短編集

 たんっと勢いよくコンクリートに立った。びゅうと風が私を襲う。スカートが翻って、前髪が景色を隠した。

 あと数分。あと数秒。

 刻々と太陽が落ち、空が濁る。
不意に太陽の神話を思い出した。もしかするとあの少年と同じ景色を私は見ているのかもしれない。
手で掴もうとしたけれど、結局何も掴めなくて、ぱたりと腕を横に垂らした。ひらひらと舞うスカートを押さえる。
目下を走る車が疎らにライトを付け始めた。目に優しくない、不健康的なネオンの輝きはまだまだ先だ。
さっきまで澄み渡るような青空だった空は、太陽と月の狭間。黄昏が私を照らす。
まるで暁のようだ。陽炎の向こうで、煌々と輝いている。
昼間からあると云われる星すらまだ見えない時間帯だけど、ほんの僅かな時間しかないけれど。
それでも輝く暁のような空は、青空と混じり合って、ただただ綺麗なのである。ほんの僅かな時間でしかない、この瞬間が、好き。
だから、今日も明日も。


ずっとその先も、私は見ていたいと思う。



消えてしまうな、

君は今日も儚くあれ。
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