Despair of truth



アスランに大事ないと分かって脱力したのか、彼女はドサッと豪快にソファーに倒れこんだ。

(……あッ!)
隣に据わられて、セレナは今の状態を思い出した。
自分はアスランに膝枕をしている。いま彼とアスハ代表がいる前でさすがにこれはマズイのでは……。

「あの…「久しぶりに見たな。コイツのこんな寝顔」

「え?」

彼女は優しい笑みでアスランの頭を子供にするようにポンポンと柔らかく叩いた。

その眼差しは、とても暖かくて。
まるで聖母のようにセレナには見えた。彼女はその暖かさと実直さでオーブの母として奔走しているのだ。



オーブの姫で先の大戦の英雄。
そしていまや一国の元首。その美しさから国民の人気も高いオーブの代表。

片や、一国の一兵士。高貴な生まれと言う訳でもなく、大したコネもない、平々凡々な女。

どちらが彼の力になり、隣に相応しいなど、火を見るよりも明らかだろう。


本当になぜ彼の隣にはラクス・クラインやカガリ・ユラ・アスハといった錚々たる顔ぶれの女性がばかりが揃うのか。
これでは自分の立つ瀬が全くない。

(別に張り合おうとは思わないけどさ……)


「…お前」
「うぇ!?はい!」


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