Despair of truth



「いや、そんなに畏まらないでくれ……」

「あっ…、す、すみません。アスハ代表!」

「………」

まぁ、別に良いけどな…とセレナの変わらない態度に諦めたのか、彼女━━カガリはそのまま話を続けた。

「お前、アスッ……アレックスの知り合い、か…?」



「……ぇ…」

一瞬セレナの息が止まり、思考が働かなくなった。
瞳だけが目の前の少女の存在をただ映しているだけで、それ以上の機能が全くといっていい程に動いてくれない。

「ぁ!いや、違うんだ!別に知り合いだからどうとか、そういうのじゃなくて!」

「では、何……を…」

震える両手を胸の前できつく握りしめる。
落ち着け…落ち着くのよ。まだ何も言われていない。早とちりかも知れない。顔に出しちゃダメだ…。

いきなり彼の知り合いかどうかを聞いて、私の何を━━。

「別に…、別に私は嫉妬してる訳じゃないからな!!!」

「何を……って、嫉…妬?」

「そうだ!」

何で代表が私に……嫉妬?

「だから!別に羨ましいとか、そんなこと思ってる訳じゃない」

…羨ましい?

だめだ、アスハ代表の話が全く分からない。

「私だって、アスランと遭難した時に寝顔ぐらい見たことあるんだからな!」

え?!遭難っ!!

「膝枕じゃないし、今みたいな安心しきった顔じゃなかったけど……」

いや、膝枕はアスランが頭打ってたからで…、顔は疲れてるからそう見えるだけじゃ……

「だから…だから私は、断じて、断じて焼きもちなど焼いていなーーーーい!!」


「え!?ちょっ!アスハ代表、アスランを探しに来たんじゃ…」

叫びながら自分達に用意された部屋に向かって疾走していくオーブ代表。
アスランに膝を貸していたセレナは残念ながら追うことが出来なかったが、カガリが言っていたことの意味が理解できずに、ひたすら考えていた。



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