冬休みインターン編
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「黒鞭おめでとう」
「ありがとうございます」
「爆豪少年も君どこまで昇りつめるの!?って具合だ...!」
「んだそりゃ!!」
「三条少女も見る度に新技が増えててどうなってるの!?って感じだ」
『あはは...そのノートにワン・フォー・オールの歴代継承者のことが書いてあるんですね。見てもいいですか?』
「ああ。結局全てはわからなかった。だが進めねばならない。次のステップへ。ワン・フォー・オール歴代継承者の詳細を可能な範囲で纏めておいた。残念ながら2、3代目に関しては手掛かりも見つからなかった。記録から探るのは不可能だった」
「どーでもいーから話ィ進めろ。オレの貴重な時間をあんたらに割きたかねーんだよ 。こいつに教えることが山ほどあるし、オレら二人とも時間が惜しいんだ、話すなら早くしろや」
『かっちゃん上からすぎ!』
何事も無かったかのように、私が見ていたノートをパラパラと捲り始めたかっちゃんに、何を言っても無駄かとため息をつく。
「こいつもそーだが、どれも特に強ェ個性ってわけじゃねェんだな。聞いたこともねェ奴ばっかだしよォ」
「そうなの?」
「え...めちゃくちゃ凄い個性だらけじゃない...!?」
「てめーは個性なら何でも凄ェんだろがザコ価値観が!」
「それ色んな方面にひどいよ...」
「爆豪少年の言う事も間違いじゃない。彼らは‘’選ばれし者‘’じゃない。繰り返される戦いの中でただ託された者であり、託した者だった」
『だからみんな早死なんですね』
「...」
「そー...だね」
個性が体に合っていないからなのか、継がれていく個性は元々そういう宿命にあるのか...善、希望の光のような個性であるワン・フォー・オールでもそうなら、呪い、恨みからきているこの個性がもたらす死からは、きっとどう足掻いても逃げられない。
...もう後悔なくなんて無理だけど、周りの人達に迷惑は掛けずに死なないとな...
「で!?次はクソナードに何習得さすんだ」
「円滑...」
「てめーらがすぐ横道逸れンだろ」
「浮遊。お師匠の個性だ」
「勝った!!オレァ爆破で浮ける!!てめーはオレが既に可能なことに時間を費やす!その間インターンでオレァ更に磨きをかける。つまりてめーより先にいる!Q・E・D・!!」
突然どうしたかっちゃん!?テンションがなんかバグってないかコレ...
「えっ それはまずい。すぐ習得して追いつくよ」
「どーせまたパニクって暴発して死ぬ!!」
「いや黒鞭で要領は把握してるわ「死ぬ!!」
『かっちゃん...』
「揺るぎない.....!」
『あそこまで煽らずとも...』
「別に煽ってねえ!事実を言ったまでだ!」
『はいはい、浮遊できてすごいですね勝己さんは』
「.......殺させねえ。お前を早死なんて絶対させねえ!オレが絶対救ける!だからそんなツラすんな」
『!...ありがとう。...でも一つ約束して欲しいんだ』
「なんだよ」
『もし私が死んでも自分を責めたりしないで。絶対幸せになるって約束して』
「は...」
『お母さんが突然死ぬって誰も予期出来なかったみたいに、オールマイトが全部を救えないように、死んだ人を生き返らせることができないように、どう頑張って、ベストを尽くしてもできないことってどうしてもあるんだよ。だからお願い約束して。私、かっちゃんの重荷になりたくない』
「.....分かった。そんなのお前の呪いをとっとと解いちまえば関係ねえ話だしな。
どうしたってできないことがある。それは間違ってねえと思うぜ。でもな、奇跡ってものがあるってことも頭に入れとけ。結局どうなるかなんて今から考えてたって分かんねえんだよ。
だからお前も約束しろ。生きることを諦めるな。どんなに惨めでも、辛くても、死にたくなっても生きろ。時間はかかっちまうかもしんねえけど、オレがお前を絶対に救けてやる。だから諦めんな」
『うん、約束する。私だって少しでも長く生きていたいって今はちゃんと思ってる。生きてさえいれば奇跡も起きるかもしれないし!』
「奇跡なんて待ってなくても、先にオレがどうにかしたるわ」
『ふふっ 頼もしいねえかっちゃんは』
約束なんて呪いを解いちまえば関係ない。でもワン・フォー・オールの話を聞いた時、本当にユウを救けられるのかと不安が過ったのも確かだった。
約束...なんて優しくて、残酷で酷いことを言うのだろう。
オレにとっての幸せが何か知りもしねえくせに...
でも今まで見たことのない真剣な顔でオレを見つめるユウに嘘でも肯定する他なかった。オレもユウの重荷にはなりたくない。
お前はいつ幸せになれんだよ...
「何してんだ遅エ〜〜〜よ、謹慎トリオ」
「早く手伝わねーと肉食うの禁止だからな!」
「すぐやるね!」
『すぐやる!』
「肉を禁じたらダメに決まってんだろがイカれてんのか!!」
「ええ...ヤべェ人じゃん」
「嫌なら手伝えよー」
「ニラ切った奴誰だ!」
「オレだ!」
「姉ちゃん泣くぞ!!」
「上手いな」
「テメェが下手すぎんだよ死ね!」
『かっちゃん、ついでにこれもだって〜私が切』
「ああ!?置いとけ!お前はぜってえ包丁持つな!」
『えーそこまで心配しなくても...ねえ轟くん?』
「いや絶対やめとけ」
『ええ...』
「インターン意見交換会兼始業一発気合入魂鍋パだぜ!!!会を始めよう!!!」
『わーい!鍋美味しい!』
「寒い日は鍋に限るよなァ...!!」
「暖かくなったらもうウチら2年生だね」
「あっという間ね」
「怒涛だった」
「君たち!まだ約三か月残ってるぞ!!期末が控えてる事も忘れずに!」
『うっ』
「やめろ飯田、鍋が不味くなる!」
「味は変わんねェぞ」
「おっ...おまえそれもう天然とかじゃなくね...!?」
「皮肉でしょ?「期末慌ててんの?」って」
「高度!!」
『期末どうしよう期末...』
「どうしようってどうにかすんだよクソが!」
『ひいっ!』
「...ドンマイ三条」
「頑張れ三条くん...!」
「三条、これさっきと違う味のやつ。食うだろ?」
『ありがとう轟くん!食う食う!』
こんな平和な日常がいつまでも続いてくれればいいのに...
時は刻々と