Despair of truth



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「………」

ミネルバに帰還してからも三人は何も話さなかった。

シン達とも、それぞれのパイロットルームに向かう通路で何も言わずに別れた。

そして、女性専用のパイロットルームに着いたルナマリアは、そこで煮え切らない思いを一人で持て余していた。


さっきの闘い。相手が最新のMSに乗っていたといっても、それは元は自軍のMS。

いくら情報を正確に掴んでシミュレーションをしていたとしても乗ったのはあの時が初めての筈。

それに引き換え、自分は何度も乗ってきた愛機。

両者ともに決定打となるものはなかったけれど、逆にその事がザフトレッドとしての誇りに傷をつけた。

セレナとレイは敵MSを撃破してミネルバを守っていたのに…。


(デイル…、ショーン…)

私は、何も守れていない。

その事にルナマリアの気持ちは更に降下するばかりだった。


チラリと隣にいるセレナの様子を伺い見て、思わず、ぎょっとした。

セレナが自分の体を抱きしめて蹲っている。

そこでルナマリアは初めて彼女が震えていることに気づいた。

「ちょっ、セレナどうしたの!?大丈夫!」

「ぇ?……あ、うん。大丈夫だよ」

そう言いながらも顔色は青白く、瞳は揺れている。

いつものことながら親友のその態度に、ルナマリアはちょっとの怒りと盛大な呆れを込めて息を吐く。

「もぉー、良いから!ほらっ、こっちに据わって」

セレナの手を強引に引いて、傍にある椅子に据わらせる。

セレナが手に持っていたヘルメットは横に置かせてから、ルナマリアは彼女を力一杯抱きしめた。

「ルナっ、くっ苦しぃよぉ…」

「良いの!ほらっ、セレナも早くハグする!」

「え? こ、こう…?」

言われるままに、おずおずと両腕を彼女の背中に回す。

━━すると不思議だった。

あれほど止まらなかった震えが少しずつだが治まり、肩の力が段々と抜けて次第にルナマリアにもたれ掛かっていく。

(本当に、不思議だ…)

「ルナ、暖ったかい…。何だかお母さんみたい」

「Σお、お母さん!?…せめてお姉ちゃんにしてくれないかな~ι」

この歳でお母さんはちょっと……。

「それに歳で言うならセレナの方が上でしょ」

「性格の問題だよ~。それに歳だって一つ違うだけだもん♪」


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