執事とお嬢様(仮)
ミーア視点
皆の前で(ブラウン管ごしだけど)ラクス様になりきる最初の大仕事を無事終えて、すっごく安心したよぉ。
で!本当に偶然たけどアスランと会えて、お食事も一緒できて、ラクス様に似てるよって褒められてホントにホントォーに!!嬉しぃ~♪
━━って、思ったのも束の間。
なんか、議長があたしに会わせたい人がいるみたいなの。
ラクス様関係の人らしいんだけどぉ~、移動しながら話すからって、急いで車に乗せられて、ええぇーっ!!って感じだったんだ。
でも!でもでも途中でアスランが来てくれて、もぉ~! テンション MAX!!
何でも、今から会いに行く人はアスランとも顔見知りだからミーアの力になってくれるように一緒に頼んでくれるんだって。
アスラン、優し~い♪
━━で、その人ってラクス様の家で執事をしていた人らしいの。
常にラクス様の傍にいて、アスランよりもラクス様のことをよく知ってるから、ミーアのことを皆にバレないように もっと完璧なラクス様にしてくれたり、傍でミーアが馬鹿した時のフォローをお願いしに行くみたい。
どんな人かなぁ?
う~ん、優しいお爺ちゃんとかだったら良いなぁ。あっ!シブいおじ様でもOK!ね。
でも、厳つくて恐い顔の人はちょっと勘弁かも……。
運転手さんに ここですって言われて着いたのは普通のマンション。
ラクス様の家…とはいかないまでも、もっとイイとこを想像してたあたしはちょっと拍子抜け。
執事って、そんなにお給料良くなかったのかなぁ?
あたしは騒ぎにならないようにフードを目深にかぶって議長の後を着いていく。
議長がそのままだから、あんまり意味ないかもだけど…。
表札には『キラ・ヤマト』
呼び鈴を鳴らせば すぐに応対の声がした。
……あれ?いまの声…おじさんじゃなくて男の子だったような、え?あれ??
開いたドアの向こうには、あたしの思う通り、アスランと同い年くらいの綺麗な男の子……男の人?がこっちを睨んでいた。
…………なんで?
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