短編集

例えばその日世界が滅んだとして、
私は何が出来たのだろう。私は何が残せるのだろう。
きっと誰の記憶に残らなくて、
きっと何も出来ないまま日常の延長線上を歩くばかりなのだろうか。

今、この瞬間。
死んでしまえたのなら楽になるのにと思う。夜眠って、そのまま夢に取り残されたいと願う。でもそんなこと出来ないから。こわくて、おそろしくて、そんな勇気もないから、私は此処にいる。未だ、いる。
人生に終わりはないと言うけれど、確かにそうなのかもしれないと思う。だから、そのために私達は受けたくもないテストを受けて、就活をして、社会の歯車になるのだ。終わらぬ人生を、詰まらぬものにしないために。誰かの終わらない人生を彩るために。

例えば明日世界が滅んだとして、
この日々を後悔のない人生だったと言えるのだろうか。
私にはまだ分からないけれど、きっとその答えを見付けるために、いつ滅ぶのか検討も付かないようなこの不安定な世界で生きているのだろうと思う。

例え何も出来なくても、
例え何も残せなくても、
私は、私が生きる理由を探して、見付けるために今日も生きているのだ。
この世界がいずれ本当に滅んでしまう、そんな明日まで。
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