天使との邂逅
ねぇ、あれ見てよ。
クスクスッ
ほんとだ~。よくこれたわねぇ。
あれでコーディネイターなんだってぇ
ウッソー!私ナチュラルかと思ってた。
(知ってるくせに…)
あっ!分かった。
親が顔を調整するの忘れたんじゃない?
あ~、ありえるかもぉ~
って言うかぁ、本当にそうだったりしてぇ~
キャハハ!!
(勝手に言ってれば…)
もう、慣れたから…
こんな事を言われたのだって今日が初めてじゃない。
今までだって散々言われてきた言葉だ。
こんな場所だけでなく、17年しか生きていない人生の中でだって、謂れ無い中傷や罵声を浴びせられてきた。
あたしだって、好きでこんな顔に生まれたんじゃないわよ!
いつだって声を大にして言ってやりたかった。
「……」
でも言えない。
また言い返されるのが分かっていたから。
いつだって心の中に留めておく私の本音。
不意に肩に流れる自分の髪を一掴み取ってまじまじと見た。
紫がかった灰色の髪の毛。
小さな溜め息をついて今度は目の前にある鏡に写る人物を見た。
小さな小さな目。
頬には無数のそばかすが浮いていた。
「……っ」
なんてパッとしない中途半端な色。
瞳の色も解らないような可愛くない目。
そんな顔を更に悪く見せるそばかす。
「………」
震える拳に力が入る。
こんなの!こんなの!
あたしが一番嫌ってるわよ!
昔っからあたしが最初に嫌いだったんだから……。
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