世界観 プロローグ
表向きには人間だけの社会
しかしその裏には人類のうち、二割ほどいる吸血鬼の存在を隠蔽している。
表の世界で吸血鬼は一般人に紛れ功績を残したり、地味に目立たないように過ごしたりしているのだが__
そんな平和主義の吸血鬼の中でも過激に血を求めるものが存在する。
彼らは殺人誘拐などの犯罪を犯し、それらは全て政府の機関によって消され秘匿事項とされている。
これはそんな世界のお話。
激動の時の話である。
時は現代。
文化は日本とは言い難くも日本のような静かさもヨーロッパのような騒々しさも持ち合わせたような世界。
時に、厨二病を拗らせたような不思議な能力が使える人類が現れたり現れなかったり。
皆穏やかな日々を過ごしていた。
少し誘拐や神隠し、殺人なんて物騒な事件もあるのだけれど。それもまた日常のひとつだった。
事は突然起こった。
政府にとある文書が届いたのだ。
『人間は私達の同胞を殺し過ぎた
私達はこれから武力を持って人間を殺す』
政府は吸血鬼の存在を隠蔽しこの世に混乱を招かぬように吸血鬼には大変な生活を強いていた。
そしてそれに歯向かった吸血鬼も秘密裏に処分していたのだ。
共生にはそれだけの犠牲を強いていたということだ。
だが政府は最初この文書をさほど重要視していなかった。
なぜなら今まで人類は吸血鬼によって驚異に晒されたことがなかったからだ。
放置しておけば脅威となる、しかし芽吹く前に殺し、抑圧してしまえば…?
そういった方法で政府は多くの吸血鬼を殺し圧殺してきた。
それで今までは良かった。
とある吸血鬼が現れさえしなければ。
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本作品は以上の世界観を元とした話となっております。
以下は用語説明が続きます↓
★祓魔師
イメージとしては警察の特務課のようなもの
人に被害を与える可能性のある吸血鬼を処分するお仕事
年齢制限はなく一定の技能を満たすか、昔から祓魔師を排出している家に認められることで祓魔師として働くことが出来る。
免許等は存在しない。
祓魔師の仕事のことは国家機密となっており無闇矢鱈に口外すると罰則がある。
給金は出る。
★竜胆(リンドウ)
祓魔師を管理する機関のひとつ
1000年以上前に設立され周辺の自治を任されている
血筋や能力重視な面があり能力は攻撃性の高いものが好まれる傾向にある。
スカウトには消極的
吸血鬼に関する書物も多く管理している。
★緒環(オダマキ)
祓魔師を管理する機関のひとつ
竜胆と同時期に設立された祓魔師が所属する機関
竜胆は血筋や能力重視な面があるが緒環は身分問わず人を雇っている。少々フラット。スカウトなどは積極的に行っている。
30年ほど前、ある吸血鬼の襲撃によって1人を残して壊滅状態となっていたが今は昔のように活動を行っている。
★竜胆家(リンドウケ)
祓魔師の管理機関である竜胆の管理を任されている家
多くの優秀な祓魔師を排出しており、祓魔師の良家とも知られる。
主に竜胆のボスをこの家から排出することが多いため、現在の竜胆のボスの先代は竜胆家出身である。
何やら政府と密接な繋がりがあるようだが…?
★本部(ホンブ)
祓魔師を管理する政府機関の通称。
主に任務内容を出したり吸血鬼のランク付けをしたりなどの戦闘以外の雑務を行い、祓魔師達をサポートする。
竜胆と緒環の直属の上司のようなものであり、祓魔師の報告を元に吸血鬼の処遇を決めたりする。
★能力
・人間
異能力。
物体に対して効力を持ち、人体や血液、精神などには効力を発揮しない。
人間の能力保持率は15.9%、表沙汰には能力を持っていると錯覚する精神病とされている。
祓魔師になるためには能力がないと吸血鬼に対抗出来ないと考えられているため、能力の有無は祓魔師になるための第一条件である。
(能力例:物体を浮かす・物体の記憶を読む等)
・吸血鬼
能力保持率100%
人体や血液、精神に効力を発揮し物体に対して効力は持たない。
強さはそれぞれで全く同じ能力は存在しないとされている。
(能力例:人間を操る・血液を凝固させる等)
★吸血鬼
血を喰らい生きるもの。
人間の食事でも生きて行くことが可能だが血を飲むことによって健康状態が保たれる。
血は人間でも動物でもどちらでもいいが人間の血が最も美味い。
寿命は150~500年ほど
血の摂取量や真祖の血が寿命に関係しているとされる。
見た目の年齢は個体差があるが大体は15から20を超えたあたりから成長が遅くなる。
羽があったり耳が尖っていたりするがそれも個体差である。
十字架などの苦手なものは個体差だが、かなり現代社会に順応している個体が多い。
★階級
吸血鬼の階級
最下位から特位まであり、祓魔師を管理する機関が、能力や死傷者を出した数を鑑みて付けられた目安のようなもの。
・最下位
最も低い位
基本的には普通の人間か普通の人間より少し良いぐらいの能力しかなく、力は微弱。
真祖の血がかなり薄まっている様子。9割人間。
人間で言うチンピラレベル
吸血鬼の20%ほどを占める
・下位
2番目に低い位
若干吸血鬼寄りになるがそれでも普通の人間の域を出ないほどの能力しかない。
8割人間。
ちょっと強いチンピラレベル
吸血鬼の20%ほどを占める
・中位
真ん中の位
最も判断基準が広く、多くの吸血鬼がここに分類される。
7割から3割ほど人間感がある。
祓魔師が主に討伐、捕縛している位である。
武力を持たない人間であれば敵無しな程の強さ
吸血鬼の50%ほどを占める
・上位
真祖の血がだいぶ強い位
吸血鬼としての本能が強く、武力を持った人間であっても苦戦するレベルの強さ。
治癒能力も高く吸血鬼らしい面が多く見受けられる。
吸血鬼の8%程しか存在しない。
・最上位
基本的には一番高い位と言われている。
血のほとんどが吸血鬼で純血などと呼ばれることもある
高い治癒能力と高い身体能力を有しておりその強さは圧倒的という他ない。
百戦錬磨の祓魔師ですら苦戦することも多いがその分個体数が少ない。
吸血鬼の2%程しか存在しない。
・特位
特例にのみ適応される吸血鬼の位
最上位の上であり尚且つ特定の条件を満たした時のみ認定される。
災害と同じ扱い。
特位と認められる条件は2つ
どちらかを満たすか、個体が及ぼした被害を鑑みて特位と認定される
1)最上位と同等かそれ以上の身体能力と強固な肉体
2)能力ひとつで命や人の能力を左右する強力な力
現在、認められている特位はたった1人しかいない。
真祖の血が特に濃く、全てにおいて特殊であり圧倒的である。
★スノードロップ
祓魔師が使用する武器
吸血鬼に対し特攻となる特殊な素材で作られている武器の総称。
つまり祓魔師達の武器は基本的に特注。
スノードロップによって付けられた傷は治癒能力の高い吸血鬼と言えど普通の人間と同じぐらいのダメージを受けるため、スノードロップで致命傷を与えられることが出来れば吸血鬼を討伐することが出来る。
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