真実の愛





それは、紺碧の空に星々が輝く晴夜の出来事だった。



東の空から、一つの小さな流れ星が誤って地上に落ちてしまった。


それに慌てた他の星たちは、急いで落ちてしまった流れ星を捜すため星屑を地上に遣わした。



だが、それでも流れ星は見つけられず━━16年もの長い歳月が過ぎた。







*******



━━『プラント帝国』。

それが今のこの大陸全土を治める国の名。


この国は数年前から皇帝の座が空位となって久しかったが


それでも民は、皇帝の在位時と何ら変わらない日々を過ごしていた。






「平和ですね…」

見晴らしのよい野原にポツンと立つ大きな樹木の木陰で、一人の少年が気持ち良さそうに目を閉じて寝転んでいた。



「ニコル様ーっ!」


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