。
帽子被ってるのに、この威力とか本当に容赦ないな!
「大丈夫か三条?例の泥棒の持ってたケースを取り違えたらしい」
「あ?ケースを取り違えただぁ?」
「ああ。ヴィランが奪った宝石が入ったケース...そのケースを緑谷は途中で取り違えたらしい。今、緑谷が持ってるケースの元の持ち主は、ヒューマライズの団員だ...」
「警察がクソデクを追いかけ回してるのもそのせいか?」
「おそらくな。そのケース、かなり重要なモノなんだろ。そうじゃなきゃここまで大規模に警察は動かねえ」
『それって...』
「ああ。警察の中にも団員がいるな」
「どこにヒューマライズの目が光っているか分からない。慎重に行動するぞ」
『うん...!』
「命令すんな。クレイドに着くまで、夜は交代で見張りした方がいいな」
『寝ないように頑張んなきゃ!』
「お前はいい。夜はオレとこいつでやる。それでいいな?」
「ああ。三条が寝不足で個性使えねえようじゃ困るしな」
『ごめん、ありがとう』
いざって時に個性使えなきゃ足でまといだし、しっかり体力回復させないと!
特に何もなく、夜を過ごし電車はクレイドに向けて進んでいく。夜二人に任せてしまった分今日は頑張ろうと外を見張っていると遠くで何かが崩れる音が聞こえ、爆発したような煙が見えた。
『この先でなにか爆煙みたいなのが見える!』
「動き出したな。オレは上を行く。轟、バカのフォロー頼んだ」
「分かった。行くぞ三条!」
『わわわわわっ!』
崖を滑るように凍らせながら進んでいく轟くんに、いつの日かと同じくお姫様抱っこをされながら、恥ずかしいやら怖いやらで軽くパニック状態だ。
「三条、今の見えたか?」
閉じていた目を開くと、視界に見覚えのある黒い線のようなものが映り込む。
『今のって黒鞭!?じゃあここにいずっくんが』
辺りを見渡すと今にも落ちそうになりながら、崖に掴まっている男の子と襲いかかろうとするヴィランが見えた。
『轟くん!あとは任せた!』
少し遠い...でも!
パッと視界が変わり、目の前に崖とヴィランが見えた。
あとはこのヴィランと入れ替われば!
『あっ!』
掴まっていた崖が崩れ体が落ちていく。
全身に感じる浮遊感に命の危機を感じた時、氷に体を掬われ崖上に運ばれた。
「お前はいつも危なっかしすぎる!」
『すいません...』
「轟くん!ユウちゃん!」
『いずっくん!無事で良かった!』
「保須の時といいお前の通信は分かりにくい」
『轟くん!後ろ!』
「どこ見てんだぁ!?」
ヘリコプターから弓のような個性で攻撃してきたヴィランをかっちゃんが空中から攻撃する。
1人は轟くんが凍らせたし、あとはかっちゃんがあのヴィランを捕まえてくれれば...!
「た、助けてくれ!なんでもする」
轟くんに氷漬けにされた男の子を攻撃しようとしていたヴィランが助けを求めてきた。
「なら訊きてえことに答えてもらう」
「わかった...」
「裏切り者め!!」
『!!』
弓のヴィランからの攻撃で氷結が砕け、氷漬けにされたヴィランは崖下へと落ちていった。
「くそっ!爆豪!確保しろ!」
「命令すんじゃねえ!」
放たれる矢を避け、かっちゃんがヘリコプターに向かう。
「大人しく捕まれや!......?」
『...!』
弓のヴィランが自ら飛び降り崖下へと落ちていく。衝撃的な光景にみんな固まっていたが、我に返り、いずっくんが座り込んでいる男の子の元へ走る。
「ロディ大丈夫!?」
「ああなんとか...ケースは!?」
「緑谷、これだろ?」
「ありがとう轟くん。でもどうやって?」
「三条が列車から爆発が見えたって言うからもしやと思って来た。...そいつが電話で言ってた」
「うん。僕と一緒に犯罪者にされたロディっていうんだ」
「さっきはありがとう。デク、あの子は?」
「ユウちゃんのこと?」
『かっちゃん!帽子飛んでっちゃったし、イヤリングどっかいっちゃった!』
「あ!?いいわそんなもんほっとけ!」
『えー結構気に入ってたのに...』
しょんぼりした様子のユウちゃんがこっちに歩いてきた。
『あれ?あーー!君、ハンカチくれた子じゃん!』
「え?ロディとユウちゃん知り合い!?」
「街でコケてたからちょっと手を貸したってだけだけどな」
『あの時はありがとう!ハンカチはちょっとまだ洗えてないから、変わりにこれで許してくれる?』
「なんだこのハンカチ?ひよこ?」
「PI?」
『うわあ...!可愛い!!これ君のペット?』
「すげえピノに食いついてる...あの子なんて言ってんだ?」
「ピノはロディのペットか?って。さっきはあの時はありがとう。ハンカチはまだ洗えてないから代わりにって言ってた」
「なるほどそういう...変わった柄のハンカチだなコレ...」
「ユウちゃんは英語が苦手だから、なにか伝えたい事とかあったら僕に言って」
『可愛い!!いいな〜うちにも欲しい!この子名前はなんていうの?』
「この鳥のどこが可愛いんだよ」
『ちょー可愛いじゃん!撫でさせてくれるし、わー!なんかちょっともちもちしてる!可愛い!』
(ロディもピノも照れてる...ピノの感情もロディに影響したりするのかな?)
「三条、日本語で喋ってもロディには伝わんねえぞ」
『そ、そっか!えーと...ディスイズネーム?』
「「ブフッ」」「何言ってんだこのバカ!帰ったらまた英語の勉強するぞ」
『ひいっ』
「ふふっ...今言ってたのは」
「あ〜なんとなく分かった。そいつの名前はピノだ」
ピノを指差し、ゆっくりピノと復唱するロディに、ユウちゃんが目をキラキラさせてピノに話しかける。
『君ピノって言うの?』
「PI!」
『すごい!やった!ちゃんと英語伝わったよかっちゃん!』
「あんなクソ英語で伝わる方がおかしいわ!んなことよりケースだ!ヒューマライズ絡みなんだろ!?」
「え?ヒューマライズ絡み?」
「ああ。だからオレたちはここに来た。有力な情報が手に入る可能性があると踏んで...」
轟くんが持ち上げたケースの底の一部が取れかかっており、その中に仕掛けらしきものが見える。
「これって...」
「どうした緑谷?」
急いでケースの底を調べると立体パズルのようなものが中から出てきた。
「ん〜何がどうやって...」
「こうじゃないのか?」
「それだと元に戻って...」
「難しいな」
「ん〜違うなあ...」
『全然わからん...』
この中に重要なヒントが隠されている筈だと、全員で頭をひねるがパズルは難しく、なかなか進まない。
「貸せ!こんなのオレの爆破でぶっ壊してやんよ!」
『どー考えても爆破しちゃダメでしょ!バカなのかっちゃん!』
「バカはてめーだろ!ああ!?」
「あの二人は仲悪いのか?」
「悪くないよ全然!悪いようにしか見えないかもだけど...」
苦笑しながら再びパズルを弄り始めると、じーっとパズルを見ていたロディがハッとした顔をした。
「デク、ちょっと貸してくれないか」
パズルを貸すと慣れた手つきでロディはパズルを動かし始めた。
「わかるのか」
「似たようなパズルをガキの頃にやったことがある...ええと...こうなって...よし!これで」
『すごい!もう解けた!』
パズルの中に入っていたものは、鍵とSDカードだった。
「なんだろう?」
「こっちは情報チップか...よし、麓に街があったはずだ。そこで調べてみよう」
『ロディ、どうかした?じゃなくて...ワット?』
「なんでもない。行こうぜ」
『No。Goって事は通じたってことだよね!ほんとに単語でどうにかなるんだ!』
「ロディの頭がいいだけじゃねえか?」
『たしかに...』
英語って難しい