マボロシの君へ



「……?」

顔を上げた少女は、茫々とした瞳で俺を見つめてきた。

(うわぁ…、可愛い///)

全貌が露わになった少女は、声を掛けたシンを尚も無垢な瞳で不思議そうに見続ける。

「だぁれ?」

「ぇ?…と、おっ俺はシン」

「…しん?」

コテンと首を傾げる仕草は少女を見た目よりも幼く見せた。

「うん、君…は?」

「??」

彼女はまた首を傾げる。

俺の言っている言葉の意味が通じなかったのかもしれない。

確かに物事を人に説明するのは苦手だし、妹に何度もよく分からないと言われた。

「え~とぉ、名前。君は、なんて呼ばれてるの?」

「呼ばれる…」

少女は少し俯いて真剣に考え込でいる。

(そんなに考えること聞いたか、俺)

「━━オイ」

「へっ?なっ何━━」


「オマエ、ニセモノ、カワリ…」

「………」


おいおい…ι

これってもしかして


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