映画 ワールドヒーローズミッション
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「馬鹿者!今は重要任務中だぞ!それ以外の事件は地元のヒーローに任せておけばいい!」
「困ってる人を救けるのがヒーローだろ」
「仕事に大小つけんのかよ。インターンで、んなこと習ってねえんだよ」
(かっちゃん〜!間違ってはないけど言い方!)
管轄外であるこの国で先程の宝石強盗事件に首を突っ込んだことをエンデヴァーさんから絶賛お叱りを受けているのだが、二人は何処吹く風、エンデヴァーさんの機嫌はどんどん悪くなり、恐ろしい空気が流れている。
こんな時いずっくんがいてくれたら...
「反省せんか!...それでデクはどうしてる?」
『宝石強盗の仲間を追ってるみたいなんですけど、電話に出なくて、行方知らずというかなんというか...』
「たるんどる!インターン中だからと連れてくるのではなかった!」
ああもう早くこの場から消えたい!この二人の自由さが羨ましい!
『ん?誰か電話鳴ってる?』
「緑谷からだ。緑谷、犯人とケースは...」
〈警察にいきなり襲われた!〉
「!?お前、何をやった?」
〈分からないんだ!事情も話さずに、いきなり僕らを撃ってきて、慌てて逃げたら、今度はヴィランみたいな奴に攻撃を受けて!〉
「落ち着け、起きたことを順番に話せ」
「エンデヴァー大変よ!デクが...」
物凄く慌てているAチームの女の人に会議室に連れて行かれるとなんとTVのモニターに緊急ニュースとして、いずっくんの写真が大きく映し出されていた。
『えっ!何なんで!?』
[...情報提供を呼びかけています。警察の発表によると、死者12名を出した殺人事件の犯人は、日本から来たヒーロー、デク。本名イズク・ミドリヤと断定。全国に指名手配しました。なお、容疑者には共犯者が1名いるとの情報もあり...]
思わず全員で呆然としてしまったが、ハッとしたように轟くんが電話を再度持ち上げた。
「緑谷、本当に何やった?」
〈何もしてないってば!〉
『ちょちょちょっと!いずっくん、大量殺人犯になってるよ!?え!何なんで!?』
〈大量殺人!?なんのこと!?〉
「お前、大量殺人犯として指名手配されたぞ」
〈し、指名手配ってどういうこと......?〉
「それについてはこっちでも調べる。すぐにその場から離れろ。GPSで追跡される。スマホの電源を切ったらバッテリーを抜くのも忘れんな」
『本当にどうなってるの!?いずっくんは無事!?』
「ギャーギャー騒ぐなバカ女!」
「今のとこは無事だ。何も話さず突然警察が襲ってきたらしい。その後、ヴィランらしき奴にも襲われたって」
『それ数分後には無事じゃなくなってる可能性大じゃない!?早く助けに行かないと!』
「落ち着けフォックス!オレが警察に抗議してくる。オレが戻ってくるまでお前らはここで待機していろ!」
エンデヴァーさんが戻ってくるまで、待機になったが、とても平常心ではいられず、ハラハラしながら廊下を行ったり来たりしていると、落ち着けとかっちゃんに怒られ足を止める。
『どうしよう!襲ってきたって、生死は問わないってことだよね!?このままじゃ濡れ衣着せられて殺されちゃうかも...』
「落ち着け!あいつはそう簡単にやられたりしねえし、上手く切り抜けてんだろ」
『そ、そうだよね...』
「お前怪我の手当てなんもしてねえだろ。見せろ」
『いいよ別に!』
「それはオレが見て判断する。何処か怪我してりゃ万全の時より、パフォーマンスは落ちる。治せるもんは早く治せ」
怪我は膝を若干擦りむいたのと、腕にそこそこな傷ができていた。
「結構血出てんじゃねーか!早く洗って消毒しろ!」
『げ、こんな重症だったの!?ああ!ハンカチがホラーなことに...』
自分の腕とともに巻いてもらったハンカチを洗うが、可愛い花の刺繍が入ったハンカチは、なかなか元の色に戻ってくれない。
『洗濯しないと無理だなコレ...』
「どうせもう会うこともねえだろうし、そんなもん捨てちまえ」
『そんな!捨てるなんてハンカチが可哀想だよ!もしかしたらくれた人のお気に入りだったのかもしれないのに。それに奇跡的に再会するかもしれないし!』
「そんな血みどろになったハンカチ返されたって嫌だろ普通に」
『い、いらないって言われたら私が使うよ!代わりにこの前コンビニで買ったひよこのタオルを...ああ限定だったのに...』
「誰がいるか!あんな可愛くねえひよこのハンカチ!」
その後かっちゃんに手当てして貰い、元いた部屋に戻ろうとすると、かっちゃんともども轟くんに連行された。
「クソデク絡みだな?」
『なにか分かったの!?』
「ああ。後で話す。まずあの見張りを巻くぞ」
「命令すんじゃねェ」
できるだけ違和感なく、自然にまかなくちゃ...
『買い物行くの楽しみ〜!待ちきれないし早く行こ!』
浮かれた感じを装いつつ、二人の手を掴み街の方へ走る。
『で、どうする!?』
「三文芝居もいいとこだが、お前にしちゃよく考えたじゃねーか」
「コスチュームじゃ目立ちすぎるし、服買った方がいいな」
『服屋ってどっち!?』
「3人だと目立つし、オレが買ってくる。お前らは追手を巻きつつ、駅に行け。オレも後で追いつく。ユウはこの後、オレに変身して行動しろ」
『分かった!』
かっちゃんに変身して轟くんと駅の方へ向かう。
「駅に行く前に巻かねえとな」
『ああ。オレが空間操作であいつらを撹乱させるからお前は隠れとけ』
「お、おう」(相変わらず爆豪のクオリティたけえな)
わざと目立つとこを歩きつつ、入れ替われそうな物を探す。
あの大きな壺ならいけるかも!
『ユウと轟との待ち合わせ場所はここだな』
聞こえるかは分からないが、言っておけば撹乱になるかもしれない。
壺が目に入る近場のお店に入り壺と入れ替わる。
追っ手は先程入ったお店を警戒して見ている。
スマホで上手くいったと轟くんにメッセージを送り、轟くんがいる場所に向かう。
駅の方面にある大きな時計台に来いというメッセージを頼りに時計台に行くと、轟くんにこっちだと腕を引かれる。
制限時間が過ぎ、変身が解けた。
「戻ったな」
『時間切れになっちゃった。まあでも多分巻けたし大丈夫だよね!』
その後無事に駅まで辿り着き、かっちゃんと再会することができた。
「お前は目立つからこれかぶれ」
再会して早々、手際よく髪を束ねられ、それを帽子に仕舞うようにしてキャスケットを被せられる。
『轟くんの方が目立つのでは?』
「ここではチビの黒髪の方が目立つ。顔見えねえように帽子も深く被っとけ」
『そ、そうなの?分かった』
「緑谷は隣国のクレイドにいるはずだ」
『そのクレイドに行ける電車ってあるの?』
「あの路線ならいけそうだな。着替えは電車のトイレでだな。あいつらに追いつかれる前にとっとと乗っちまうぞ」
こうして3人の旅は始まった